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 今世界的に人口の都市部への集中が問題となっている。住宅、交通機関、エネルギー供給、災害対応そして老朽化する各種インフラ等、過密化した都市で起こる様々な課題の解決は喫緊の問題。日本でもコロナ禍で露呈した。

 そうした解決策の一つに「スマートシティ」がある。先進国ではまず老朽化する都市インフラ、そして日本同様に急速に進む高齢化問題を解決する。

 一方の新興国では仕事を求めて農村部から、流入が続く人口の増加問題。電力・通信網のネットワークで得られるデータの最適化から解決へと導く。

 国連が提唱するSDGsの実現。そこに住みたい街、ずっと住んでいたい

 その持続可能性が鍵となるということ。

 実際、2000年代に入って形づくられてきたスマートシティの概念も、各々の項目を見ると進化は続けてきていて、総論のエネルギーや環境共生だけではなく、健康福祉、産業創造まで「SDGs」の実現を目指す。

 日本でも立候補した一部の都市でそれぞれ違うテーマに沿っての実証実験とその検証が進むが、途上国を含む外国のスピード感に比べ進展は遅い。

 日本で最も有名な街と思われる「柏の葉スマートシティ」はニュータウンの建設に合わせて、このスマートシティを国家的なプロジェクトに昇華。

老朽したインフラを更新しなくては

 高松市でも「スマートシティたかまつ」プロジェクトの推進を柱に、スマートシティ構想が動き始めている。産官学連携の推進協議会が平成29年10月に設立され、データの利活用などからスタート。

   防災、観光、福祉、交通の分野での推進に続き、昨年度は構築された共通プラットフォームを、実際に産学民官の多用な主体が自由に利活用でき、市民向けのポータルサイトとして、市民レベルの利用を想定した実証実験

オープンデータを実査に活用して

地域の諸問題を解決出来るICT人材の育成と交流を促す講座なども開設。昨年5月には国土交通省のスマートシティモデル事業において、重点事業化促進プロジェクトの23事業の一つに選ばれ、早期の事業実施を目指している。

 課題となっていた路線バスの利用促進に向け、ことでんバスなどと組んでバスロケーションシステムの整備に取り組んだり、合併により抱えることになった多くの公共施設の最適なマネジメントを実現していく。

 せっかく造ったシステムを民間レベルで利活用が自由に出来ないと、スマートシティへの挑戦は中途半端なままで終わってしまいかねない。 
 その上で高松市が抱える諸問題にどう立ち向かい、解決を図ることが出来たか迄がスマートシティの根幹であると考える。

会津若松市に集積する先端企業とは

 今大手企業がこぞって進出をしている東北の地方都市がある。

 福島県会津若松市。その象徴的なICTビル「AiCT(アイクト)」が、昨春オープンした。収納する人数は約500名。多くは首都圏からここにやってくるとなれば、転入人口の上乗せにもつながる。

 もちろんそうした趣旨のビルを造ったからといって、すぐに企業誘致が出来たという単純な話ではない。

 このビルのキャパの約半分を占める

世界的コンサル会社のアクセンチュア

が、東日本大震災の後に原発の風評被害を受けた会津若松の産業振興や、復興計画を側面支援するために進出。

 その後は幅の広い領域を国内外の企業や地元の自治体などと協力をしながら、事業を進めていた。

 今回の新ビル誕生に合わせて移転してきた同社ではすでに札幌、福岡、熊本といった地方展開を積極的に進めていて、会津若松は先端テクノロジーの異なる領域ごとに役割を与えられているという。

先端技術の実証フィールドと位置づけ

 こうした取組の背景に見えるのは、人材獲得と産学官連携の実証実験を強化すること。会津若松市には公立の会津大学というICT人材の育成に特化した大学があればこそのなせる技でもあった。他の展開都市とは一回り小さな町が目指す姿に明日の日本の未来が見えてくるかもしれない。

   

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