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”自己受容”が前よりもできるようになった今の私に必要だったのは、「自分を変える!」ための”強さ”だった

「”自己受容”ができるようになった」、なんて、大それたことをタイトルに書いたけど、いやいや、まだまだ、できない時もいっぱいある。

でも、それでも、前よりは、だいぶできるようになってきた。

調子が良い時も、悪い時も、どんな自分も大切だと思えるようになってきたし、どのような感情を抱いてもいいんだよって、自分に寄り添えるようになってきた(当社比較、ならぬ、当人比較)。

以前よりもだいぶ穏やかに、安心して日々を過ごせるようになってきた。

それで充分じゃないか。

ずっとそれを求めていたじゃないか。

・・・なのに、どこかで、「まだ、できることがある気がする」という「ひっかかり」が取れないでいた。それが2023年末の私。

2024年の私は

”自己受容”という「自分への優しさ」の先にある、
「自分に変化を起こしていく」という”強さ”と向き合った。

この記事は、「コンパッション・マインド・トレーニング」コミュニティの「#コンパッションアドベント2024」の記事として書いています。

テーマは「コンパッションと私」「2024年にコンパッションを向けてみる」です。


「コンパッション」と「今の私」の現在地


2023年8月~11月の3カ月にわたり、三神良子さん植田早紀さんが主催する、「コンパッション・マインド・トレーニング」(以降、CMTと記載する)を受講した。

私自身がこのトレーニングを受講し、とっても素晴らしい効果・変化を感じたため、この知恵を伝え、トレーニングを提供する側になりたいと思い、現在、トレーナーコース(合同会社コンパッション・リーダーズ認定、コンパッション・マインド・トレーナーの養成講座)を受講中だ。

「コンパッション」は「思いやり」や「慈悲」を指す言葉。

仏教をベースにした考えで、

「自分や他者の悩み苦しみに気づきや敏感さを持ち」

「同時にそれを軽減し防ごうとする意志を持つこと」

と定義されている。

つまり、自分や他者に寄り添い、力になろうとする姿勢を指す。

当所、講座を受講する前の私は、「自分自身も大切にしながら、他者も大切にできる、そんな優しいつながりで広がる世界」を願っている私にぴったり、そう思っていた。

だが、甘かった。

「優しい」だけではない、コンパッションの考え方


コンパッションの考え方の核となるものに、

「思いやりを示そうという決意」
「強さと勇気」

というものがある。

自他に思いやりを持ち優しくすることは、決して甘やかす、ダメにすることではなく、「優しくする」と決めて実行していくには、コミットメント、つまり「強さ」もいるのだ。

かつての私は、完璧主義で、自己批判が激しく、自分に自信がなく、いつも自分のお尻を叩きながら30年以上生きてきた。

その結果、2011年、32歳の時、仕事とパートナーシップの両方で一気に大きな手放しを強制させられる事になった。

あまりのショックですぐに仕事をできる状態ではなく、しばらく仕事をせずに自分と向き合う時間を取った。

▪️その時のことを書いたnote⇩

そこから10年以上かけて、自分自身もコーチング、カウンセリング、セラピーなどを受けたり学んだりすることで

「自分を大切にする」
「自分を愛する」
「自己受容する」

ということはだいぶできるようになっていた。

でも、「自分を大切にする」の先に、もっと大きな何かがあるはずなのに、それを見ようとしていない自分を感じていた。

自分を大切にした先に

「(本当の意味で)他者に思いやりを向ける」
ことができるようになること。

それが、CMTを受講した私に振ってきた課題だった。

「ホルモンのせい。以上」、で終わっていた


私は、甲状腺機能低下症とよばれる「橋本病」という持病がある。

出産してからは毎年夏にその数値が悪化してしまい、1~2ヵ月、心身ともに苦しい時期がある。特殊な症状(無痛性甲状腺炎)であるため、その症状が出ている1~2ヵ月の間は薬を飲むことができず、ひたすら自然治癒を待つしかない、というものだ。

甲状腺の病気は、メンタルとも直結していて、不安感、イライラが強くなったり、やる気がなくなったりと、様々な精神面での影響もある。私自身も、甲状腺の数値の悪化と適応障害を併発したこともある。

それに加え、月に一度の生理前には、黄体ホルモンの影響で、身体も重くなり、メンタルがいつもより不安定になり、イライラや不安感が強くなる私がいる。

「自分に思いやりを向ける」は比較的できるようになってきた私なので、

そんな時は

「ホルモンのせいだから仕方ない」

と割り切って、なるべく休息時間を増やしたり、1人になれる時間を増やしたり、自分が少しでも心身ともに楽になれるような工夫はしていた。

それでも、このような時期でも仕事はあるし、私は1対1で個人の方の大切なお話を伺い、コーチング、メンタリング、セラピーをさせていただくお仕事なので、そのような時にはしっかり「自己管理」をして、セッションへの影響はなるべくでないように自分を整えることもだいぶできるようになっていた(とは言え、しんどい時は本当にしんどいので、どうしても無理な時はリスケをお願いするなどもしている)。

