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【読書メモ】細谷功『「具体⇔抽象」トレーニング』47
読んだ本
読書マインドマップ
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読書メモ
第6章 言葉とアナロジーへの応用
「写真の1枚当たりのコストの変遷」から学べること
写真1枚のコストは、時代とともに限りなくゼロに近づいている
フィルムカメラの時代→デジタルカメラの時代→クラウドコンピューティングの時代
写真1枚のコストはほぼ無料になった
「限界費用ゼロ化」がさまざまな領域で起こっている
「メールからLINEへ」から学べること
毛筆→硬筆→電子メール→SNS・メッセージアプリ
両極端にある「毛筆」と「SNS・メッセージアプリ」の比較
形式重視か内容重視か
手書きの手紙は物理的にも形式が確立されている
手書き:フォーマルな場面で用いられることが多い
SNSやメッセージアプ:カジュアルな場面で用いられることが多い
「完璧に準備してから清書」か「間違えたら後から直す」か
電子メールでは「直しながら作成する」
SNSやメッセージアプリでは「意味が通じれば多少の間違いは目をつぶる」
「半日がかりで1通書く」か「3秒で100回送る」か
「少頻度長サイクル」から「多頻度短サイクル」に
この2つの違いは「完成度重視」と「スピード重視」の対極的なスタイルとして整理される
感想
「デジタル技術がスピード重視のコミュニケーションと開発を可能にした」と要約できそうです。諸外国の産業のスピード感が日本の産業のスピード感よりも速く感じるのは、寄って立つスタンスの違いだと思います。
いままで「完成度重視」で勝負してきたのなら、「スピード感重視」に路線を変更するか、市場を変えることで、この窮地は脱することができるのではないかと思います。速さや新しさが価値と感じるのではなく、ゆっくりと丁寧な仕事に価値を感じてもらう人たちがいる市場を見つけ出せば、十分に勝機も見いだせるのではないかと思います。
技術が産業や生活に与えるインパクトは想像以上だと思います。昔はプロの技術やスキルが必要だったものが、技術によって素人でも扱えるようになります。デジタルカメラやスマホアプリにより、素人でもそこそこの作品を簡単に作成できるようになってしまいました。生成AIも、この流れの延長線上に存在するものだと考えられます。
新しい技術が世に出るたびに「◯◯の仕事がなくなる」といったことが話題になります。そのとき、過去において、どんな仕事がどのようになくなったのか(または変化したか)を見ていると、ある程度の予測がつくのではないかと思います。
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