riluskyE

早期退職後、画像の合成加工ツール:photoshop で創作を開始、8つの県、11の美術館で個展を開きつづけて現在に至る

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早期退職後、画像の合成加工ツール:photoshop で創作を開始、8つの県、11の美術館で個展を開きつづけて現在に至る

最近の記事

贅沢な孤独の時間が無くなりそうなので、note投稿を中断します

去年からnote投稿を始めて1年8か月が過ぎようとしている。 未知のいろいろな方々との「交流」は、実に刺激的でしかも有意義な経験と学び、発見の日々をもたらしてくれた。その喜びや驚きは他では得られぬ一種の「快楽」でもあった。 しかしながら、そういう愉楽の時間がずっと過ぎてきて、つい最近、ふと気づいたことがある: そもそも、noteを私が始めた理由は、自分の創作活動を広く世間に知ってもらうことであった。 だが、詩・小説・エッセイ、あるいは写真・絵画などの意欲的な新作披露、ある

    • 人は、他人や神や宇宙にまで何かと答えを求め過ぎているのでは?

      私が敬愛する詩人ライナー・マリア・リルケの詩を紹介: 人は一体いつになれば 嘆きや問いに飽くことを知るのだろう 嵐よりも激しく波よりも多く 人はずっと叫び続けてきた・・・ どれほど多くの沈黙が 宇宙の中になければならなかったことか 叫びやまぬ私たちの耳に まだこおろぎの音色が聞こえ 私たちが騒がしく呼びかける あの空の高みからは 星々がじっと黙って私たちに 光を降りそそいでくれている 叫び語ることなら  遠い祖先たちが すでにもう十分にやり尽くしたこと だから今 

      • 自分と世界が溶け合う永遠の幻想

        養老孟司「世界と自分が一体化する」 以前に読んだ、解剖学教授・養老孟司著「自分の壁」第一章「自分は矢印に過ぎない」に面白い部分があったので、そこを少し以下に引用要約: 私は、とくにこの「世界と自分が一体化する」という表現に強く惹かれるものがあった。 そこで今回は、今まで私に「自分が溶けて、世界と一体化してゆく」という幻視感=vision を感じさせてくれた漫画・絵画・詩・映画・音楽の例を紹介してみたい: 伝説の漫画家:諸星大二郎の「生物都市」 突然ある日、村が未知の生

        • 縄に勝つには縄を好きになればいい、誰かがあなたを待っているから

          学生時代、名画座(格安で古い映画の再上映をするミニシアター)で、「ローリング・サンダー:Rolling Thunder」というアメリカ映画を見た。当時はB級アクション映画扱いだったが、その後、アメリカ現代映画史を語る上で外せない「カルトムービー」のひとつに挙げる批評家もいた。 映画で描かれた、ずっと耐え続けている寡黙な主人公が、最後に一気にストレスを暴発させたかのように殺戮という復讐を果たして立ち去ってゆく姿に、お国のためでなく、真に自分がやり遂げるべきことを行った、という

        マガジン

        • 私の想うアート : about art
          7本
        • 美術館で個展 : solo exhibition
          7本
        • 幻の光景を求めて : artworks
          6本

        記事

          顔写真をみていると「怪物」が出現! ~ 性格と姿勢の人間論

          20代前半ぐらいまでは、「自分は何者?」、「何をしたらいいの?」などに悩むのが普通ではないだろうか。 私の場合も、自分という存在に全く納得できていなかったので、他人にどう見られているか気になるし、自分をよく見せようと無駄な努力もしたりと、他者に対しては過度の反発と称賛、自分に対しては根拠なき自負と自虐的な劣等感の連続だった。 そういう80年代の青年期に、ふと買った本が、別冊宝島シリーズ(ジック出版局)の一冊「性格の本」で、その中でも、きわめて異質で衝撃的であったのは、「顔写真

