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とある音楽祭にいったら警備員を好きになった話


先月行われた無料のjazzイベントの話をしよう。

そもそも、
なぜそのイベントに行こうと思ったかというと
あのかの有名なCHEMISTRYが出演する
と耳にしたからだ。


わたしにとって
CHEMISTRYはもはや青春の一部。


学生時代、
すりきれるほどMDを聴いて
彼らの曲に何度涙したことか…。

(10代でどんな経験しとるんや…という話は置いといて)

そんな彼らが
出演するというもんだから
これは行かないわけないよね。
という感じで


暑さと人混みの辛さを
唇をかみしめるほど我慢して
いざ!向かったのである。


結論からいうと、
このイベントのために派遣された
警備員の一人が


あまりにもシゴデキすぎて、
思わず「人生何周目ですか?」と
聞きたくなるほどの神対応っぷりだったのだ。


わたしがノンケだったら
恋をしているかもしれない(大袈裟)


それほど感動で心をうごかされた体験。

これは、
ビジネスにも役立つ考え方だし
自己成長のためにもかなり勉強になると思い
備忘録として書き綴ってみることにした。


と、前置きがながくなってしまったが
本題に入ろう。


その日は、
夕方だと言うのに30度超え。
細かくいうと33度くらい。


こんな非情な暑さのなか
開催された野外イベント。

そんな中、
当たり前にイライラしている
ため息まじりの難しい観客たちを

上手に誘導する
爽やかな警備員がいた。


「一方通行なのでこっちから通ってくださいね〜ルールやけんですね〜」


と、汗をぬぐいながら
笑顔で誘導灯をふっていた。
(博多弁フェチの人はたまらんだろう)


わたしが
そこでまず感激したのが、


皆がちゃんと通っているのに


"自分だけルールを破ると恥をかく"

という潜在的な感情を
やんわりと刺激する説明だったからだ。


たった一言なのに
破壊力ありすぎて
思わず目をまるくしてしまった。


そして当然、
だれひとりとして
逆走する人はいなかった。


しかも、こんな猛暑で
キツくてみんな顔を歪めている中
まるでスポットライトがあたっているかのように


その警備員さんの笑顔がまぶしくて
やけに輝いているように見えたのだ。


水がなくて飢えているときの
オアシスにきたかのような感覚。


とにかく
待ち時間のながさや
疲れた身体や心がスーッと
癒されていくようだった。


お顔もNORIKIYOに似ていて
いい顔をしていたし(何様なのか)


そんな感じで
ポッと現れた素敵な警備員さんに感動しつつ、

CHEMISTRYがでてくるまでの時間を
友人と談笑してながら過ごしていた。


それから5分くらい経っただろうか。


しばらくすると、
さっきの警備員とは別の
警備員がふらっと目の前に現れた。


顔つきから仕草から
さきほどの彼とは180度
真逆の雰囲気を
ぷんぷんとかもしだしている。


ザ・不機嫌!


ともいわんばかりの表情をみて
わたしは、思わず
眉間にシワを寄せてしまった。


その警備員は


「こっち行けませーん!!左側通行してくださいよ!ココ通れません!ムリです!」


と感情的で言い方もだいぶキツめ。

案の定、道ゆく人々を
つぎつぎと不快にさせていた。


中には
舌打ちをする強面風の兄ちゃんや、

通ろうとしたらその警備員に
両手を広げて道を塞がれたもんだから
「あ゛ぁ゛?!」
と逆ギレして、

あえて強行突破して
逆走するおじさんなんかも現れた。



もはや戦場である。(笑)


最初の警備員さんは
賢くて言い方が上手だし、
人の心を動かす力がめちゃくちゃ強かった。


おそらくきっと
普段から人に尊敬されているだろうし、


もしかしたら経営者とか
人の上にたっているような人格者だろう。


後の警備員さんは
感情的で言い方がとにかく下手。

これじゃあ
なにかとトラブルが絶えないだろうな…

伝えたいことがあったとしても
相手の心に響くまでに十数年も
かかるだろうなぁ…


そんなことを
待ち時間でぼんやりと
考えていたわたし。



そのうちに、
ふと懐かしい感情におそわれた。

そして、その答えは
10秒もたたないうちに
心の内からブワーッと、
こみ上げてきた。


自分をかえりみることができず、
いつもいつも不満ばかりで

いつまで経っても
労働者側から抜け出せそうにない。

そう。
まさしく過去のわたしのようだな…と。



これまでのわたしは
考え方も常に卑下気味で

なにか問題が起こると
真っ黒い巨大なモヤが
心を蝕むように…、


会社のせいで。
親のせいで。
環境のせいで。


と、
まるで呪文のように
繰り返し唱え続けていた。

今振り返っても
かなり恥ずかしいのだが、
当時はなかなかの他責思考であったが故に

いつまで経っても
"幸せ"を感じることもなく、
いつの頃からか心の成長が
ピタッと止まったままだった。


ロールプレイングゲームでいう
思考停止の石化状態なわけだ。


そんな負の状態に
おぼれているもんだから、
人になにかを伝えるのが
とにかく下手くそ。


予行練習したとしても
結局うまくいかず
誤解が生まれることも日常茶飯事。



そのうち、
人間関係やコミュニケーションが
怖くなって引きこもりがちになっていった。


そんな、
ほろほろほろ苦い過去がある。


とまあ、
こんな感じのわたしだけど、

自分をかえりみるキッカケや
人生を変えるチャンスを得たからこそ、
本当の意味で自己受容もできたし
ビジネスでも成功することができたのだろう。


30代からの
人生大逆転劇だ。

それとなにより
随分と生きやすくなった。


人目を気にして
最凶に生きづらさを抱えた自分と
見事に決別できたのだから。


今度カラオケにいったら
「さよならbyebye」
を歌いたくなるほどに噛みしめてる。
(歳がバレそう)

というか、
チャンスを掴むことができなかったら
今頃なにしてたのかと思うと
ほんとーに末恐ろしいってばよ。(身震い)


そんな…
自分の半生を
振り返るいいキッカケを、


今回、イベントの
警備員たちを見て
思い返す。


兎にも角にも、
人生は長い。


良いときもあれば
辛いときももちろんあるけれど、
いつなんどきでも
自分をかえりみれる自分でいたいですね。
(自戒を込めてしみじみ思ふ。)

そして、人のイイトコを
どんどんと見つけられる人間でありたいなと
あらためて強く思った。


『どんな人からでも学ぶことはある』


数年前に聞いていたら
きっと頭をかしげていたかもしれない、
この言葉。


これ実は、
大切な友人が
よくいうセリフなんだよね。


いまならすべて理解できるし
自分成長できてるなぁぁって
自己陶酔しちゃいそう。


そんな感じで
警備員さんの賢さを吸収して
さらにマインドが強化されたわたしでした。



あ、そうそう。

言わずもがな、
CHEMISTRYは最高としか
いいようがなかったです。


ただ懐かしく
思える頃には
会えたらいいね〜


そういう人と
再会したいとおもう今日この頃。


それでは、このへんで。

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