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料理の実験室〜すてっぷ5『和風・洋風・中華風って、何で決まるの?』

レストランのメニューやコンビニのお惣菜、ネット上で検索するレシピでもよく見かけませんか?

『和風サラダ』
『中華風炒め』
『洋風鍋』

のような表記。

そして、食べると「なるほど〜確かに◯◯風だわ」と納得するものが多い。

なぜなのか?

私たちは、何をもってその料理を◯◯風と認識しているのだろうか。

◯◯風を決定づける“何か”があって、それを入れると◯◯風になるのか。

実験してみました。


題材となる料理は、その“何か”の効力を実感するためにあえて雑に選んでみます。

冷蔵庫の中に入ってて〜、たくさんあって〜、まだこのブログで紹介してない食材で〜…

ミニトマト!!何も考えずに君に決めたっ!

もう少し料理の方向性を定めたいので…ついでにパスタ!!君もだっ!
この2つでいきます。
本当に、なんとなくです。

●ミニトマトの栄養素(成分)は?

・βカロテン:ビタミンAに変換、皮膚や粘膜の健康維持
・ビタミンC :コラーゲン生成に役立ち、たるみやシミそばかすを予防
・リコピン:抗酸化力が強く、血流改善や肥満防止、美肌効果がある
・カリウム:余計な塩分を体外に排出する

実は同じ重さあたりの栄養価だと、ミニトマトはトマトよりも高いんです!ミニだからってあなどれませんね!(??)

●本日の実験テーマ『ミニトマトとパスタに、もう1つ“何か”を掛け合わせることで、それぞれ和風・洋風・中華風を表現することができるのか?』

ルールを設定してみました。

・ミニトマト × パスタ × “何か” = ◯◯風に当てはまる“何か”を見つけること
・ミニトマトは3個、パスタは40g
・“何か”は1つだけ
・それ以外で使えるのは、基本的な調味料とクセのない調理用油のみ
・調理方法は自由

…自分で考えていて思ったんですが、これ、“何か”を見つけるだけでなく、それを掛け合わせて料理もつくらなきゃいけないんですよね。できるかな笑

そんな一抹の不安を抱えながら、和風、洋風、中華風…それぞれのタネとなるものを冷蔵庫や調味料棚を必死に探していきました。
順番に見ていきましょう。

●まずは、和風編

ほんのりかつ重厚な出汁のうま味をベースに素材を活かす料理が、和風というイメージ。
そして、ミニトマト×パスタに用いるものとして考えた結果、選んだのはこれ!

“めんつゆ”です。

湯むきして皮を取り除いたミニトマトさん。

これを、めんつゆの入ったブレンダーに入れてまぜまぜ…

はいっ、ミニトマトの麺つゆの出来上がり!
網で漉しますが、漉したものも麺に絡めて…

ミニトマトの冷製“和風”パスタ!

お味の方は…あら美味しい。笑
うま味がすごいです。
ミニトマトのうま味成分であるグルタミン酸が、出汁のうま味であるグルタミン酸×イノシン酸と相性抜群なんでしょうね。

そういえば、トマトのおでんなんてものもありますもんね。
うん、これなら“和風”を名乗れそう。

●次に、洋風編

ミニトマト×パスタの時点で、圧倒的洋風感ですが、じゃあ更にそれを引き立たせるものはなんだろう…ということで見つけたのが、

“チーズ”です。

シンプルにいきましょう。

ミニトマトを、溶かしやすくするために繊維に対して垂直に切って、フライパンに並べて水を入れ、軽く塩を振って煮立たせます。皮はこの時点で自然と剥がれるので取り除きます。

ミニトマトがしっかり溶けたら、味をみながらパスタの茹で汁を少し加え、そこにオリーブオイルを入れてソースを乳化。とろみをつけてなめらかに。

最後にモッツァレラチーズを加え、パスタを和えれば…

ミニトマトとモッツァレラチーズの“洋風”パスタ!(洋風いる?)

お味の方は…はい間違いないですね。うんまーーーい!!!
ミニトマトの甘味と酸味がめっちゃ活きてます。
シンプルだからこそ、余計に引き立ちますね。
モッツァレラのクリーミーさが合う〜。そのままピザソースになりそう。

●最後に、中華風編

中国料理のイメージ…一般的なものだと、華やかな香り、辛味とうま味のバランス、カドのとれた酸味…というところでしょうか。
それをどうミニトマトにパスタという組み合わせに活かすか…う〜んう〜ん。よしっ…

“豆板醤”にしてみました。

豆板醤をしっかり油で炒めて香りを立たせて、そこにミニトマトを投入。

食材の形を活かすため、溶け切る前に高温で炒めて、最後に塩で調整。

はい完成!見た目だとちょっと分かりづらいけれど…

ミニトマトと豆板醤の“中華風”ペペロンチーノ!

味は…ん〜もうちょいいけそうだなぁ笑
ミニトマトと豆板醤がそれぞれ独立している感じ。豆板醤だけだとうま味が弱いから、トマトの形を残すことを意識せずにもう少しスープ化してしまってもよかったか。

というか、今思えば、豆板醤ではなく沙茶醤にしてミニトマトと練り合わせてサラダパスタみたいにした方がよかったかも。うわぁ悔しい、今度やってみよう!

●今回の実験の結論は…

ミニトマトとパスタに、もう1つ“何か”を掛け合わせることで、それぞれ和風・洋風・中華風を表現することは、不可能ではなさそう。

今回は元となる料理がだいぶ洋寄りだったのと、色々と縛りをかけていたので難しい部分もありました。
また、元となる料理いかんによって、掛け合わせるものが1つなのか2つなのか、増減はありそうです。

…と前置きが長くなりましたが、「この食材・料理に、これを使うと◯◯風になる」は確かに存在しそうです。

ちなみに、終わってから気付いたのですが、◯◯風を表現するために選んだ“何か”は、それぞれ、

・出汁
・食材
・調味料

…で、これってまさにその国の料理の特徴・特性が現れるものでした。

食材にその国や土地の名産品があるのは、言わずもがなでしょう。

出汁には、
和風…鰹節や昆布、煮干しなどの海産物がベース
洋風…香味野菜や香辛料に、肉や魚を用いる
中華風…鶏や豚がベース

などの特色があります。

また、調味料も、同じ「素材の味を最大限に引き出す」ことを目的としているにも関わらず、洋風だとほとんど塩・胡椒しか使わない一方で、中国料理は多種多様な調味料を駆使します。(あくまでも一般論です)

今回は、別の国の料理をベースに「◯◯風」をつくるという調理でしたが、シンプルにその国の料理をつくるときでも、出汁・食材・調味料…この辺りを意識して、その国の魅力をしっかりと感じられる料理をつくりたいものですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました(#^^#)

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