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睡眠に全力を。

 睡眠はあらゆる健康の根源だ。大抵の体調不良は空腹で寝れば治ったり、改善する。それは人間には自然治癒力が備わっているからだ。薬なんて必要ない。深い眠りにつくことが、活動時間のパフォーマンスを上げることにつながるのだから、睡眠時間を確保することが最優先事項だ。

 睡眠不足が続くのは無理が生じる状態だが、

無理は重ねるうちに恐ろしいことに慣れてしまう。

 慣れてしまうと、今の自分が苦しいのかどうかが分からなくなってしまい、身体が先に壊れる。後悔してから気遣ったところで、もう手遅れ。元の身体は戻っては来ない。

睡眠不足という無理が続くと睡眠負債へと変化する。

 あえて「負債」と表現したのは、睡眠が不足しても翌日に精算しているうちはそこまで問題にならない。でも、睡眠不足が積み重なると、身体や精神に不調をきたす。それは立派な負債だ。

睡眠負債を重ねると債務超過に陥り、その瞬間に身体や精神が壊れる。

 生まれながらにショートスリーパーの体質でもなければ、睡眠時間を削るのは危険なんだ。

 私は8時間睡眠が基本だし、昼寝もしている。当たり前のことだが、寝ている分だけ、起きてる時間は短くなる。

 それでも、脳がスッキリしている分だけ、起きている時間のパフォーマンスが高い。だから、昼寝の時間なんてすぐに挽回できてしまう。昼寝による時間の損失というリスクに見合うだけのリターンが得られるわけだ。

 実際にダヴィンチやエジソンなどの偉人が昼寝を行っていたとされている。昼寝により脳の機能が回復し、多くのひらめきを生み、結果として後世に名を残したと捉えることもできるのではないか。

 私は偉人のような天才肌であると主張するつもりはないが、睡眠時間を削ってパフォーマンスが低下するよりも、8時間睡眠で昼寝を活用した生活の方が遥かに充実的なので、睡眠時間の確保が最優先の生活設計を心がけている。

 そんな人生の3分の1を費やす睡眠だけど、

時間だけでなく質も重要。

 浅い眠りで8時間寝るのは、寝ないよりはマシかもしれないが、最良とは言えない。

 私は快眠のためにアイリスオーヤマのエアリーマットレスを使用しているし、習慣として朝起きて強い光を浴びるようにしている。

 鉄道員という職業柄、朝4時に起きなければならないこともあるから、必ず起床後に太陽光を浴びることができない時はLED照明の光量を最大にするなどしている。

 目は覚めるし、なによりセロトニンが分泌されて、日没後にメラトニンに変わると夜中に眠気がやってくる。

 日中に運動して体力を消耗させておいたり、14時以降に昼寝やカフェインを取らないことで寝付きを良くする。夜間にブルーライトは極力浴びずに過ごす。

目を閉じた状態で考え事をしないよう、今日の体験や明日の予定、不安ごとは吐き出しておこう。

 私はグーグルカレンダーのメモ欄を利用して、脳内メモリを開放するように努めている。書き出すことで思いのほかスッキリして、目を閉じて考えが巡るようなことにはならないはずだ。

 どうしても考え込んで寝付けない時には、オーディブルを倍速再生にして45分のタイマーをセットしている。

 現在聴いているのは夏目漱石名作集で、無料お試し体験のワンコインで130時間超の音声とコスパは段違いだ。

 解釈の余地が複数ある作品揃いだから、ちゃんと聴くと近代人の価値観やエゴを知ることができて生き方のヒントにもなるし、流して聴いていれば、脳の処理が追いつかず私は45分以内に寝付ける。

 眠れなければ耳で勉強、不眠が改善されれば儲け物と、どちらに転んでも寝付けずに時間を無駄にした罪悪感からは逃れられるだろう。

 また、2021年にはウェイトブランケットを導入した。適度な重圧で包み込まれるような安心感が得られ、深く眠れるようになっている気がする。

 このように、ひとつひとつの取り組みは細かいが、その積み重ねにより長時間ぐっすり眠ることにつながる。だから、自分のために寝ることに全力を尽くすことが大事なのだ。どれかひとつでも参考になれば、記した意味が感じられて有難い限りである。


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