          顔写真をみていると「怪物」が出現! ~ 性格と姿勢の人間論

          大分県立美術館で RiluskyE 個展 ~ 部屋は静か 世界はにぎやかⅡ

          A3サイズ綴じ本形式の作品、2m×60cmの連作3枚、60cm×100cmの作品15枚による個展 申請から搬入までの流れ 2015年に使用申請をする 2015年に新造建築物として開館した大分県立美術館は、 英語表記:Oita Prefectural Art Museumの頭文字をとってOPAMを通称としている。 私は、その年の夏には個展開催について美術館へ電話、その後、担当者とメールで確認を行い、申請書などの必要な書類を郵送してもらった。やがて開催期日の具体案が翌年の

          大分県立美術館で RiluskyE 個展 ~ 部屋は静か 世界はにぎやかⅡ

          技術畑の画像生成AI、職人肌のPHOTOSHOP、今はまだ、「それ」に作らせるより自分で創ったほうが面白い

          2020年にWindows7 から10にアップグレード 私は、2017年までの6年間で、8つの県に及ぶ11の公立美術館で個展活動を行ってきました(その詳細は過去の記事で述べています) 。しかし、コロナ禍でいったん中断、その後、いろいろと思うところあって、個展活動は再開していません。 作品サイズの多くは60cm x 100cm ほど、日常生活の中で目にした被写体をデジタルカメラで撮影して合成加工しています。 16年前に実店舗で購入したCDパッケージ版 photoshop CS

          技術畑の画像生成AI、職人肌のPHOTOSHOP、今はまだ、「それ」に作らせるより自分で創ったほうが面白い

          人生がきれいに積まれると崩そうとしてしまう男 ~ 春日太一氏著「天才 勝新太郎」を読んで

          「座頭市」との出会い 現在、BS12トゥエルビでは毎週火曜日20時より映画版「座頭市シリーズ」が放映されています。1962年に勝新太郎主演「座頭市物語」が公開されて以来、26作品が制作されていますが、この映画版を観る機会はほとんどありませんでした。 一方、1974年に放映が始まったテレビ版は1979年のシーズン4まで100作も制作され、現在までBSフジで何度も再放送されてきています。 私は、このテレビ版の方をほぼ全部視聴でき、毎回出演する当時のゲスト俳優たちの豪華さ(緒形

          人生がきれいに積まれると崩そうとしてしまう男 ~ 春日太一氏著「天才 勝新太郎」を読んで

          クリスは言う、人類に愛はまだ届いていないんだ ~ タルコフスキー「惑星ソラリス」

          タルコフスキー映画について数回にわたり記事を書いてきましたが、今回は、「ノスタルジア」の次に話題にされることの多い「惑星ソラリス」について述べてみます。 まず、映画の大筋 惑星ソラリスを探査していた宇宙ステーションに不可解な現象が発生し、主人公の心理学者クリスが調査派遣される。そこには3人の科学者がいたが一人は自殺し、小人や少女、犬や手まりなど、本来あるはずのないものが見え隠れしていた。やがてクリスの身にも、自殺した亡き妻ハリーとそっくりの物体が「現れる」という怪現象が起

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          幼少期は現在に投影されているのか ~ 遠くて近い「あの頃」に想う

          あの人、知ってるけど、誰だったかな・・ たとえば、十数年ぶりに生まれ育った故郷の通りを歩いていて、向こうから来た人物とすれ違うまでお互いをついつい見つめ続けてしまった、という経験がないでしょうか。「誰だったのだろう、知っている人物なのだが、・・いつの頃だろう、きっと、小学校のときだったはず・・」のような、感じです。 お互いの外見はかなり変わってしまっているのですが、どこかその輪郭や表情から醸し出される雰囲気に、昔よく知っていた「あの子(男女は問わず)」の面影が浮かび上がっ

          幼少期は現在に投影されているのか ~ 遠くて近い「あの頃」に想う

          汗と血と硝煙の似合うスターたち :男優編 ~ 林冬子に倣って②

          最初に あらためて、「林冬子に倣って」の意味を伝えておきます: 80年代、芳賀書店より出版された「激動する'60年代~男ベスト60」という映画本は、主に60年代の映画で活躍した欧米映画スター男優たちの特集版で、林冬子という方の編集・執筆でした。この本の最大の魅力は、林冬子さんによる、俳優たちの特徴を的確に分析し、女性ならではの視点で彼らの魅力を見事に描写した点です。 たとえば、スター男優たちの特徴をカテゴリー化して、次のようにまとめて見せる手腕が素晴らしいのです: 以

