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技術畑の画像生成AI、職人肌のPHOTOSHOP、今はまだ、「それ」に作らせるより自分で創ったほうが面白い

2020年にWindows7 から10にアップグレード

私は、2017年までの6年間で、8つの県に及ぶ11の公立美術館で個展活動を行ってきました(その詳細は過去の記事で述べています) 。しかし、コロナ禍でいったん中断、その後、いろいろと思うところあって、個展活動は再開していません。
作品サイズの多くは60cm x 100cm ほど、日常生活の中で目にした被写体をデジタルカメラで撮影して合成加工しています。
16年前に実店舗で購入したCDパッケージ版 photoshop CS( 当時は約8万 )を使い、その後、ネットからの無料ダウンロード版CS2も使い続けてきました。
しかしながら、2020年1月でwindows7のサポート終了に伴い、自分のデスクトップをwindows10にアップグレードした際に、CS2は非対応で自動的にアンインストールせざるを得ませんでした。そこで、ネットでのダウンロード版のみの、Photoshop CC= Creative Cloud を買うこととなりました。当時のお得なキャンペーン利用で月額980円の契約です 。

ネット購入の面倒くささ

Photoshop CCをネット購入の際にまず面倒だと思ったのは、購入側の個人情報をある程度は開示する必要があり、メールアドレス登録でIDとパスワードの設定が必須であること、それで認証手続きをしないと、その後のインストール作業などが一切できない点などは、実物CD-ROM版に馴染んでいた私としては、大変に面倒に思いました。そのうえ、旧版と比べると、使い方にいろいろと戸惑う点が多々ありましたが、解決方法を、Adobeサポートやネット検索することで少しづつ解消してきました。
あと、度々の「ソフト更新のお知らせ」、ほとんど無視していますが、今のところ、使用に問題発生はしていません。

ところで、

今、急速に普及中の画像生成AIは、いずれ人間を超えた創造力を示せるのでしょうか?


現在、photoshopにおいても、画像生成AIの機能が導入され、新しいクリエイティブツールが提供されつつあります。
このnote でも、画像生成Aiソフトを使った作品画像がさかんにアップされていますが、類型的な上半身美少女タイプか、華美で人工的な空想風景がほとんどで、作成者の個性的想像力の痕跡は私にはまだ見えてこないです。

要するに、いきなり始まったばかりの画期的で便利そうなこのソフトは、ブラウン管・フィルム・VHSテープなどのアナログを一気に駆逐壊滅させて
市場を大転換したデジタルほどの凶暴な脅威は、今のところ、全く感じられないということです。

補足:そもそも生成AIの目指すことは?

ネット記事から説明部分を引用すると:
・生成AI=generative AIは、従来のAIでは困難であった「創造」を目的としている。
・既存のデータだけから答えを出すのではなく、AI自らがインプットされていないデータも学習して新しいアウトプットを出すことが可能。
・生成AIの具体例として、テキスト生成系AIの「ChatGPT」や画像生成AIの
Stable Diffusion」などがある。
・人間と同じく、学んだデータをもとに自らコンテンツを創造できるという点が従来のAIとの大きな違い。
・この技術は、人間の創造性を模倣し、拡張することで、ビジネスや芸術の新たな地平を切り拓く可能性を秘めている。


ただ、パソコンが技術的に進化した先に生み出されたスマホというハンディ・ガジェットがアプリと連動することで、スマホ登録・決済を通して消費経済を中心に社会のあらゆる営みのシステムを根本的に変えてしまいつつあるように、画像生成AIも進化発展してゆくのかもしれません。

その場合、一番の気がかりは、近未来SFによくある話のように、生身の人間よりも装置に過ぎない画像生成AIの生み出した作品のほうが優れていると、誰かイノベーター気取りの人間によって推奨され、称賛と評価と仕事まで「それ」に与えてしまうような風潮になったら、それは人間にとって望ましい未来なのだろうか、ということです。


・・と言いつつ、

私の最近の作品をひとつ紹介いたします。現時点では、画像生成AIにはまだ負けていないだろうと思うのですが、その判断は見る人の感性と嗜好に依ります・・・・・

2021年制作の作品について~幻の光景を求めて6


2020~21年にかけて新作12点を作りました。大きさは、56cm x 100cm です。以下に表示した画像は、あくまで大まかな制作の流れに過ぎず、
「このようにして完成に向かいます」、というサンプルです。

❶ 最初は黒地だけのキャンパスで、そこに使いたい画像を切り抜いて置いていきます

この段階では、どのような絵にするか、明確なイメージはできていない


➋ その後も、基本構造と構成を決めるべく、さまざまな画像の切り抜き、ぼかし、透明度の調整、一部削除を行います

この段階で少しづつ、どのような絵に仕上げたいのか、そのイメージが浮かんでくる



~❺ 背景となる建物の基本構造が決まると、作品意図の演出のために、さまざまなオブジェやフィギュアを配置します。この段階はもっとも試行錯誤して時間がかかり、題名候補のコトバも考え始めます。

中心となるオブジェを置く
さまざまな象徴としてのフィギュアを置く


❻ ほぼ仕上がったはずなのですが、全体の印象に何か違うアクセントを施すために試しに斜光を入れてみます

斜めに差し込む光を入れる


これでほぼ100%完成かな、と思えた段階で作品タイトルを考えます。
この絵の場合は、以下のようにしました:

感情と気分の宮殿にて
In the palace with some emotions and moods  


補足:作品コンセプトについて

中心主題の展開ともいうべき「コンセプト」は、まず漠然とした脳内イメージに始まって、具体的に作りながら視覚化され、最後に作品名という形で言語化されます。この作品の場合も、私がずっと追っているコンセプト:

~ 心と精神と身体が一体化して空間へと拡大してゆく時に感じる身体感覚をイメージとして視覚化する ~

を、何とか具現化することを試しています。


最後に


こうして作品を仕上げるまでに、実は数か月かかっています。最初の基本構造はすぐに決まるのですが、その後の過程には微妙な調整とやり直しが多く、一日30分したら、次は1週間後に再開する、というパターンの繰り返しで、結局、月日だけが経ってゆくのです。

ハイスペックのPC画面上で数値やデータを黙々と入力して即座に変換生成されてゆくのだろうAIと比べると、スピードでは完全に負けますが、ボカシや切り抜きなどの地道な手作業をしながら自分のオリジナルを創っている手応えのあるPHOTOSHOPのほうがはるかに面白く、私には合っています。