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息づかい
[はじめに]
当記事のオチは以下の流れとなります。
……みたいなね!状況なのよ!!
来週月曜から新しく赴任してきた上司とわちゃわちゃしなきゃいけないの!! あまり知らない人だけど、めっちゃ怖いらしいの。しかも怖さの方向性が体育会系らしいの。
あたし文化系(のなりそこない)!! だからワーッ!!て怒鳴られるのとか慣れてないの。坊主強制とかで躾けられてないの。
やだなあ
怖いなあ
泣いちゃう。
では、始まります。
[息づかい]
人は、乗り越えるのが大変そうな課題を前にすると、それの先延ばしを試みる。例えば、1時間ほど集中すれば何とか形になりそうなタスクを抱えていたら、ついついデッドラインの40分前ぐらいまで放置してしまう。
どう考えたって、最初の1時間を使ってさっさと終わらせて、余裕を持ってゆったりと締め切りを待った方が精神的に楽なのに、我々は愚行を繰り返す。準備をしても・しなくても危機は迫ってくるのだから、どうせなら焦らなくて済むスタイルの方が絶対良いのにね。
もしや、不吉な何かを期待しているのか?
直前になって、空からいきなり隕石がドカドカ降ってきて、世界が滅んじゃうのを待っているのかも。「皆が死んじまえば嫌な予定も全部パーだぜ!!」なんてね。
共感できる人は少なくないと思う。(そんなあなたは真面目系クズ寄りの性格だろう)
こういった悪癖は、自身が未熟だから・若いから改められないのかなぁ?と日頃思っていたが、ある日手にした本で、古代の哲学者であるセネカも似たようなことを言っていた。
先延ばしは、人生最大の損失なのだ。先延ばしは、次から次に日々を奪い去っていく・それは、未来を担保にして、今この時を奪い去るのだ。
つまり、これはここ最近の問題ではない。ゆ○り世代とか、そういう問題じゃないのだ。つまり、有史以来人類は皆そんなもんなのだろう。だから、呑気な私のことをちょっとは許してほしい。
けれど、これからの社会人生活はそうはいかない。私が見習うべき人間とは、常に気を抜かない・気づかいの人なのだそうだ。それを実践している我が社の偉い人は、"怖い・厳しい人間だ"といった評判もあるが、"いい人だ"という声ももちろんたくさん聞く。どちらも正解だろう。厳格さと公正さは仲良しだし。
いわく、"宴会で偉い人のクラスが空いていたら、すぐさまお酒を注ぐ"、"タバコ休憩にいきたそうな雰囲気を察知して率先して提案する"などと、"人として当たり前"のことを当たり前にできることが大切なのだと云う。それこそがしっかりした人、気づかいのできる人と。
しかし、当たり前、当たり前(COWCOWじゃないよ)とは言うが、現実問題これがなかなか難しい。なぜなら実際のところは"人として当たり前"と言うフレーズの文頭には括弧書きで注釈が必要だからだ。
(日本国内で会社員として従事している)とか、(建設業界において得意先へ接待をする)とかね(※私は建材のメーカーで働いているから)。こういったマナー的なものが、年上から気に入られるために大切なことであるのは間違いないし、それが我々個人の評価に結びつき、成果を上げる近道かもしれない。ただ間違っても“人として当たり前のこと”ではないので自然に身につくことはあり得ないのだ。
そう、こういうのは“常識”ではなく"技術"の領分なのだ。この問題は、面接や記述問題ではなくて、マークシート式の選択問題に似ている。「こういうシチュエーションが来たら、このマナーで返す」って感じの暗記問題に近い。
私もある程度は(怒られながら)身に付いてきたが、粗相をするときはしてしまうのだ。ちょっとぐらい見逃してくれたっていいだろう。
……と主張したいところだが、もう今の立場では「この仕事を4年もやっているんだからできて当たり前だろう💢」みたいに言われるのがオチだ。
でもさぁ、考えてみてくれよ。
せっかくだから私の心情に共感してもらうために、例え話をしてみようかな。
あなたがもし私だとする。
(28歳、男性、身長170cm(本当は168cm)、体重60kg、平社員)
あなたは上司から「とある厄介なユーザーからのクレームを収めてこい」と命じられる。そのクレームの内容は、ユーザーへ納品された品質に満足がいかないこと。そしてユーザーは無償での返品や交換を求めている。としよう。
あなた個人の心情としては返品や交換をしてあげてもいいと考えている。あまりに質の悪い商品が納品されており、それに代金を払わせるのは申し訳ないと同情している。しかし会社の意向的には断固NO。なぜならカタログの下部に品質の誤差と許容範囲についての記載があり、ノークレームノーリターンを条件に販売していることが明言されているからだ。
こんなシチュエーションで考えてみよう。ありがちな案件だが、なかなかしんどそうだ。
あなたはユーザーに対し、なかなか理不尽な要求を通すことになるが、会社の意向を汲み、どうにか1円も負担をせずに封殺しなくてはならない。そして、申立てを行なっている相手は、おばちゃんたった1人だから「度胸があれば何とか丸めこめるだろう。お前男だろ?負けんじゃねえ」との発破もかけられた。
男だろ?とか煽られたって、
相手がおばさん1人だけだと言われたって
……
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それが伊藤薫だったらどうにもならないだろう!!
さっさと謝罪して「返品でも交換でもなんでもします!いや!!!!させてください!!」とひたすらへりくだるしかない。相手を論破しよう、言葉巧みに丸め込もう、なんて発想は君の頭から霧散してしまうはずだ。まずその場を生きて出ることが最優先事項となる。
そう、勝てるわけがないのだ。戦力差がありすぎる人間同士の闘争は成立しない。攻防というものが行われない故に、勝負たり得ないからだ。しかも今時”男だから女より強い”なんて価値観自体がナンセンスだ!脳みそが埃かぶってる!
つまり……
そう、君は逃げるはずだ。
間違いない。
これまでの実績も、プライドも、積み上げてきた全てを投げ捨ててでも逃走する。死に物狂いで1%でも生存の高い方法を求めるに決まっている。伊藤薫と戦わずに済むのならば命乞いでも焼き土下座でも何でもするだろう。
……みたいなね!状況なのよ!!
来週月曜から新しく赴任してきた上司とわちゃわちゃしなきゃいけないの!! あまり知らない人だけど、めっちゃ怖いらしいの。しかも怖さの方向性が体育会系らしいの。
あたし文化系(のなりそこない)!! だからワーッ!!て怒鳴られるのとか慣れてないの。坊主強制とかで躾けられてないの。
やだなあ
怖いなあ
泣いちゃう。