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エッセイ「感覚」 3.見つける

 ああ、これだ。おっと、こんなところに。
どんな形でもいいけれど、探していたものを見つけたときのパァッと明るくなる気持ちが好き。やっと会えた!という喜びで満たされる。それとは別に、何も探していないときにお気に入りのものを見つけるのは、澄んだ気持ちになり見つけてやったぜ!という優越感に浸れる。とにかく何かを見つける、という行為はその瞬間心の中に新しい風を吹かせてくれる。

 私にとってそれが顕著に現れるのは写真を撮るとき。カメラという名のスマートフォンを持ち歩き、ただあてもなくフラフラとお散歩をする。その先に何か見つけられるのではというワクワクした心持ちも忘れずに。そうすると、大抵何かを見つけることができるのだ。花、鳥、虫。山、川、海。自分の心にキラリと光る何かがあったとき、それはシャッターチャンス。急いでカメラを構えてパシャリと1枚。

 帰路につき、ベッドに寝ころびながらカメラロールを漁ると、過去に見つけたものたちと今日見つけたものたちがご対面する。そこではたと気づくのだ。あれ、同じような写真が多いな。そう、見つけたものたち、見つけられたものたちは、私の好みを知ってここにいるよと光を見せてくれていたというのだ。夢は口に出して言うと叶う、というように、好きも口に出しておくといいことがあるのかもしれない。


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