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【読書メモ】吉田満梨, 中村龍太 『エフェクチュエーション』51

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読書メモ

第9章 フリーランスとしてのエフェクチュエーション

  • 2014年 パエリアとの出会い ― [手中の鳥]手持ちの手段がなくても心配しない

    • パエリア料理店のオーナー兼シェフの栗原靖武氏との出会い

      • 出会ったときは「手中の鳥」とは認識していなかった

    • エフェクチュエーションの「手中の鳥」や「レモネード」として認識される対象は、その時々の自分の関心によって浮上する
      関心の契機は、さまざまな経験や人との出会いのなかから生まれてくるため、さまざまな人と関わり合うのがよい

  • パエリアに初めて関心を持つ ― [手中の鳥]巻き込まれ力からの手持ちの手段の獲得

    • パエリアに関心を持つきっかけになったイベント
      →ダンクソフトの研修兼親睦会である1Day合宿(メイン行事はパエリアコンクール)

    • パエリアコンクール

      • 社員をいくつかのチームに分け、お客様に審査してもらう
        →これをきっかけにパエリアに強く興味を持つ

      • パエリア料理店のオーナー兼シェフの栗原氏(誰を知っているか)、パエリアの作り方(何を知っているか)を、自分のなかの「手中の鳥」として、強く認知できた

    • 「パエリアを作ることができます」と自己紹介したほうが、すぐに仲良くなれる
      パエリアは「クレイジーキルト」を作る「手中の鳥」

    • 「手中の鳥」の再獲得では「巻き込まれ力」も意識する
      →「何を知っている」の探求は、他人に誘われ、さまざまなことを経験しただけ(自分の意思のみで「手中の鳥」という資源を獲得したわけではない)

感想

以前、エフェクチュエーションの手法は、事前的に採りうるものなのか、事後的な判明するものなのか、という問いを立てましたが、この事例では、事後的にわかる(ある文脈において初めて認知される)ものであることがわかりました。

エフェクチュエーションは、この手法を使おうと意気込むよりは、気楽に構えて行動の範囲を広げたほうが、よほど良い結果がでるのかもしれません。いまは役に立たないように見えていたものが、ある状況に置かれたときに手段や資源として認識されるとすると、手段や資源というものは、かなり文脈依存的な性質を持つものだと考えられます。

グラノベッターが「弱い紐帯の強さ」という概念を提唱しましたが、弱い紐帯の網の目を広げていくためにも、「巻き込まれ力」は必要だと思います。「弱い紐帯の強さ」とは、「強い紐帯」とは異なる情報が入手できることを意味しますが、エフェクチュエーションで重要となる、多様なパートナーの獲得にもつながるものだと思います。

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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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