膳所の道をいく 成瀬が教えてくれない大津観光案内 ②
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膳所本町駅から膳所城跡の道へ
京阪膳所駅から2駅下ると膳所本町駅だ。市街地を走る私鉄なので駅間は短く、あっという間に着いてしまうよ。
駅を下りて歩くと、次の角に奎文堂という小さな本屋がある。ウインドーには成瀬の本が飾られている。膳所高校の生徒はこの店で参考書でも買うんだろうか?
この辻を左に曲がった突き当たりが成瀬が通った滋賀県立膳所高校だ。滋賀県随一の進学校で、卒業生は各界で活躍している。
膳所本町駅から来た道が「膳所城跡の道」だ。とりあえずは琵琶湖に面した膳所城跡公園まですぐだから、軽い散歩気分で行ってみようぜ。
ルートマップ(膳所の道)↓
膳所神社
奎文堂や膳所高校の向かいにある神社。
膳所神社の表門と北門は、膳所城から移築された。道理で神社らしくなく、城っぽい門なわけだ。他にも篠津神社など膳所城の門が移築された神社はいくつかある。
膳所神社の境内は広くないが、なかなか落ち着く神社だよ。
馬杉湖魚店
成瀬あかりは「うなぎの成瀬」とコラボしているから、仁義を通して絶対に教えてくれないぞ。地元民に愛されるテイクアウト専門の、うなぎと琵琶湖魚の佃煮のお店がここ。
うなぎはふっくらして香ばしい。午後3時頃から焼き始めるのと、白米を近くで買って椅子に腰かけて食べる必要がある。お行儀が悪い私は蒲焼きのままで歩き食いしたけれども、ふなずしや佃煮をおみやげにしたほうがいいかもしれない。元々が湖魚店だしね。
「馬杉るって聞いたから立ち寄りました」と言えば、オマケしてくれるかは保証しないからな。
膳所城跡公園
突き当たりの信号で湖岸道路を渡ると膳所城跡公園だ。
膳所神社に似た門がお出迎えしてくれるけど、本物はあっちにあげちゃったから、こっちのは模造だ。膳所城は太っ腹だね。実は、明治維新で城が取り潰しになるので、せめて門だけでも移して守ろうという、地元の方々の熱い思いらしい。
琵琶湖にせり出した園内は、樹々がこれでもかというほど生い茂っている。日本の歴史公園100選にも入っているのに、なぜか野外ステージなんかがあるのは、イベントなどが開催されるかららしい。
朝早くベンチに腰掛けて、冒頭の画像に掲げた琵琶湖を眺めたけど、膳所の人々が散歩に訪れるのを見て、地域の憩いの場になっているのがよくわかった。由美浜からは近江大橋をくぐって、ボードウォークで繋がっている。膳所・晴嵐の道という遊歩道が、南は近江八景「粟津の晴嵐」まで伸びているが、こちらも公園からボードウォークを渡って行ける。大津港から粟津まで続く散歩道を大津湖岸なぎさ公園と呼ぶらしいよ。
大津市科学館
膳所城跡公園とは湖岸道路を挟んだ向かいは大津市生涯学習センターで、その一角を占めるのが科学館だ。科学館といえば、成瀬は京都大学理学部に合格するのだが、母校の最寄りの膳所本町駅とは逆方向だからあまり行かなかったのか。それとも有料だからか。どう考えても成瀬は科学館が好きだろう。
こじんまりとしながらも、展示物は琵琶湖関連が多くて、子供連れが楽しめるようになっている。しかし、なんと言っても科学館のウリはプラネタリウムだ。職員の生ナレーションで天空の旅を楽しんでくれ。プラネタリウムの番組表は要確認な。
小声で言うが、自家用車利用の方は科学館を利用して無料で駐車したまま、近辺を散策するといいぜ。わざわざ太字にしておいて何を言ってるんだ。
膳所・晴嵐の道
もう膳所城跡公園の項で説明したよな。
この辺りから北が琵琶湖、南が瀬田川になる。天気がいい日は風が気持ちいいから、有料駐車場がある辺りにある蘆花浅水荘までは、できる限り琵琶湖沿いを歩こう。
蘆花浅水荘 (記恩寺)
日本画家山元春挙の別荘庭園。戦後しばらくまでは、庭先に舟で乗りつけられるようになっていたそうだが、琵琶湖を埋め立てて道路を造成することになり、琵琶湖を借景とした庭も往時の風情が失われてしまった。
それでも贅を尽くした数寄屋造りの建物に、ちょっとした大名庭園のようであり見事だ。見学は要予約だけどね。そういうわけで詳しくお見せするのは控える。
Boulangerie FERME (ブーランジュリー・フェルム)
住宅街のパン屋さんだけど、なかなかどうして、クロワッサンが期待以上に美味しい。
前回で、大津市はパンとコーヒーの消費額が全国1位とお伝えした。旅の途中の腹ごなしに買ってみるのもいいね。
膳所焼美術館
膳所焼はとにかく上品なんだよ。茶道のための茶器が多い印象だな。膳所城主の本多家を喜ばせるために洗練されていったのだろう。
茶室のような建物も粋で庭も綺麗だし、観覧料には茶菓子が含まれるので、散歩で疲れた足を休めながら目の保養をしてくれ。
私が案内したコースのゴールは瓦ケ浜駅で、門を出たらすぐそこだ。膳所本町駅からはさらに2駅下ったところになる。
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