続かない私が日記を書いてみえてきたもの
日記を書いてこない人生だった。
理由はシンプルに続かないから。
1月1日にまっさらな日記帳に気合いをいれて書き出して、まさに3日目でやめた。小学生のときである。
それでも何回か「かわいい日記帳を見つけた」とやってみては、結局坊主になっていった。
世の中の10年、20年、はたまた子供の頃からずっと日記を書いてます、という方を知ると本当に仙人をみるような眼差しになる。そんなこと…あるんですか?のきもち。
「さみしい夜にはペンを持て」という本を読んだ。
影響を受けやすい私。
日記を10日続けてみたいと思った。タコジローと同じ世界を見てみたい。知ってみたい。
ミーハー心にも火がつき、ほぼ日手帳という続かない人間が1番手にしてはいけない(と思っていた)ものも買った。わくわく。
キリも良くない、中途半端な日から始めてみた。夏だったと思う。
10日のつもりが1ヶ月続いた。
私にしてはすごいできごとで、ついX(当時はTwitter)に投稿した。手帳をパラパラーと開いてるところを動画で撮った。最後にタコジローとヤドカリおじさんの絵を描き、「今まで3日坊主だったけど1ヶ月続きましたー!」的なことを投稿。
そしたらなんと作者の古賀史健さんが反応をくださった。リツイート。しかも「すごいです!」とリプまで。お礼と本のおかげですと伝えて少しやりとりさせてもらった。
え?ドキドキが止まらなかった。
ここで終わらない。
すごい人がリツイートするからさらなるリツイートを呼び糸井重里さんまで反応してくれた。「ちょろっとできちゃうでしょう」って。
え?な、なんじゃこりゃーーー!そんな有名な方々とやりとり、私したことない。SNSすごーーって思った笑
そこでお二人にお言葉をもらって思ったのは、思っている以上にこれって…日記を続けるってすごいことなのでは、ということ。
だって書くプロの方たち。
絶対日記書いてると思うから。(想像だけど)
全然続かない人間が1ヶ月書けたってだけで、実はけっこう、もうめっちゃすごい、ということなのでは。
今は毎日作った料理のイラストとともに日記を書いている。
そう、まだ続いている。2024年版ほぼ日手帳を買ったのだ。
別にかっこいい文章でまとめようとか考えずにただ記録として書いている。何のためにって言われてもうまく答えられない。SNSにあげようとも思わない。書いているだけ。
ただ、言えることがあって。
「3日前の晩ごはんなんだったか覚えてますか?」
私、パッとは思い出せない。
でもその日記には書いてある。イラスト付き日記かもしれないし、ただひとこと「ハンバーグ」だけかもしれないんだけど、それを見ると書いてある。思い出せるのだ。
そのときにああそうだった、と不思議な感覚がある。人間の記憶力の儚さと、毎日のはやさをただ実感する。
もちろん1ヶ月前のごはんなんて普通なら思い出せない。
でも書いてある。
私はごはんだけど、できごとの人もいるだろう。起きた時間、行った店、体調のこと、家族のこと、書いた人の数だけ記録が残る。
日記を開くとその瞬間に行ける。センチメンタルとかそんなんじゃなくてその事実がぶわっとくる。
それを毎度体験するとき「続けるってこういうことなんだろうか」と思う。
これが1年、5年、10年になるとそりゃあすごいと思う。続けた人にしかわからない世界、感覚。無理にする必要もないけれど、確かにある。
私もちょっとだけ、ほんの少しだけ、わかる気がする。
おわり