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「 シン・エヴァンゲリオン劇場版:Ⅱ 」考察レビュー、謎が謎を呼ぶ展開とラスト

エヴァンゲリオンの襲撃、もとい終劇を体験できるとは思ってもいませんでした。

「 エヴァ 」とのファーストコンタクト(アニメではなく漫画)は、碇シンジと同じ年齢14歳の時でした。

それから25年。

今作はTVシリーズ完結の10年後に作られた「 新劇場版 」シリーズの4作目となります。

本記事では、今作の魅力とエヴァ初心者のための楽しみ方について書いてみます。

画像の引用元:公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

シン・エヴァンゲリオン劇場版

公開日

2021年3月8日

原題

EVANGELION:3.0+1.0 THRICE UPON A TIME 

上映時間

155分

キャスト

  • 庵野秀明(総監督)

  • 碇シンジ(緒方恵美)

  • 綾波レイ(林原めぐみ)

  • アスカ・ラングレー(宮村優子)

  • 真希波・マリ(坂本真綾)

  • 碇ゲンドウ(立木文彦)

予告編

公式サイト

 シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

感想レビュー

好きだった点

既存のアニメではできないことをしようと始まったTVシリーズ以来、ずっと同じ心構えで、今作もこれまでの作品世界をアップロードして乗り越えている点です。

キャラの魅力はもちろん、デザイン、画面構成、色彩、美術背景、カットワーク、どれもが最高でした。

日本アニメの限界を何度も超えて、これからのアニメの可能性まで示唆しているようでした。

かつてのクラスメイトたちが大人になったり、結婚をして子供が生まれたり、村の共同体で力を出し合って暮らしていることに嬉しくなりました。

TV版や漫画では死んでいたり、旧劇場版に出てこなかったキャラたちが健在だったりと安堵しました。

声優たちを含めて歳を取ることで、キャラが深みを増していました。

嫌いだった点

やりたい事を全て注ぎ込んでいる感じは、嫌いではない。

しかし、とあるCG感たっぷりのシーンでふと我に返ってしまうことがあり、好みではありませんでした。

実写とアニメ・アニメとCGの融合は、作り手にはまだまだ新しい可能性が広がっているとは思うのですが。

ただ、これまでにないエヴァという点では面白かったです。

個人的には細田守監督(特に「 サマーウォーズ 」)や、新海誠シリーズ(特に「 君の名は。 」)の壮大で繊細ながらもアニメ感が失われていない映像表現が好みです。

見どころ

「 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 」から14年後の世界で、歳をとった登場人物たちと、姿は14歳のままの主人公との対比が面白かったです。

それから、アヤナミレイ(仮称)が健康な太陽の光の下で田舎のおばちゃんたちと畑仕事をするシーンは、レアを通り越してシュールな光景で印象に残りました。

仮に「 Q 」をクエスチョンだとして、今作でその「 Q 」に解答を示しているのも見どころです。

きっとコアなファンも納得するでしょうね。

タイトルに「 シン・ 」をつけているだけに実写監督作「 シン・ゴジラ 」での苦悩の体験が活かされた撮り方に注目です。

父と子が対峙する後半以降は、情報の大洪水です。

1度で理解するのは諦めて溺れちゃいましょう。

「 マトリックス・レボリューション 」と「 インターステラー 」並みの、いやそれ以上の情報量ですから(笑)

考察レビュー

今作は単独で見るべきか? or 前シリーズを見るべきか?

単独でも十分に楽しめると思います。

前半のパリでの戦闘シーン、牧歌的な村のシーン、謎が謎を呼ぶ展開とラスト。

エヴァの魅力の1つは、カルトと王道の真ん中を貫いている点ですが、カルトの部分は分からないままにして、王道のアニメ映画としてのエンタメ性を味わえると思います。

冒頭でも前作までのあらすじがダイジェストで流れます。

鑑賞後に、作品を遡るのも楽しみ方の1つでしょう。

タイトルにも「 反復記号 」が付いていますしね。

ちなみに「 ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 」は、ほとんどTV版の流れと同じなので、入門編としても最適と思います。

なおTV版はNetflixで全話(26話)が視聴できますよ。

作中に登場するキーワードが、ことごとく疑問点

地獄の門、ガフの守り人、ネブカドネザルの鍵、マイナス宇宙、量子テレポート、イスカリオテのマリア・・・。

死海文書や聖書や原典を探ったり、最新の宇宙科学を探るのも一興かも知れませんね。

まとめ

時に、1995年。

4年間死んでいるように生きていた庵野秀明が「 逃げちゃダメだ 」の思いで始まったエヴァ。

監督自身が自己投影された主人公が、永遠の思春期と呼びたくなるほどの長いモラトリアル期間を経て、いよいよ大人に成長しました。

きっと監督自身も。

客席を埋めている30~40代の観客たちも。

ボク自身も。

宇多田ヒカルも。

さよなら、エヴァンゲリオン。

「 さよなら 」それは、また会うためのおまじない。

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