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道端でお亡くなりになっていたアカテガニを剥製として蘇らせてみた
昨年アメリカザリガニのご依頼をいただいた NPO法人「みんなでつくる自然史博物館・香川」 様よりアカテガニのご依頼をいただき、剥製を制作させていただく運びとなりました。
アメリカザリガニの制作についてはこちらをご覧ください↓
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冷凍庫の中にたまたまストックがあったので助かりました。
(こんなこともあろうかと、道端で死んでいる個体を見つけては拾って冷凍庫に保管しているのです😅)
長年冷凍庫に入れていたため冷凍焼けを起こしてかなり変色していますが、体の色は後から絵の具で塗装して再現するので、おそらく制作に支障はないでしょう。
色鮮やかなアカテガニに蘇らせてみせます!
それでは制作開始です。
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![](https://assets.st-note.com/img/1727703202-PCl3UcX9nOZo6AvGeJs4VgNF.jpg?width=1200)
乾燥させること一週間・・・。
![](https://assets.st-note.com/img/1727703202-8WtZncyLjxfwUdOgMRTXN5A9.jpg?width=1200)
十分に乾燥し、ポーズもかっこよく整ったのですが、ここでちょっとしたトラブルが💦
なんと甲羅の下側にヒビが入っています。
何が原因でひび割れたのかは不明ですがこのまま放っておくわけにもいかないので、
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これでようやく下準備が整ったので、いよいよ塗装です🎨
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今回特に大変だったのが、眼の模様(偽瞳孔)です。
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先方から複眼の偽瞳孔にまでこだわってほしいとご依頼され、 3㎜しかない眼の部分に(失敗しては塗り直し・・・を繰り返し)約2時間かけて模様を描き込みました。
そしてアピールしたい点がもう一つ。
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アカテガニのハサミの色ですが、
黄色みがかった白
↓
黄色みがかったオレンジ
↓
赤みがかったオレンジ
↓
赤みがかった黒
と4段階で絵の具を塗り重ねています。
少しでも作り手のこだわりを感じていただけますと幸いです。
先方に画像をお送りして確認していただいたところ、OKをいただきましたので、
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色褪せを防ぐ塗料でコーティングしました。
本来はこれで完成なのですが、アカテガニは陸上で生活しているため、体の表面はこんなに潤っていません。
ということで最後にひと手間
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艶消しラッカーを吹き付けてテカリを消し、表面が乾いた質感を再現したら完成です!
おぉぉぉぉぉ~。
これはなかなか良い感じに仕上がったのではないでしょうか。
これまでいくつもアカテガニの剥製を作ってきたのですが、今回の作品が自分の中では最高のアカテガニです!
先方からも「もはや飼育しているような気分になる」、「非の打ち所がない」と大満足していただき、作り手としてこれほど嬉しいことはありません。
これからも技術を磨いてさらにクオリティーの高い作品を作れるように頑張ります。
ちなみにこのアカテガニですが、
香川県丸亀市にて開催されている標本展に展示されているみたいです。
「まちかど生き物標本展 香川の生き物の世界 ~屋島や五色台などの瀬戸内海国立公園および瀬戸内海沿岸の自然~」
会場:飯山総合学習センター
期間:令和6年9月24日㈫~10月18日㈮
(9月30日、10月7,14日は休館)
時間:9:00~17:00
住所:香川県丸亀市飯山町西坂元547番地1
電話:0877-98-3319
入館無料
10月6日㈰には専門家による特別解説もあるみたいですので、ぜひ行かれてみてください。
ミュージアム・トーク
10月6日㈰ ①11:00~ ②13:00~(各1時間程度)
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![魚道部!/ 剥製師 力石眞弘 (チカライシ マサヒロ)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/145420651/profile_914535c29590d7ffd6c21f48865d15c2.jpg?width=600&crop=1:1,smart)