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【簡単あらすじ】あなたが選ぶ結末は(微ネタバレ)【水生大海/双葉文庫】
『 僕は、なにをしたんだろう 』
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高校の同級生の突然の訃報。
祖母の葬式から始まるあなたの復讐。
スーパーで財布を掏られそうになった人物のその後。
まるで、映画「卒業」のような結婚式の参列者。
読者の日常にもあり得るシチュエーションの短編集です。
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『はじめに』
酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ・ポカポカ陽気で何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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以前レビューしました、「最後のページをめくるまで」の作者・水生大海さんの続編です。
本作品は、以下の5編の短編集です。
1.俺の話を聞け / 5.真実
ある週刊誌に勤めているあなたに、高校の同級生の突然の訃報が届く。
高校教師だった同級生の周辺を調べていくうちに、様々なことが浮かび上がってくる。
今ここにある現実と、調査後に浮かび上がった真実の違いは?
2.二週間後の未来
祖母の葬式で見つけた「青酸カリ」。
あなたはそれを復讐に利用しようと考える。
3.それは財布からはじまった
スーパーで財布を掏られそうになったあなた。
近くにいた人が声をかけてくれたおかげで、掏られることはなく被害も無かった。
その後ある思惑から、あなたはその人物と交流しようと試みる。
4.きみのための探偵
「志帆、愛しているんだ!」
まるで、映画「卒業」のような結末になった結婚式に参列したあなた。
あなたは探偵の真似事までして、志帆の幸せを確かめようと奮闘する。
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登場人物に一癖も二癖もあり、謎が解けたり真相に辿り着いたりしても、スッキリした読了感を得るどころか読了前よりもモヤモヤするという、いわゆるイヤミス分野においては、湊かなえさんが第一人者といえると思います。
私も、リバースや高校入試では、良い意味でモヤっとしました笑
そんなイヤミス分野において、水生大海さんは、短編の分野で中々のイヤミスを創られている作家さんだと思います。
前作「最後のページをめくるまで」だけでなく、「だからあなたは殺される」についても、中心人物の兄妹のキャラや、結末が中々のものですので読了ください。
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イヤミス分野については、スッキリした読了感を得られることがほとんどないということもあり、興味はあっても実際に読み始める人は少ないですし、いざ読もうとしたときに、どの作品から読めばいいか悩んでいる方は多いと思います。
そういった場合、スッと読めて、読了後もスッと気持ちを切り替えることが出来ますので、イヤミスについては短編集から読むのがおススメだと私は思います。
そして、本作は「初めてイヤミスを読みたい!」と思っている方に、ピッタリでおススメ出来る作品でした。
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