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【読書メモ】ジェリー・Z・ミュラー 『測りすぎ』50

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読書メモ

PartIII あらゆるもののご測定? ケーススタディ 12ビジネスと金融

  • 能力給がうまくいくときと、いかないとき

    • 従業員の貢献度をできるだけ密接に報酬に紐付けようとするのは理にかなっているように思えるが…

      • 能力給が効果的な場合は限られている

        • 定型的なルーティンワーク

        • 内的報酬が比較的得られない作業員にとってしか、仕事の満足度を左右する重要な要素にはなり得ない

    • 人を尺度に沿って評価するのは間違ってはいないが、簡単に測定できるような数少ないアウトプットだけを測るようになると問題が生じる

    • 能力給はさまざまな欠点がある
      →内的動機が外的動機によって押し出されてしまう問題など

    • 測定が非生産的な結果を生み出すことはよくある
      ランキングがやる気を削ぐ結果となる
      →実績連動型のボーナスではなく、株式や自社株購入権と組み合わせた、もっと高い固定給に切り替える

感想

測定が導入された動機のなかに「コストカット」があったと思います。測定も、ボーナスを与えることではなく、いかに人件費を削っていくか(ひどい言い方をすると「ケチをつけて報酬をできるだけ払わないようにする」)、という意図から導入されたのではないか、という疑念を持ってしまいます。

能力給というのも、量が簡単に測れる単純作業のようなものでないと、うまく機能しないと思います。例えば、何かしらの案を考えることは、形として表れていないので測定のしようもなく、何も生産していない無駄な時間を過ごしていると誤解されてしまう恐れがあります。

これは、情報を扱うことが報酬につながるタイプの職業と、能力給との相性が悪いことを意味しているだと考えられます。それを無理やり測定できる何かで代用したとしても、やはりそこには無理があるように思われます。

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Tomoko Nakasaki(中崎 倫子)
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