【簡単あらすじ】ランチ探偵(微ネタバレ)【水海大海/実業之日本社文庫】
住宅メーカーの経理部所属の阿久津麗子は、遠距離恋愛中の彼氏から別れ話をされる。
その後、『ランチタイムなら時間制限があるから、場が冷えた場合にサクッと退散出来るじゃん。もし気が合いそうなら改めて合えば良いし。』
という考えから、同僚で後輩の天野ゆいかを誘い、ランチタイムでの合コンに勤しむ。
しかし、その合コンには何故か毎回謎が絡んできて…
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ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~
という題名でドラマ化された原作です。
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MENU1 アラビアータのような刺激を
誰もいないはずの夜中に、エレベーターが屋上に移動している。
それは、一カ月半ほど前に自殺した社員の仕業という噂が流れて…
MENU2 金曜日の美女はお弁当がお好き
麗子とゆいかは、閉店した洋食店の味を受け継ぐ移動販売車「LUNCH BOX 09」の弁当を買いに行く。
その店には、「経営に口出しする横柄な中年男性」や「毎週金曜日にお弁当を20個以上も購入する謎の美女」が来店する。
MENU3 午後二時すぎのスーパーヒーロー
麗子は満員電車で助けられた男性(通称:柴犬)に合コンに誘われる。
いつものようにゆいかを誘った合コンの席では、相手側から銀行での捕り物騒ぎの話をされる。
MENU4 帝王は地球に優しい
友人の披露宴で知り合った男性と合コンをすることになった麗子。
ランチの途中、その男性の同僚の電話に、弟の妻が失踪したという連絡が入る。
失踪現場に残されていた言葉「帝王は地球にやさしい」とは何を意味するのか。
MENU5 窓の向こうの動物園
高校時代の後輩から、婚活サイトで知り合った塾講師とのランチに付き合って欲しいと頼まれた麗子は、ゆいかを誘い花見の席で食事会を開く。
そこで、数学が担当という男性から、電車から見える「毎日ぬいぐるみが変化するアパート」の話をされる。
MENU6 ダイヤモンドは永遠に
別れてから一年も経つ頃のある日、麗子の元彼から、久しぶりに会わないかとメールが来る。
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個人的には、MENU4が好みでした。
私のように、人生においての行動範囲が狭い人間(未だに海外旅行をしたことがありません…)には分からない謎でしたが、これでもかと言わんばかりにダジャレがまん延する緩い雰囲気の中で、レストランのメニュー名についての雑学を得ることが出来、さらに、解決までに様々な性質をもった人間が絡むところが良かったです。
今まで読了してきた水海大海さんの作品は、「最期のページをめくるまで」も「だからあなたは殺される」も、どちらかというとテーマは重めで清々しい読了感という訳ではありませんでしたので、まず、水海大海さんの作品の雰囲気を知るためのエントリー作品としておすすめです。
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