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それでも僕らはわざわざ訊く

 ハエ(fly)ある我が社は基本土曜日も午前だけは事務所を開けている。

 営業や受注活動をしているわけではないが、得意先や現場の人が製品を引き取れるように誰か1人当番が出勤しているのだ。ハエ我がでは“休日当番”なんて呼んだりもする。「なんで休みにわざわざ仕事なんかせなアカンねん💢」とムカつくが、手当が出るのでまぁ皆受け入れている。

 この仕組みはむかーし昔から続いているはずだ。私の勤務しているこの拠点ができて以来、そうであるはず。約20年近くだ。

 それなのに毎週金曜日になると電話が何件か掛かってくる。

 「あのーすみません。〇〇(ハエ我が)って土曜はやってるんですか?」

 「〇〇ってさあ?土曜はどうなん?空いてる?」

 「ええ〜?なんで午前しかやってねえの?」

 、、、っておい!!!


 何年付き合ってると思ってんだよ!!!

 電話で聞いてくるどの会社も15年以上は付き合いのある会社だ。毎週毎週土曜日に商品を取りにきたり、電話をしたりしてるのに、未だに我が社の土曜の勤務形態を知らないようだ。

 知る気がない。規則性が存在することを理解していない。

 あーなんて無駄な時間、無駄なやりとり、無駄な神経なんだ。電話がかかってくるだけでドキドキするタチなのでそれだけでHPが減る。“どくどく”を受けたような気持ちなのだ。

 今日もかかってきた、土曜じゃねえか!!

 出勤してるから今この電話に出てんだよ!


 とはいえね、とはいえね。(ばいざうぇい)

 よく考えたら私も長く続いてる得意先の勤務形態を知らない。うちの商品を1番よく買ってくれている得意先が何時から開いてるかなんて知らないんだ、よく考えたら。過去に電話で聞いたことあるはずなのに。

 それにね、電話かけてくる人は実際には取り行かない人たちだから(卸売方式の会社なので、実際に商品を引き取りに来るのは運送会社や職人なのだ)、「〇〇で材料を受け取っておいて〜」と依頼して空振りさせるわけにはいかないんだろう。

 もしかしたらたまたまウチが休みかもしれないし。毎週やってるように見えて実は不定期かも知れないしね。

 うん、そうだね。むかつくけど気持ちはわからなくもないよ。あー寛容寛容。

 寛容が肝要。

 寛容って言う続けると羊羹が出てくるね。

 (これがオチです。笑ってね)


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