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2024年のエンドロール

安藤祐介さんの『本のエンドロール』を読んで。

この本を買った日のこと

6月上旬のとある平日。お昼休みに入った瞬間、とにかく会社の外へと、逃げ出すように飛び出すように外へ出て、そのまま向かいのビルにある本屋さんへ駆け込んだ。

この時期、昼食代をケチって文庫本を買うことにハマっていた。いや、ハマっていたは言いすぎた。数回、"本屋さんランチ"を楽しんだ。

具体的に言うと、お昼を100円ちょっとのパンやおにぎりで簡単に済ませ、浮いたお金で文庫本を一冊衝動買いするというもの。


たくさんの本に囲まれて過ごすのは、短い時間ながら癒し効果抜群だった。お昼休みに本を買うなんて、という絶妙な背徳感も相まって午前中のストレスを全て吹き飛ばしてくれる。というのはさすがに盛ったけれど、ホッとするひとときであることは間違いない。

一種の、束の間の、現実逃避。


そんな"本屋さんランチ"で、本好きなら思わず目を留めてしまう不思議なタイトルと、熱い思いが伝わってくる帯のメッセージが気になってつい手に取ったのが、この一冊。

本のエンドロール
安藤祐介
この1年で本の大切さを身にしみて感じました。
この小説は本に携わるすべての人の物語です!
この小説が売れ続けている以上、紙の本は永遠に誰かの元に届くと確信しています。


衝動買いから半年間の積読期間を経て、2024年の年の瀬に何とか読了した。

(エンドロールって名前だし何となく年内に読み切りたい、という謎の理由で頑張って読了)


感想

- お仕事小説 -

あまり読んだことのない、お仕事小説。

どちらかと言うとほんわかした本、日常系の物語、心情描写が豊かな小説を好んで読んできた私には、論理的な要素が強め(というか漢字多め?)で、いつもより少しエネルギーが必要だった。

年末年始で休みボケしすぎないためには、ちょうど良かったかもしれない。


一冊の本が発売されて店頭に並ぶまでには、著者、出版社の他にも、印刷会社、製本会社をはじめとするたくさんの会社が関わっていて、その中にも本部社員や営業担当、工場のオペレーターなど様々な職種の人がいる。

そしてその一人一人に家族がいて、それぞれの日常がある。物語が詰まった本の中だけでなく、その裏側にもたくさんの物語が広がっている。

少し考えてみれば当たり前のことだけれど、これまで著者と出版社の編集担当者くらいしか思い浮かべたことがなかった。

あとがきによく書かれている「この本を出版するにあたり関わってくださった全ての皆さんに深く感謝いたします。」というような著者の言葉が、大袈裟な表現でも社交辞令でもない本物の気持ちなんだとわかった。


たくさんの人が携わっているということは、それだけ多様な信念が絡み合うということ。一人一人が日々目の前の仕事をこなしながら、ときに物事の考え方や仕事の進め方でぶつかりながら、少しずつ本が形になっていく。

本に限らず世の中で提供されている商品やサービスはどれも、人が生み出している。社会というのは人が動かしているんだなと思った。

そんな当たり前のこと、ふわっとは理解しているつもりだったことを、具体的な物語を通して解像度高く理解できた気がする。


お仕事小説って、面白いかも。


- ぶつかり合うということ -

「目の前の仕事を毎日、手違いなく終わらせること」を夢だと言う仲井戸と、「印刷会社は、(ただ依頼通りに本を刷るのではなく本を造る)メーカーだ」という信念を持つ浦本。この二人の関わりが印象的だった。

一見冷めているように見える仲井戸も、無責任に理想を語っているように思える浦本も、それぞれが自分なりの信念を持っているからこそ、ぶつかることができた。ぶつかることができたから、認め合うことができた。


仕事の場に限らず、自分を持った人同士が関わって初めて、関係性スタートなんだと思う。本当の自分で人と接して初めて、相手との関係性が始まるのだと思う。

全く同じ価値観を持った人なんているわけがない。だから、本心と本心が交わればぶつからないわけがない。ぶつかり合うということは、悪いことではなくて、マイナスなことではなくて、いや、マイナススタートではあるかもしれないけれど、その瞬間が、本当の意味で関係性がスタートした瞬間なんだと思う。(なんか、こねくり回したような文章...)


と、もしかするとこの本を読んで抱くにはちょっとズレているかもしれない感想を強く抱いた。


p.s. 今年の漢字



春の異動後の仕事。
とにかく必死だった。

必死すぎて、潰れてしまった。
必要なコミュニケーションを突っぱねてしまった。
必要な助けを求められなかった。

でも、必要な経験だったと思う。
いつか、こうなっていたと思う。
色んなことに気づけたし、色んなことを考えるきっかけになった。



この経験を無駄にはしない。
バネにしよう。

🐍 ←バネっちゃバネ

2025年は、2024年の経験を生かして、ビヨヨーンと成長する一年にしたい。

↑これを書いたときから気持ちの変化は特にないけれど、色々書いた中から一つだけ選ぶとしたら、「隠すものがない、取り繕う必要がない自然体な人」になりたい。

そうやって、素の、自然体の、そのまんまの私で周りの人たちといいコミュニケーションをたくさんとって、たくさん笑い合える一年にしたい。


『本のエンドロール』を読んで気づけた、本音と本音でぶつかり合うことでやっと関係性がスタートするということを、経験を伴った実感にしていこう。



2024年もあと少し。



みなさまよいお年をお迎えください🐉🐍
(辰から巳ってなんか、にょろにょろからにょろにょろだなぁ)




夕食前に何とか読み終えて、読んだ記憶が新しいうちにと、(エンドロールだし)年内にと、紅白を見ながらいそいそポチポチ打ち込んだ文章💨


今年の曲
乃木坂46 / きっかけ

↑紅白のパフォーマンスもよきだった〜

ディズニーからの中継もよかった🐭💕


↑さくちゃんのFIRST TAKE ver.も🎙️🎧


〈作品〉
ヨルシカ / 晴る
劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦
SPYAIR / オレンジ
薬屋のひとりごと
Uru / アンビバレント
さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜
アイナ・ジ・エンド / 宝者
乃木坂46 / 無口なライオン
トラペジウム
僕が見たかった青空 / 暗闇の哲学者
キングダム 大将軍の帰還
ONE OK ROCK / Delusion:All
ONE OK ROCK / Wasted Nights
瀬尾まいこ『その扉をたたく音』
恩田陸『蜜蜂と遠雷』🎼
乃木坂46 / Monopoly
乃木坂46 / 歩道橋
Mrs. GREEN APPLE / ライラック
藤井風 / 満ちてゆく

〈旅・おでかけ先〉
箱根
草津
白浜
高野山
淡路島🥞

〈出来事〉
異動、号泣事件、休職、復職
山下美月卒コン
真夏のディズニー
12年ぶりに小学校の友達に再会&👶
幼馴染とディズニー旅行
noteを始めたこと

〈主題歌〉
乃木坂46 / きっかけ



〜Special thanks〜

復職後あたたかく迎えてくださった部署の皆さん

久しぶりに会っても変わらず接してくれた同期

何があってもいつも味方でいてくれた家族

一緒にいて安心をくれた、遊んで楽しい時間をくれたみんな

必死に頑張った&ぽきっと折れてももう一回頑張って何とか立ち上がった&ちょっと新しくなった私

2024年に経験したことぜんぶ❣️

2024年のエンドロール



2024


END



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