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【簡単あらすじ】誘拐リフレイン・舞田ひとみの推理ノート(微ネタバレ)【歌野晶午/角川文庫】
『 あのさあ、人間って、変われるものなの? 』
引きこもりの少年・馬場由宇は、いつも通りにいつものゲームをし終え、粗末な食事を済ませ、部屋から外を見ると、向かいアパートのベランダに全裸で放り出されている幼女を見つける。
幼児虐待を疑っていたが決定的証拠が見つからないまま月日は流れ、ある時、外出するとパチンコ店の駐車場でその幼女は車に取り残されており、悩んだ挙句、由宇は幼女を自宅に避難させる。
しかし、冷静になった由宇は、その後の対応をどうすれば良いか悩み、小中学校で同級生であり、友人でもある舞田ひとみに助けをもとめようと考え、自宅を出た。
しかし、ひとみを連れてくることは出来たが、呼びに行ったそのわずかな時間に、幼女は自宅からいなくなっていた…
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『はじめに』
酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ・ポカポカ陽気で何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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以前レビューしました、「名探偵、初心者ですが」「名探偵は反抗期」の続編で、シリーズ三部作(恐らく)最終刊です。
「名探偵、初心者ですが」で、小学生として初登場した舞田ひとみも高校生になり、現在は、学業優秀で高校卒業後は留学を目指しているためTOEFLなどを猛勉強中、さらには幼児の世話をするなど人生経験も積んでいることで、物事の考え方や自分の行動について大きな変化が見られます。
また、自身だけでなく、再婚した大学教授の父親、地元の有名人でもあるTVキャスターの母親、未だに出世からは縁遠い刑事のおじ、など周囲との関係性も(良い意味でも悪い意味でも)かなり変化があります。
特に、馬場由宇の家族問題を解決するためにとったある方法は、高校生になったからこその方法ですが、前二作を読んでいる読者であれば、ちょっと衝撃を受けると思います。
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本作は、複数の誘拐事件がほぼ同時期に発生し、誘拐をする人も、誘拐される人も、誘拐をする目的も様々であり、それが絡み合うことで難解なミステリーとなっています。
しかし、絡まった糸を一本ずつほぐす作業をすることで、真相に辿り着くことが出来ると思います。
本作は
ちょっと長めのプロローグ
かなり長めのエピローグ
の二つが掲載されており、ここが他作品とは違ったアクセントになっています。
この二つについては、本編のミステリー要素から少し離れた内容なので、ミステリだけを楽しみたい人は流し読みでも良いですが、雰囲気を堪能するためには是非じっくり読んで欲しい部分です。
そして、是非前二作も読んで頂いて、(良い意味でも悪い意味でも)子どもだった舞田ひとみの少女時代を確認し、本作を100%堪能して欲しいです。
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