スクワットで”膝を出すな”は間違っている
トレーニングの王道とも言えるスクワット。
下半身の強化や姿勢の改善のために、自重でのトレーニングでスクワットを行う方は非常に多いのではないでしょうか。
しかしお客様にスクワットの指導を行うと正しくフォームが作れない、動作を行えないという方が多くいらっしゃいます。
その原因はフィットネスクラブや病院でスクワットの指導を受けると、ほとんどの場合で膝をつま先よりも前に出さないようにと説明を受けているケースが多く聞かれます。
確かに膝を痛めると、この方がいい場合もあるのですが、実際には膝がつま先よりも前に出ても問題はありません。
膝がつま先よりも前に出ないようにして膝を曲げていくと、踵重心となってしまい上半身が前に倒れてしまいます。
これはスクワットと言うよりもどちらかというとデッドリフトという種目に近いフォームとなってしまい、狙いたい効果や目的が変わってしまいます。
スクワットで鍛えたい部分
膝周りの強化のためにスクワットを行う場合は狙いは太ももの前側にある大腿四頭筋やお尻にある大臀筋です。そのためには膝や股関節の曲げ伸ばし動作をしなければいけません。
膝が前に出ないようにして動作を行うと、膝の曲げ伸ばし動作はかなり制限されてしまい、股関節の動きばかりになってしまうのです。
もちろん股関節をしっかりと使うことは重要なのですが膝関節も同様にしっかりとコントロールして行ってあげなければ日常生活で膝をうまく使うことができなくなり逆に膝を痛めてしまう原因にもなってしまいます。
もちろん痛みが強い場合には、無理に膝を前に出す必要はありません。あくまで股関節、膝関節を同時にコントロールしながら無理のない範囲で行うことが重要なのです。
膝に負担がかかるスクワット
では、フィットネスクラブや病院のリハビリなどで禁止されている膝がつま先よりも前に出てしまうスクワットとはどういったフォームなのでしょうか。
上半身が直立したまま、股関節をうまく使えずに膝だけ前に出してしまうスクワット。
確かにこのフォームは膝に負担がかかってしまうのでフィットネスクラブや病院で言われている通り、やらない方がいいです。
上半身が直立になっていることで、重心のある位置から膝が遠くなってしまうので、太ももの前側にある大腿四頭筋にかかる負荷がかなり強くなってしまい筋力がない方が行ってしまうと膝に負担がかかりやすくなってしまいます。
膝に負担がかからないスクワット
では、膝に負担がかからないで膝が前に出てもいいフォームとはどのようなものでしょうか。
上半身が前に倒れて、重心が足裏の真ん中のあたりにあるフォーム。これでしたら、膝がつま先よりも前に出てもあまり負担にはなりません。
フォームの理想としては、膝と股関節を曲げてきたときにスネの角度と体幹部の角度が平行になっていると動作がスムーズに行えます。
このフォームですと、太ももの前側の筋肉と太ももの裏側の筋肉のテンションが均等になり膝に負担がかかりにくくなります。足の裏全体に体重も乗り、足の指も踏ん張りやすくなるので、フォームが安定します。
膝の位置を意識するよりも、まずは自分の重心位置を確認しながら股関節と膝関節を同時に曲げるようにスクワットをしていくのがいいのではないでしょうか。
母指球のラインに重心がくるように足で踏ん張りながら上半身を倒していくと、自然と膝の位置はつま先よりも前の位置に入ってきます。このように自然と膝が動いていく位置が理想です。
スクワットは簡単なようで意外と正しくやると意外と難しかったりします。一人でフォームをチェックするのは難しい、イマイチわからないという人は変な癖がつく前に必ずトレーナーにチェックしてもらいましょう。