
前途洋々、順風満帆、きっと 栄光なきクリエイターたち #002
前回の記事
noteを見ていると不思議に思う。あるクリエイターには多くのフォロワーがついているのに、ほとんどフォローもされずに淡々と投稿を続けるクリエイターがいる。フォロワーが少ないクリエイターが書く記事はつまらないのか?
断じて否。
彼らにとっては、他人からどう思われるかなんてどうでもいいのだ。読み手を意識していないから、ややもすると素っ気なかったり、癖が強すぎたりもする。しかし、彼らが書く記事には、ブレない強さや真似ができない自由さがある。
そんな栄光なきクリエイターたちをそっと追ってみよう。わたくし御丹珍の独断によって選ぶ。原則として1記事につき1クリエイターのみを採り上げる。事前に記事で紹介する承諾を得るべきか迷ったが、そもそもフォロワーがいてもいなくても気にしない方々なので、私も思うままに紹介させてもらう。当該クリエイターの方には、この場にてお礼を申し上げます。(文中敬称略)
前回のカラッとしたマイペースなクリエイターとは対照的な、静かなる努力家を紹介しよう。
松
このあっさりしたクリエイター名は、本名から一字を取ったものと思われる。仲間内で松と呼ばれていたのだろうか?神戸大学大学院で海事科学を研究する若者だ。神戸大学の以前には大島商船高等専門学校を出ているので、早くから商船マンになる志があったと思われる。
私が松を初めて知ったのは、noteにおいてではなく、Xのリポストに貼られたnote記事を見たことによる。
上の記事に私は以下のとおりコメントした。
あの手の方は印象操作の扇動をする時点で怪しいのですが、人は騙されやすくもあり、判断がつかない場合もあります。
黙っていれば誰にも責められることはないにもかかわらず、正直に見誤ったことを公開の場にお書きになったことに敬意を表します。
文末に貼りますのは拙稿をまとめたものです。
広島県の方なら納得していただけるはずです。
石丸氏には比較されるべきライバルがいるのに、なぜかこのことに触れる人は少ないのです。
石丸氏は観念的に善し悪しを語るので、判断する物差しを持たない人は、石丸氏が絶対的に正しいと思い込まされます。
所詮は政治判断とは、過去の実績実例や相対的な比較と結果予想に基づくべきなので、判断に迷ったら似た存在と突き合わせて比べれば大抵のことはわかります。
そして、私が示した記事がこちらである。
改めて、松へのコメントを読み返すと、傲慢だなと恥ずかしくなる。ああ、消したい。だが、黒歴史こそ誤魔化さずに同じ轍を踏まないようにしなければ。
関心事
松は、全体の投稿数こそ多くないものの、幅広い事柄をコンスタントに記事にしており、テーマ別に几帳面にまとめられている。以下は、松がまとめた自筆記事のマガジンの見出しだ。
海事
日本酒・地酒
神戸市
広島市
石内
戦争・平和
神戸大学
割と普遍的なテーマが多いが、一つだけあまり馴染みがないテーマがある。石内とは松の故郷で、広島市佐伯区にある大字である。広島市に編入される以前は、佐伯郡五日市町に属していた。
石内の郷土誌と市場動向調査
石内の史跡を固定記事に選んでおり、郷土愛の強さが窺える。
松の記事はどれも、控えめでマメさを感じさせる筆致で綴られる。私はローカル、特に故郷を紹介するほど価値がある発信はないとすら考えている。この若さでそれを実践しているのは大したものだ。
え、だったらお前もやればいいじゃんって?民俗資料館に通うのは大変なんだもん。
さらに松は、神戸に住むようになっても、郷土の発展具合を気にかけて、新聞を開いて広域商圏調査を元に分析を進めている。
うーん、感心。爪の垢でも煎じて飲みたいものだ。
遠慮がちで謙虚な人柄
真面目一辺倒に思われる松にも、お気に入りのアイドルがいるという。EXILE TRIBEと日向坂46である。日向坂46の握手会では、楽しいアイドルとの交流になるはずが、アイドルに説教するオッサンを目撃したという。
たとえ対応が悪かろうが、いい歳した男が、赤の他人である10代のお嬢ちゃんをガミガミ叱れる神経が解らない。
むしろ、あれ程可愛い女の子に堂々と説教できるような傲慢無礼なメンタルを羨ましくさえ思う。
ぐうの音も出ない正論だ。
ふと気づけば説教をかましている、この私が叱られている気すらしてくる。ただね、オッサンとは奇妙な生き物で、可愛くて無抵抗な者を見ると、つい説教したくなるんだよ。お嬢ちゃんからしたらいい迷惑なんだが、いい迷惑と想像するからこそ、余計に説教を垂れたくなるのがオッサンなんだ。な、タチが悪いだろ?じゃなきゃ、あんなにウザがられているのに、オヤジギャグを連発するわけがないだろう。
きっと、松もオッサンになればわかるよ。でも、そんなふうになっちゃダメだよ。御丹珍って言われちゃうぞ。だが、松に限っては、そんな心配もなさそうだ。
中学生が綴る平和への願い
広島市は、被爆70周年に当たる平成27年度から、市内の中学校に通学する中学生からメッセンジャーを選出し、8月5日、6日を中心に、各国駐日大使や平和公園を訪れた外国人に対して、英語で平和メッセージを伝える活動を行っています。
私は、その第1回である平成27年度にメッセンジャーに選出され、この事業に参加しました。
松が選出されたのは順当なんだろうな。

将来を嘱望される若者は、中学時代には既に傑出しているものだ。
大学院での研究
私の大学院の研究テーマは「自動運航船」です。造船・関連機器の技術者のみならず、輸送段階を担う船員も人手不足が深刻です。その解決策として開発が行われているのが「自動運航船」「無人運航船」です。
研究テーマが無人運航船とはいえ、実習や試験運航などで乗船する機会も少なくないだろう。
一つだけ言わせてもらうならば、もう少し読者の皆さんに親しげに語りかける口調を挟むといいかもな。
松の記事にコメントした際に、記事を紹介したい旨を書き添えたが、そのコメントには返信がない。その理由は何となくわかっているのだが、松には申し訳ないと思いつつ、記事を公開することにした。拙稿をお読みになって、松の航海安全を願う方には、松にスキ&フォローをお願いしたい。
あなたも見つけよう。知られざる栄光なきクリエイターを。
次回の記事
マガジン