「寄付」も"Invest"だとすると…
私は、沢山の会社の株式「を」、投資信託を介してInvestしています。
どうでしょうか、何か違和感ありますか?
一般的には
私は、沢山の会社の株式「に」、投資信託を介して投資しています。
という表現の方がしっくりくるのではないでしょうか。
「・・・を投資する」ではなくて「・・・に投資する」がフツーですよね。
しかし、私は意図して「を」を使い、「投資」ではなく「invest」を使おうとしています。
そのきっかけになった出逢い、というか、発見です。
• 「invest」……身につけるイメージ
• 「投資」……手放すイメージ
「invest」の語源です。
investの意味は「投資する」で、語源はin(中)とvestire(服を着る)に由来します。原義はラテン語のinvestire(服を着せる)です。お金が株や債権などに姿を変えることが人間が服を着る様子に似ていることから、投資するという意味に派生しました。
https://eng-etymo.com/archives/940
「投資する」だと、なんだか「後はよろしく!」という語感が出てしまうのが個人的にしっくり来ないな、と思うんです。一方、「invest」だと、保有する、持っている、身に着けている、ということで対象との関係が、少し感じられるように思うのです。保有する、持っている、ということであれば、そこで使う助詞は「に」ではなく、「を」だろう。そんな風に考えています。
ただ、英語では invest money in ~ となるようで、お金を~にinvest(投資する)と表現されるようで、私のこの捉え方 ― invest AAA company through BBB fund ―は英語では誤用になるものと思われます。
さて、先日、こんなノートをつくりました。
「寄付」とは「投資」だ、間違いない!
と主張したのですが、「寄付」は「invest」なのかどうか、といったことをちょっと考えてみました。色んな考え方があると思います。「後はよろしく!」という考えでの「寄付」も、もちろんアリだと思いますし、一方で、寄付先の団体がつくりだす価値の関係者でありたい、という考えの「寄付」も、もちろんあることでしょう。「寄付」にも色々ある。株式投資にも「しっかりリターンをお願いね、後はよろしく!」という投資家もいるわけでそこは変わりませんね。
それに関連して考えたのは、寄付を受けた団体側にとって、その寄付されたお金はフロー(売上的)なのか、ストック(資本的)なのか、ということです。つまり、「関係者でありたい」という想いのある寄付にはストックとしての要素が大きく、「頑張って、後はよろしく!」という想いはフローとしての要素が大きいのでは、と。最初はフローな関係が、時間をかけてストックな関係に変化していくこともあるんでしょう。
と、いろいろつらつらと考えていると、寄付した人が関係者の一人だと自覚できるような表章があると面白かもしれないなあ、と想像しました。たとえば、ある団体に寄付すると、それまでその団体が寄付として集めたお金の総額のうち、あなたのシェアは何パーセントです、的なモノです。そのシェアの多寡ではなく、ゼロではないということがその関係性を示したりするように感じられたりするんじゃないか、と。そのシェアが定期的に分かったりすると、ちょっと希薄化しているので追加の寄付をしようか、でも、実際、どんな活動をしてどんな価値をつくりだしたのだろうか知りたいな、みたいなことが起きたりしないかなあ、と想像しました。NPO個々でこんなことに資源を投じることは難しいでしょうし、そもそも適当ではないと思います。ただ、寄付の裾野を広げる、関係を強くするための助けになる可能性があるような気がしています。
私自身、何か結論にたどり着いているわけではないのですが、こんなことを最近考えていたので書き留めておきます。