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【簡単あらすじ】二木先生(微ネタバレ)【夏木志朋/ポプラ文庫】


『 くそちゃばん 』


昔から「変わった子供だ」と言われ続けていた田井中。

それを変えるため/地球人に近づくため、流行りの音楽を聴いたり、場違いな誕生日会に参加してそこで子どもらしく振舞ってみたり。

そんな努力も上手くいかないまま高校生になった田井中。

ある時偶然知ってしまった秘密から、担任で美術教師の二木との奇妙な交流がスタートする。


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『はじめに』
段々と冬に向かっていることを感じられる気候になり、朝夜は布団に入りながらゴロゴロして、読書に勤しむことが楽しくなってきた時期ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

ーーー

幼児の頃から・周りから「変わり者」とレッテル貼りされた・田井中広一
担当で美術担当・二木良平
小学生時からのクラスメイト・委員長
田井中のクラスの中心・吉田

登場人物の誰もが、ある視点からするとマイノリティと認識される部分を保持しています。

ただ、それを、自分で認識し公言しているのか・それとも自然と表に現れてしまっているのか・周りに分からないよう隠し通せているのか。

それによって、各登場人物の現在の状況に違いが表れます。

現在は、私の学生時代よりも、明らかに複雑化・多様化している社会です。

もちろん、それによってメリットを享受している人も多くいます。
ただ、昔よりも生きづらさを感じている人も多くいます。

そんな、多種多様なマイノリティが集まったクラスでの、田井中と二木の奇妙な交流が中心の作品であり、また、

ところ変われば、自分の意見はこうして支持される

P34

という表現がテーマとしてピッタリな作品でした。

作品は全体的にテンポ良く進み、ある程度話の流れが定まった…かに見えたところでの

「そういう展開に進むのか」

と驚くような急展開・落ち着かない流れなため、終わり方(まとめ方)については多くの方がスッキリするような読了感を感じるものでは無く、賛否あるかもしれない形だったと思います。

しかし私のように、普段はゴリゴリのミステリーを好んで読む人間にとっては、「ああ、こういう終わり方の小説も新鮮で良いね」と感じました。

主人公や委員長・クラスメイトの先行きがとても気になります。



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P206 - 人財教育/人事労務コンサルタント -
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