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【簡単あらすじ】心霊探偵八雲1(微ネタバレ)【神永学/角川文庫】

死者の魂を見ることの出来る主人公・斉藤八雲が挑む、スピリチュアルミステリー。



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『はじめに』
季節が変わり、読書の秋でもないですが、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいた本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたいのですが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』がありますので、その点にご注意ください。

私は、基本的に心霊系の出来事を信じます。

といいますか、「世の中の超常現象や心霊現象等は、ほとんどが科学で証明出来る!」といった、某大〇教授のような考えではつまらないので、「世の中には、科学等では証明出来ないこともある」と思っています。

そして、その中でも心霊系はある(あって欲しい)と思い込んでいます。

そういった人間だと、特に、この作品にスムーズに入り込めると思います。

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主人公の斉藤八雲は、

◇燃え盛る炎のように真っ赤に染まった左目で生まれ、
◇その目により、母親に忌み嫌われ殺されそうになり、
◇父親に至っては、記憶する限り存在しない、

という、考えられる限り最悪に近い幼少時代を過ごしてきた大学生です。

そういった生い立ちの主人公ですので、
性格や考え方はかなりひねくれた感じで雰囲気も暗めです。

さらに、事件には心霊系の要素が絡まり、事件の内幕や現場表現はドロドロしたものであるため、一見すると、読者を選ぶ内容に見えます。

しかし、八雲の周りの

◇子供時代から続くトラウマを八雲が解決。八雲の左目を綺麗と見なす「小沢春香」
◇赤いコンタクトを入れることで、世間の好奇の視線にさらされた、八雲の苦しみと孤独を味わおうとする「叔父」
◇八雲が母親に殺される寸前で助け、現在でも腐れ縁が続いている刑事「後藤」

などの登場人物たちが醸し出す雰囲気で中和され、グロ系の気持ち悪さを感じません。

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序盤では、イカサマを使い同窓生から金を巻き上げるという、「とにかく金が全て」という性質が、少しずつ変化しているところも見どころです。

主人公八雲は大学生であり、そして、八雲自身が出来ることと出来ない事をはっきり自覚していることで、各キャラクターの役割分担がはっきりとしており、その役割の中でイキイキと躍動している印象を受け、スッキリとした読後感につながります。

こちらはシリーズものなので、時間があるときに次作も読んでみたいと思わせる内容です。


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