大学職員のためのエントリーシートの書き方(志望理由・自己PR編)
これまで大学職員のことについてお話してきました。今回はその大学職員になるためにやってきたことを書いていこうと思います。
まず最初に避けては通れないエントリーシートの志望理由や自己PRについて書いていきます。ただ、これに関しては他にも多くの人が言及していますので、他の人を参考にしてもらっても構いません。あまり多くの意見を取り入れすぎると進まなくなってしまいますからね。
①志望理由について
まず大前提として・・・
100%完璧な志望理由なんてありません!!!
こう前置きした方がこれから大学職員を目指す人たちの気持ちが楽になるかと思いました(笑)
というのも上に書いていることを意識してから自分も気が楽になりました。
目指すところは60~80%くらいで良いので、とにかく書き始めるのが吉です。
という前置きをしてから、まず志望理由には2種類あります。
大学職員を志望する理由
特定の大学(学校法人)を志望する理由
この2つです。1.の大学職員を志望する理由は一度決めてしまえば後は基本的に文字数に合わせて使いまわせます。2.の特定の大学を志望する理由はその都度考えなくてはいけませんが、この後説明するパターンを使用すれば、もうあとは作業です(笑)
それでは1.から見ていきましょう。
①-1 大学職員の志望理由
ここは月並みですが、まずは思考の整理からしてみましょう。
問)教育に興味を持ったきっかけは?
問)その中でも大学教育に興味を持ったきっかけは?
本音としてはワークライフバランスだったり給料だったりするかもしれませんが、それよりも教育で貢献したい、という方を前面に出してください。
上記のような問いに対してあなたの答えはいかがでしたでしょうか?答えられましたでしょうか?これが答えられなかったら、小さなきっかけでもいいので答えを出してください。
これが答えられたら、今度は自身のエピソードとくっつけて話を膨らましてください。そして文字数を稼いでください。
そして最後は「そんな~に貢献できる大学職員を志望しました」こんな具合で良いと思います。
とはいってもなかなかゼロからスタートとなると書き出しが難しいですよね・・・ということで私が実際に使用したものをベースとした大学職員の志望理由を公開します(一部改変していますが、大きく変えていません。根本は同じです)。
『私は学生時代に塾講師のアルバイトを4年間していました。そこでは学生リーダーとして、生徒のみならず勉強を教える大学生の指導を行いました。生徒一人一人の成長や実際に合格実績を出せたことにやりがいを感じましたが、中でも一番やりがいを感じたのは指導した大学生の成長です。生徒に勉強を教える上で、期待に応えなくてはいけないプレッシャーもあったので、大学生の指導は、学生リーダーとして責任をもって行いました。その甲斐あって、実際に指導した大学生は、皆この塾で先生をして良かった、自分自身も成長できた、との声がありました。このように共に生徒の学びを考え、成長した大学生の姿をみて、私はそんな学生の成長を支えることができる大学職員を志望しました。』
たいていこうした例では「学生時代にお世話になったから」とか中途だと「業務で大学生と関わることがあり」といったベクトルからの志望理由をネットでは見かけます。私は実際にこのような大学職員の志望理由でエントリーシートや面接を乗り越えてきました。
こんな感じで良いんです。これだって個人的には80点くらいだと思っています。だって絶対突っ込まれますもん。「先生にはならなかったの?」この質問何回も来ました。あとは「民間企業じゃダメなの?」これもありました。
それぞれの質問の回答としては・・・
「先生にはならなかったの?」→たしかに教えることも好きですが、共に考えて塾でやったことが就職活動に役立った、ゼミナールでの発表に活かせた、など学生の成長に貢献できたことにやりがいを感じたので、私は学生の成長に貢献できる大学職員を志望します。
「民間企業じゃダメなの?」→民間企業ですと就活のサポートだったり出版社などといったアプローチがあります。これらはどれも断片的であり、学生の成長に一番貢献できるのは大学を運営している職員だと私は思います。
こんな感じで回答しました。ここから更に突っ込むことはありませんでした。おそらく中途採用ではこういった口頭試問はそこまで比重は重くなく、やはり経歴やスキルといったものが見られているような気がしました。
ですので、この辺りは無難な回答をしていれば大丈夫だと思います。
①-2 特定の大学(学校法人)を志望する理由
これについては型を決めてしまえば後はその型に当てはめていく、そんな感じで私は進めていきました。
