商業出版する方法#90〜千年前から「表現する女」がいたんだから、私らもSNSで表現すること負けてられませんわな、って件。
元KADOAWKAの編集者であり、ビジネス・実用書出版コンサルタントの渡邉です。
現在のSNS、「表現する人々」が本当に多くなりました。
仕事や日々の生活、趣味、人生、起業(ビジネス)など、たくさん表現+発信されていますね。
その流れで、ビジネス書や実用書においても「女性向けに特化した自己啓発系書籍」も多く出て、話題を集めるようにもなってきました。
これは「エッセイ」とも違っています。料理本や暮らしの本のような「婦人実用」というジャンルとも違う。
ある意味において、新しい市場かな、って思ったりします。
(他にもまだまだありますが・・)
で、こういう傾向って・・・そいや昔もあったよね、って思ったんです。
とくによく似てるよなーって時代が・・・
それが、
平安時代。
この時代って、女性が「かな文字」を使って、小説やらエッセイやら自伝やら日記やら・・・、いろいろ発信していたのよねっ!と。
1)筆頭格は紫式部
(https://bit.ly/3gn4vmxより)
全世界超絶ベストセラー&人類永久のロングセラー『源氏物語』を書いた才女!
村上●樹なんて、まだまだお子ちゃまよー!な実績(すみません・・^^;;)をお持ちのスゴスゴ女性ですね。
小説のみならず『紫式部日記』なども書いてます。
これぞまさに「書く」こと、「表現する」ことで時代を超え人々を魅了してきた破格の知名度がある女子!ですね。
2)ブログ→書籍化の走り!?清少納言
彼女の代表作『枕草紙』って、まじ今でいうブログの書籍化でしょう!!
と思っちゃうほどに、作品の内容、結構ノリはかるいですよね。
もっと言ってしまえばブログという以上に「ツィッター」でのつぶやき、を本にしましたー!ってノリの方が強いかもしれません。
全編通して文章的「エモさ」もあるし?
まさに「共感力」で後世まで影響を残してきたブロガー・発信者、ってイメージがありますね。
3)不倫&熟女&離婚とか?のどろどろ女子の実録。和泉式部
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E6%B3%89%E5%BC%8F%E9%83%A8#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Hyakuninisshu_056.jpg)
『和泉式部日記』って知ってます?この内容は、ぶっちゃけエゲつない。
>不倫&離婚のこととか。
>年下男とのどろどろ恋愛とか。
>セッ●スとか。
そんなのがめくるめく書き綴られている本なのです。
極めて、刺激的な内容なのです。
最近アメブロで、すごく人気の高いジャンルがあります。それが「不倫」と「離婚」のテーマの話題です。
ある意味「タブー」とされてきたことに対し、色めき立っている女性たち。
本人は泥沼だったり、色々大変なことも多いのかもしれません。が、そこへの興味が下がることはなく、凄まじい勢いのフォロワーや読者がついたりしています。
が!商業本にはなかなかならないですけどね。
というのも・・・残念ながら、ネガティブ性しか見受けられず、読んでてもあまり面白くないからなんです(すみません)。
編集者的視点から言えば、本としては考えることができない。。ってところが本音でしょうか。ベネフィットがそこまで感じられない、というのもあるような感がします。
ただこれも「表現者の表現力にもよるところ」と言っていいでしょう。
和泉式部は、平安時代においては「才女」としても有名でした。今で言えば彼女自身は自由奔放なんだけど、幅広い層のファンがついてしまう・なぜか老若男女多くの共感を集めてしまう文才と表現力が圧倒的だった、、といった感じでしょうか。
そこが、単なるタブーを扱って言いたい放題・・・だけのブログとは違うところなのかな、って感があります。
4)「ママブログ」のはしり。右大将道綱母。
(https://bit.ly/3gygEnHより)
藤原摂関家のプリンス、藤原兼家の2~3番目くらいの奥さんです。藤原兼家は、平安期に全盛を極めた「藤原道長」の兄に当たる人。
右大将道綱、というのは、彼女の息子のこと(官位+名前)ですね。
『蜻蛉日記』の作者です。
でこの日記もまさに、今いーーーーっぱいSNS上で発信されまくっている・・・、、、、
>夫のこととか。
>子どものこととか。
>妻とか母とか女として・・・、とか。
>家族がどーのこーのとか。
>その他ママの日常とか。
>嫉妬とか。
>やりきれなさとか。
>他人軸と自分軸とか、、、。
そんな"ママの日々"がえんえん書かれているのですね(^^;;
(ちなみに最後の「他人軸とか自分軸とか」っていうのは言い過ぎかもしれませんが・・)
まさに今で言えば、「ママブロガー」の走りと言ってもいいくらいかもしれないですね。
5)キラキラ女子の原点!?菅原孝標女。
最後は、『源氏物語』に憧れて、文章書いたり・宮中のお仕事したり、でも最後は結婚して・・・の、
ザ・ゆるふわ&キラキラにあこがれる女子の日々!
を満喫した、菅原孝標女。
(https://bit.ly/35loT1bより)
『更級日記』の作者です。
彼女は、とにかく『源氏物語』の世界に超絶憧れました。
源氏の君を「推しに推し」、真相はなかなかにグロいエピソードが満載なんだけど(笑、「源氏物語」の世界観に浸りすぎていたオタク女子。
あたしも、ゆるふわ&キラキラ女子になりたーーーい!
かっちょいい彼がほしーーい!!
って夢見て宮中出仕(今で言うと上京して都内OLや輝ける起業女子?)した様子を、これまた、コツコツブログ更新(いや、日記で書き留めた)し、それが本になった。
今で言えば、Instagramでワンやワンやと発信していたら、フォロワーが増えてきて、本出した。みたいな感じで捉えてもらってもいいかもしれないですね。
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と言うことで簡単におさらいしてみたわけですが、千年前の女性達も、いろいろ文章書いて、発信していたんですよ。
それが「いいね!!」があつまることで、人々の記憶にのこり、本として残ってきた…。
それだけのことなのです。
SNSが発達していない平安期でも、「発信する」ことで後世へ多大な影響を及ぼしている女たちがいたことを忘れないでください。
当時に比べると、いまはぜんぜんやりやすいですよ!
なので、SNSで発信することの苦手感や、自己開示への過度な緊張を高めず、ぜひどんどんやってほしいですね。
そしてSNSと今のビジネス書業界は切っても切れない関係性になりつつあります。
本だけ出しても売れなくなってますし、本だけ出す、、というだけしかみていない「本出したい人」に対しては冷ややかであることは確かですね。
その辺の「時代の変遷」にはぜひ向き合ってみてください。
でも単に「フォロワー」を集めればいいだけではなくて、
「推し」
になってくれる人とどれだけたくさん出会えるか、コミュニケーションできるか、ってことではないかなとも思います。
SNSは平安の時代よりも、もっとそれがやりやすいシステムが整っているからこそ、全力で発信に向き合ってもらいたいですね。
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