仕事ではなるべく自分の不調は出さないようにと気を張っているので、その反動もあってか、仕事外の時間、つまり、家で家族(夫&子ども)と過ごす時間は、全く気が回らなくなり、しまいには、自分のイライラや不安感をそのまま態度に表してしまったり、夫や子どもにキツイ言葉で当たってしまったりすることも良くあった

いつからから、夫も子どもも、私がイライラし始めたら、そーっと私と距離を置くようになっていた。

夫は私の甲状腺の持病についても、生理前の状態についても、かなり理解があり、生理周期アプリを2人で共有していて、「そろそろ危ない時期だね」などと話をしている。

理解がありとてもありがたい。

一方で、それが当たり前になってしまい、

「ホルモンのせいでこうなってるんだから、もっと察してよね。この時期は本当の私じゃない私なんだから、多めに見てよね!!!」

と傲慢な気持ちになっている自分もいた。

本当に大切にしたいのは家族なのに、いつもそれができない自分を責めていた


私は、両親が頻繁に口喧嘩をする家庭で育ったことで、色々と苦しい経験をしてきたので、自分が結婚して子どもを産んだら、夫婦仲良く、家庭の中では子どもが心から安心していられるようにしたい。

とずっと願っていた。

もしかすると、それが今回の人生の目的なのかもしれないと思うほど、私にとっては家族はとっても大切なものだ。

夫とも、子どもとも、心からのつながりを感じながら、家族3人で安心して穏やかに、時にはチャレンジングな事も一緒にやっていく、そんなプロジェクトを一緒にやる仲間としてこの人生で出会っているはずなのに。

なのに、なのに、なのに!!!!

仕事のクライアントさんにはちゃんと自己管理して、自分の気持ちを保って関わることができるのに

家族にはそれができないなんて。

「ままへ。まいにちわるいことしちゃってごめんね。めちゃすき♡」
私がイライラして声をあらげて毎日怒ってしまっていた時にもらった手紙・・・(涙)

本当は家族にも優しくありたい。笑顔でいたい。

でもできない自分がいる。

でも仕事のクライアントさんや友達には優しくできる。

家族にだけ辛くあたってしまう自分がいる。

「あぁ、本当に家族を大切にしたいと思っているのに、それを全く行動に移せていない自分ってなんてだめなんだ」

実は、こうやって、ずっと心の奥底で自分を責め続けていた自分がいた。

あれ?自己受容してないじゃん。

自己受容はだいぶできるようになったって書いたのに、できてなかった!めちゃくちゃ自分を責めてた、涙

家族を大切にするために、何ができるだろう?


今、私にとって、大切なのは

「ホルモンのせい」

にして自分責めをなくすことだけではなく

「ホルモンのせいで気分に波がある。それでも、私が夫や子どもに対して思いやりを示せることは何だろう?」

と自分自身に問うことであり、それを行動に移すことだった。

これが、コンパッションの考え方の核となる

「思いやりを示そうという決意」
「強さと勇気」

なのだ。

健やかなるときも病める時もいつも一緒にいてくれる夫と子ども。

大切な2人には、少しでも心穏やかに楽しく自分らしく人生を送ってほしい。

そんな願いがある。ずっとある。

彼らにも大変なこともあり、日々心揺さぶられることもたくさんあるだろう。私はそんな時こそ隣にいたい。

この「ホルモン案件」において、彼らに少しでもコンパッションを送ることができるとしたら、私にできることは何だろう?

できることは何か、色々考えた。そして試した。

◆夫と子どもに対して、自分は何を願っているのか、どのような関係を築きたいのか、あらためて自分自身に問うた。

◆このまま定期的に自分が不機嫌になることを続けていった先に、子どもがどんな大人になるのかを想像した(人の顔色を常に伺い、自分の言いたいことを言えなくなってしまうかも、、、とか)。

◆定期的に妻が不機嫌になるという夫の気持ちをなるべく解像度を上げて想像してみた。いつも以上に、さらに解像度を上げて・・・。さらに解像度を上げて・・・。(「いやぁ、これはかなりしんどいな・・・」という実感が湧いてくるまで)

◆手帳に毎日の記録をつけたり、自分へのねぎらいの言葉を書き、自分自身も大切にするということを前以上に意識した。

◆普段以上に、自分自身のリラックスタイムを取るように意識した(アロマを炊く、湯舟にゆっくりつかり自分だけのほっとできる時間を持つ、youtubeやネットフリックスで気分転換をする等)。

◆子ども(7歳)に、何故ママがこのような状態になってしまっているのか、絵と言葉でわかりやすく説明した。

◆感情が爆発しそうになったら、「今やばいから、ちょっとしばらくそっとしておいてほしい」と早めに伝えた。

◆ホルモンが不安定な時期は、自分の仕事や遊びも少し控え目にするようにした。

◆夫と月に1回、夫婦ランチの時間を設けて、1カ月を共に振り返り、お互いの今の心境などをシェアし合う時間を大切にした。

などなど・・・

色々試しながら、実験しながら、行動に移してみた。

実は、私にとって、この新しい試みをやってみることの方が、大変だった。

「ホルモンのせい」にして、気分のままに態度に出して、夫と子どもに気を使ってもらっていた方が、正直、ラクだった・・・。

でも、これは、繰り返されている私のパターンだった。

一番親密な関係にある人(家族、パートナー)よりも、それ以外の周りの人の方を優先してしまい、本当は大切にしたいと思いながらも一番大切にしたいと思う人達を後回しにしてきた人生だった。