まずは個別の理由は1つで網羅するのは無理だと思っているので、2~3個上げます。例えば少人数教育が特徴の大学はいくつもあります。これ一つでいこうとしたら、たいてい「他の大学も少人数教育に力を入れている所はあるよ?」と来ることが想定されます。なので、少人数教育+教養教育に力を入れている、このような感じでいくと良いと思います。
もちろんこれらの理由の裏には自分なりのエピソードが必要になるので、そこは各々の引き出しによってきます。
それではまた私が実際に使用したものをベースにしたものを公開します。
『その中で貴学を志望した理由は2点あります。一つ目は四年制大学の中でも特に学生の面倒見が良いからです。貴学では卒業時の学生アンケートで担当教員のフォローが手厚いという声が多く挙げられていました。私は学生には安心して勉強や学校生活を送ってもらいたく、そういった大学を目指しています。そして貴学のそのような学生を手厚く支える姿勢にとても魅力を感じ、私は貴学で働きたく思いました。二つ目は社会に出ても通用する教養教育の実現を目指しているからです。私は、高等教育では専門知識の獲得だけでなく教養教育も実現すべきだと思っています。単科の大学ではどうしても知識の詰込みになってしまい、高等教育の良さでもある広い視野や多様な価値観といった教養を学ぶ機会があまりありません。貴学での教養基礎科目や初年次教育は、社会で求められる能力を伸ばそうとする教養教育が見られます。このような大学の姿勢は私の目指す学生対応や教養教育に沿っています。だからこそ私は貴学を志望しました。』
これくらいの具体性を持って志望理由が書ければ大丈夫だと思います。もしこれらの志望理由でエントリーシートが落ちてしまった場合は、ご縁が無かったとして切り替えるしかありません。他にTOEIC900点やシステム開発をやっていたスーパーマンが受けていた、といつも思っていました(笑)
②自己PRについて
自己PRについてはまずどういった能力が優れているか、そしてそのエピソードをいくつか挙げる、そんな書き方をしていました。これについてはいろんな能力があります。行動力だったりコミュニケーション能力、企画力や発信力、何でもよいと思います。ちなみに私は行動力を自己PRで使用していました。そしてその能力を示すエピソードを3つ書いていました。書き方の型としてはこんな感じで良いと思います。
もし自己PRの能力に何をチョイスすればよいか分からなければ、普段どういった業務をしているのか、そこでどういった業績を収めたのか、そのためにどういったことを意識していたのか。このようにエピソードから攻めてみるのもよいと思います。
そして何もアピールするものが無い!本当に無い!という場合は、今からでも遅くないので、何か意識して仕事を始めて何か業績を収めてください。そして再来年くらいの内定を目指しましょう。おそらくそれくらいを目途に頑張れれば胸を張って言える自己PRができるはずです。
ここでまた私の自己PRの一部を公開します。
『私には行動力があります。私が現在の大学職員を勤めている間に主に3つのアクションを起こしました。
1つ目はコロナ禍におけるオンライン授業の立案と運用です。2020年度は新型コロナウイルスの影響により当初予定していた授業形態ができず、オンライン授業を急遽運用することになりました。そこでオンライン授業をする上でのアプリケーションは何を使用するか、授業時間や形態、学習効果をどう担保するかを教員と話し合いました。大きなフレームワークが決まった後は、学生や非常勤講師へのマニュアル作成と共に使用方法の動画を撮影。その結果全国的にも早く授業を開始することができました。それから学生、教員の相談窓口を担当し、質疑応答を行いました。その甲斐があり、授業は1年間何とか乗り切ることができました。』
今回エピソードは1つしか載せませんでしたが、このように行動力を示すエピソードをあと2つ書いていました。
正直コロナ禍でオンライン授業を実施したことによって自分自身に自信がついたから他大学に挑戦できた、という面もあるかもしれません。このエピソードはよく面接で食いつかれ印象はとても良かったです。
まとめ・おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回は大学職員の志望理由と自己PRの書き方について書いていました。基本的には型を作って、最初のうちは色んな大学を受けて修正していくことをお勧めします。そしてそのうちこうすれば通るのか、というのが分かってきます。それでも落ちてしまった場合は、スーパーマンだらけだったと切り替えてください(笑)
もし志望理由や自己PRといったエントリーシートの添削の依頼があれば喜んで引き受けます。
今回の記事で少しでも皆さんの転職活動が進んでくれれば幸いです。