待つ間に

今日は文庫本を２冊、衝動買いしてしまった。

ヘアサロンでヘアセットをしてもらっている娘からの、迎えの連絡を待つ間、用事を２つ済ませてもまだ時間があったので、そうだ、と思い立ち、もうすぐ閉店してしまう本屋へ行った。

この本屋は私が通っていた中学校の近くにあり、中学生の頃からよく行っていた。

当時、星新一のショートショートにはまっていて、読み終わればまだ読んだことのないものを見つけては買って読む…もう全部読みたい、と思ってそんな風に買っていたのは、たいていその本屋でだった。

夏休み、部活が終わった後に友達と行ったのも懐かしい思い出だ。

大人になってからも、仕事帰りによく寄っていた。

娘と一緒に行ったこともある。

…寂しいなぁ。
なくなっちゃうんだ…。

文庫本を手に取り、ちょっと読みたいなと思った。

今日、買わなくても、と思ったが、思い浮かんだ別の本屋はあまり充実していないからこれらを置いていないかもしれない。

そして何より、閉店まであとわずかのこの店にはもう来ないかもしれない。

…今、ここで買おうか。

そう思って買うことにした。

雑誌などは電子で買うが、小説は紙の本で読むのが好き。

だけど、子どもと図書館へ行くようになってからは、私も図書館で借りて読むようになっていた。

だから、久しぶりに買った。

レジへ持って行ったとき、
（衝動買い…。）
と思った。

でもすぐに、まあ、いいか、と思った。

思い出のある本屋での最後の買い物。

閉店前に、来れてよかった。

車に乗り込んだが娘からまだ連絡がないので、そのまま駐車場で、買った本を少し読み始めてしまった。
この間、図書館で本を３冊借りて、まだ１冊目の半分くらいまでしか読んでいないのに、別の本を読み始めてどうする、と思いながら。

そうしていたら、電話が鳴った。

ヘアセットを終えた娘を迎えに行き、駅へ送る。
娘は推しのライブへ行った。
気合いを入れておしゃれして、爪も、ゴテゴテといろんな飾りがついた魔女みたいな長さのすごいのをつけて行った。重そう。

図書館で借りた本に加えて今日買った本を読むという楽しみができた。

やることはいろいろあるけれど、時間をやりくりして読みたいと思う。