でも、もう、これをずっと続けていくには限界があるとわかっていたし、そんな自分ではいたくなかった。

「本当に大切にしたいものを大切にできていない自分」

のままでは、どんなに自分自身が満たされていても、どんなに仕事が楽しくても、どんなに社会貢献できていたとしても、多分、本当の意味での「充足感」は得られないだろう、とわかっていた。

CMTを学んだことも大きなきっかけとなり、夫と子どもに

「思いやりを向けようという決意」を持ち

「強さと勇気をもって、それを行動に移す」ことを

少しずつやっていった。

どう変わったか?


2024年のとある日、私を一番近くで私を見てくれている夫が

「梨恵、変わったね(良い意味で)」

と伝えてくれた。

これまで色々な学びをしてきた私だけど、多分、こういう言葉をかけてくれたのは初めてかも!なくらい、びっくり&すごくすごく嬉しかった。

実は、先日、夫に、

「客観的な視点で私の変化を教えて~」

とお願いしたらこんな形でとっても丁寧に書いてくれたm(__)m

noteに掲載することを想定してくれたのか、とても丁寧な口調で書いてくれてますが、普段はこんな感じではない(笑)

昨年夏からの一番大きな変化は、
家族への接し方に表れていると思います。

良くも悪くも
仕事でのテンションがそのまま
夕方以降に持ち込まれていたところがあり

今から思えば、昼間で未消化の
疲労感やイライラ感、迷いなどが
細かい部分で動作や物言いに
影響していたような。

それが、
仕事の状況に左右されずに
おだやかで落ち着いた雰囲気の時が
増えたように思います。

言語化するのが難しいですが、
印象としては
起きた出来事と自分自身の間に
緩衝スペースを設けられている。
ゆとりや安心感が
増したというか。

基本的に
快活で面倒見がいい人だと思うのですが
だからこそ、自分に厳しくて
思った通りにいかなかったこと
何かの出来事に対して
自分が出来ていないせいだ
という自責や無力感が
あったのかもしれません。

そういう、神経質な感じが出ることが
ほとんどなくなって

気分転換や
コンディションを整えることが
上手くなっているようです。

自分の状態を意識して
早め早めに
自分を労わったり
リラックスできる予定を組む事を
しているようです。

CMTを受けての私の変化 by 夫

「一番大切にしたい家族を大切にできていない」

そんなもどかしさをずっと感じていた私だったので、このフィードバックを夫からもらえたことは心から嬉しかった。

子どもはどうかな・・・?

どこまで私の変化を感じてくれているかはわからないけど、大きなトラブルもなく、ご飯ももりもり食べてくれていて、楽しく毎日過ごしているようなので、全てよし。

彼が彼らしく、私に気を使いすぎることなく(汗、笑)人生を送ってくれたら嬉しい。

「十日れんぞくしごとなんだって?今日でさいご、よかったね!このお手紙であと一ふんばり」
連勤が続いて疲れていた私に、子どもがくれた手紙。いつも優しい言葉をたくさんかけてくれる、心から愛おしい存在。ありがとう(涙)

「優しさ」と「強さ」両方大切なんだ


「本当に大切にしたい家族を大切にできていない」と自分を責めていた私だが、「少しずつ、”大切にしたい”という気持ちを行動に移していけるようになってきた」ことで、自分を責めることが減ってきた。

でも、多分、完璧にできるようになることはなくて、また「あーやっちゃった」と後悔して自分を責める時もくるだろう。

今でも、できたと思える時もあれば、「全然だめだこりゃ」、の時もある。

ホルモンの影響にはどうしても抗えない時もある。

もう40代半ばも過ぎたので、もしかしたらこれから更年期という壁にもぶつかるかもしれない。

そんな時は、まずは少しでも自分に思いやりを向けて、自分に「優しく」ありたい。

そして、また、優しさの先の景色を見たくなったら、自分の中にある「強さ」ともつながって、行動を起こしていけばいい。

「優しさ」

「強さ」

も、自分が選べばいい。

どちらも選べない時があってもいいし

どちらかしか選べない時があってもいいし

両方選べる時があってもいい

CMTを学ぶことで、私は白と黒の間にあるグレーの世界の心地よさも知ることができたと思う。

この素晴らしい学びに出会えたことに心から感謝したいし、これからは、自分もその知恵を伝えて、広げていく人になれたら嬉しい。

この素晴らしい学びの機会を与えてくれた、良子さん、早紀さん、そして一緒に学びを共有し合える仲間の皆さん、そして大切な家族に心から感謝の気持ちを込めて。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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