📙読書記録📙食の力は偉大。(※ネタバレ含みます)
読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回ご紹介する本
『食堂かたつむり』
小川 糸 著
ポプラ文庫
2010年1月15日 第1刷発行
あらすじ
同棲していた恋人にすべてを持ち逃げされた衝撃から声が出せなくなってしまった倫子は、わずかな手荷物と所持金で故郷へと戻る。料理の腕に自信のあった倫子は、長年折り合いがつかなかったおかんに家の物置小屋を貸してほしいと頭を下げる。飼い豚のエルメスの世話をする事を条件に、1日1組のお客様だけの特別なメニューを振る舞う食堂をオープンする。倫子の料理を食べた人や動物が不思議と元気になっていく物語。
※ネタバレ含む
恋人にすべてを(もぬけの殻状態)持ち逃げされる衝撃なシーンから始まるお話し😱
なにもかも失って途方に暮れるも、プロの料理人を目指していた倫子は、自分には料理の腕があると思い出して再び立ち上がります。
そして、ショックから声が出せなくなった倫子は、筆談や身振り手振りでコミュニケーションを取りながら、近所の熊さんの手を借りて物置小屋を改装し、故郷の食材をふんだんに使った食堂をオープンさせます。
それは1日1組限定で、倫子が心を込めてお客様だけの特別な料理を振る舞う食堂でした。
そんな倫子の料理を食べた人、又は動物までが元気を取り戻していくという不思議な現象が起こるようになり、倫子自身も少しずつ過去の傷が癒えつつありました。
そんな中、折り合いがつかなかったおかんに余命宣告を告げられていたことが発覚します。
自分の出生やおかんの真実を知り、娘として、料理人として、最後におかんになにをしてあげられるかを悩む倫子はある案を思いつきます。
なにもかも失い、途方にくれたかに見えた倫子でしたが、自分には『料理』という特技があると思い出したお陰で自分を取り戻していきます。
長年自分が磨いてきた腕(スキル)を持っているのは、いざという時にとても心強い力になってくれるんですね。
プロの料理人を目指していた事もあって、本当にどんな料理も作れてしまう倫子。
料理を作れる人ってほんと凄いよなあと尊敬しています✨
お客様だけのメニューを考え、食材を集めて楽しそうに料理をする姿はまるで魔法使いのように見えました。
著者の小川糸さんはこういう食に関するテーマの物語が多いのは、食の力で人は元気になれると信じておられるからではないでしょうか。
そして、豚のエルメスが登場した意味(T ^ T)
人を癒す事で倫子自身も癒されていく。そして命の尊さを物語るお話です。