          汗と血と硝煙の似合うスターたち :男優編 ~ 林冬子に倣って②

          汗と血と硝煙の似合うスターたち:女優編 ~ 林冬子に倣って

          80年代、芳賀書店より出版されていたシネアルバム・シリーズで、「激動する'60年代~男ベスト60」(責任編集・林冬子)という映画本がありました。主に60年代の映画で活躍していた欧米映画スター男優たちの特集版で、林冬子という方の単独執筆です。 この本の最大の魅力は、林冬子という執筆者による、各俳優たちの個性や特徴の的確な分析・分類力と、彼らの魅力を女性ならではの視点で見事に描写した筆致力です。 たとえば、スター男優たちを次のようにカテゴリー化した文章は、特筆すべき着想であり

          汗と血と硝煙の似合うスターたち:女優編 ~ 林冬子に倣って

          おれに尾崎豊を教えたあいつは、死んでいた

          テレビで「伝説のコンサート:尾崎豊 約束の日 1991 」を見た。それで久しぶりに、彼のことを思い起こした・・・ 遠い昔、20代前半の学生時代のこと。青森出身の彼とは演劇サークルの同期だった。第一印象は、こいつとは友だちになれない、だった。隣り合った駅に住んでるアパートがあったせいか、帰りの電車が一緒になることもあり、いつのまにか彼のアパートに寄り道することにもなった。 ある夜、彼のお薦めのバーボンを飲んでいたら、一枚のレコードを聴かせてくれた。お気に入りだったのだろう、

          おれに尾崎豊を教えたあいつは、死んでいた

          青の連想 :恋、絵、色、詩 など 人生は理解すべきものにあらず

          はじめに「青」について 英語で「青」は  “ blue ” を典型に、inndigo、navy cyan、 aqua など数多くあるように、日本語でも紺色、藍色、空色のように、たくさんの青系色の表記名があります。 そこで、この記事では、日本語で示す「藍色=少し緑がかった青」、「紺色=少し紫がかった濃い青」中心に、それに似た青色系全体を「青」とまとめて表記しています。 「インディゴの恋人」 もう7年近く前に、NHK・BSで岡山発地域ドラマ「インディゴの恋人」を観ました。

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          最先端科学に触発され、フィギュア素材も活用:長さ2mの連作を創る

          来場者の質問: 最初のとっかかりをどうしたらいいのですか? 会場にお見えになった来場者や寄せ書き帳への書き込みでよく質問されていたのが、「最初のとっかかりをどうしたらいいのか、何から始めたらいいのか、わからない」、ということでした。画家であるなら、「白いキャンパスに描く最初の一塗りはどこから始めたらいいのか」、ということです。 以前の話ですが、2017年10月倉敷市立美術館での個展を目標に、その年の3月より新作を創り続けていました。その時のことを例にして、私の場合の「最初

          最先端科学に触発され、フィギュア素材も活用:長さ2mの連作を創る

          富士フイルムフォトサロンで個展 :大事なのは、その写真に物語があるかどうか

          画廊ではない、美術館でもない場所で 個展をしたい 2014年当時、公立美術館での個展もすでに6回と数をこなしてくると、ちょっと飽きが生じて、変化を求めたくなる癖のある私が思いついたのが、全国に5拠点ある富士フイルムフォトサロンのうち、福岡サロンで個展をすることでした。 ただ相手は、世界規模のシェアを誇っていたフィルムメーカー:FUJI FILMです、合成加工ばかりの私のような作風は好まれないだろう、という危惧もありましたが、「当たって砕けろ」精神で臨みました。 さっそく、

          富士フイルムフォトサロンで個展 :大事なのは、その写真に物語があるかどうか