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【簡単あらすじ】十戒(微ネタバレ)【夕木春央/講談社】
『 ――じゃあ、さよなら 』
それは言い慣れた様子の、あまりにそっけない挨拶だった。
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商才があり、デイトレーダーとして一財産を作った伯父。
しかし、交通事故で突然亡くなってしまった。
そんな伯父が所有していた、周囲一キロにも満たない小さな無人島「枝内島」
その島を開発しリゾート地にすることが計画され、父親と浪人中の里英は、計画に参加しようと考える開発会社・不動産会社・建設会社の人々と島を訪れた。
無人島の状況から少しの違和感を覚えながら、無人島の建物や施設を点検していると、作業小屋として使われていた建物から、もしも爆発した場合には島が吹っ飛んでしまうほどの大量の爆弾が見つかる。
参加者たちは後々のことを考え、その場ですぐに警察を呼ぶことはすることなく、とりあえず別荘で一夜を過ごすことにした。
翌日、玄関には一枚の紙が貼られており、その紙に書かれている通り、参加者の一人が崖下で死んでいるのが発見される。
―
『はじめに』
夏も(暦の上では)終わりが近づいてきていますが、それに全く伴わない気温が続いており、最高気温は30度どころか35度を超えることが増えています。
私は暑さに弱いため不要不急の外出は減らしている時期ですが、エアコンを起動し、自室で飲み物を飲みながら読書をするという、絶好のシチュエーションを得られる時期が到来したとも言えます。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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前作「方舟」
で衝撃を受けた作者さんの新作です。
今回は、無人島が舞台となります。
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無人島を視察にきた関係者たちは、爆弾を見つけてしまうというアクシデントはあったものの、その段階ではまだ平穏さを残していた。
しかし、その翌日に、玄関で見つけた紙には、犯人が書いたと思われる十戒があり、さらに書いてある通り崖下に参加者の死体があったことから、にわかに緊張感が高まる。
そして十戒の十個目の項目とあとがきである、
殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。
その正体を明かそうとしてはならない。
殺人犯の告発をしてはならない。
などの事項が守られなかった場合、作業小屋の爆弾の起爆装置が作動し、その際は、全員の命が失われることを覚悟しなければならない。
ということから、考えられないような行動とそして、身元について詳しくない関係者たちと枝内島で、三日間過ごさなくてはならなくなってしまう。
―
前作「方舟」を読了した方でしたら、〇〇という職業(役割)をしている登場人物に対して、素直な観察や感情移入等が出来なく、他作品よりも信頼感が少ないと思います。
そしてやはり今作でも○○の役割をした方が、真相に大きく関わってきます。
「モーセの十戒」とは、一言で説明すると、「神が人々に与えた10個の決まりごと」のことです。
そしてそれを受け取った人がモーセです。
もともと十戒とは、人々が正しく生きるための指針として用いられました。
守って生きれば、人を真の幸福に導くことが約束されています。
しかし、もしも破ってしまったならば・・・?
今作も、作品に書かれていない、事件後を考えると大変怖い終わり方になっています。
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