【投資は“よりよい明日”のための手段】 #コモンズ投信
#コモンズ投信 さんのメルマガ、最新号のタイトルが
投資は“よりよい明日”のための手段
でした。
その本文から、です。
“老後資産2000万円(が必要)”と試算した金融庁の報告書が、年金制度への不安を煽るものとして報告書そのものがなかったものにされ、かつ“投資は足りない年金の穴埋めのためにしなければならないもの”と受け止められているとしたらそれはとても残念に思います。将来が不安だから、この先に希望が持てないから、といってせっせとお金を貯めこみ、投資もただお金を増やすための手段としか見ることができなくなる。これはとてももったいないことだと思います。
(略)
「投資って応援することなんだ」
「成長するものにお金を投じれば、それが社会をより良くすることにもつながるし、私にもしっかり還元される。私はそのお金で世界を旅していろんなことを学びたい」
投資が、こんなふうに一人一人のこどもたちの未来を支え、彩り豊かな人生の“手段”になってほしいと考えています。
「そう!その通り!」と感じました。
今回の騒ぎに対するリアクションをSNS等で眺めていると、「節約しなきゃ」「貯金しなきゃ」という反応が目立つように感じます。報告書が #つみたてNISA や #iDeCo の存在を紹介しても、そこは鮮やかなスルー。
結局のところ、株式投資に対するネガティブなイメージ、偏見が根深く蔓延っているため、これらの制度を拒絶する人の方が多数になってしまっているのだと想像します。
結果、「貯蓄から投資(資産形成)へ」ではなく、「節約して、もっと貯蓄を」への流れを強めてしまったのかもしれません。
なぜここまで株式投資が嫌われるのか、誤解されるのか、偏見の対象になっているのか、そこにもっと真正面から向き合うべきではないか、とあらためて強く感じました。
https://note.mu/renny/n/n847f40f5e8e4
先日のこのノートに貼り付けたこのグラフ。
米英と大きな差が付いてしまった、言葉を選ばずに云えば、(相対的に)貧しくなってきた(豊かになれていない、と言うべきか)理由の一つは、富をどのように配分するかの差だったことをこのグラフは示していると思います。
富をどのように配分するか=キャピタルアロケーション
このキャピタルアロケーションを何とかしたい、というのは金融庁の思惑の一つであることは間違いないのですが、将来の「不安」では逆効果になる可能性が高い、ということを今回あらためて実証してみせた、という気がしてなりません。
農林中金バリューインベストメンツ #NVIC の #奥野一成さん は『京都企業が世界を変える 企業価値創造と株式投資』の中で、次のように述べられています。
私は、経営者の機能を①キャピタルアロケーション(=どの事業に資源を配分するのか)と②ビジネスマネジメント(=選択した事業を適切に運営する)に分けることができると考えている。どちらも重要であることはいうまでもないことだが、現在のように変化のスピードが速い経営環境において、長期的な記号の姿を決定づけるのは、キャピタルアロケーション能力ではないだろうか。
第8章 長期投資の意義と実践 257頁
これは個々の企業のみならず、社会全体にも当てはまるように思います。今の日本を見ていると、(以前は強かったはず?の)ビジネスマネジメントも平均的な目線で行くとかなりグダグダになりつつあるような感もありますが、より重要なキャピタルアロケーションは、ずっーとグダグダ、このままではさらにグダグダになってしまう、結果、日本社会はさらに貧しくなってしまうのでは、と思われるのです。
株式投資をドンドンやろうぜ!と言いたいのではありません。
株式投資を正しく理解しよう!
ということです。しっかりと理解したうえで「評価減は絶対にイヤ!損をしたくない!」「(理解はしたが)やっぱり、株式投資なんてギャンブルとしか思えない!」という考えから貯金に励むことは已むを得ないことです。さすがに諦めます(笑)。
ただ、貯金というのはお金を実質的に動かさない、価値を生まないままに取っておく、価値を生みだそうという挑戦そのものを避けることになるわけですから、その決断、「挑戦しない」という決断が、もたらす将来の結果は受け入れる覚悟が必要だと思います。リスクを引き受けるからこそリターンも得られるわけで、リスクを引き受けないのであればリターンはやってきませんからね。
https://note.mu/renny/n/n927c414471ac
先日、ご紹介したこちらのイベントは「株式投資を正しく理解する」ための素晴らしい機会でした。こうした機会こそ、株式相場の状況にかかわらず、ドンドンふやしていく、各地で設け続けるべきものだと強く感じました。
制度の中身、そこでどんな金融商品を選ぶか、それは確かに大事です。ただ、それはサッカーに喩えれば、キックの技術であったり、スパイクの種類であったり、です。サッカーのルールではないのです。どうなったら得点になるのか、オフサイドって何、ファウルは?、カードって?ということを正しく理解していない人たちに、キックの技術やスパイクの種類を伝えても、サッカーを長く続けられるでしょうか。
投資は“よりよい明日”のための手段 は、サッカーの比喩で言えば、ルールに当たる捉え方だと、私は思います。
なぜ株式投資が嫌われるのか、誤解されるのか、偏見の対象になっているのか、そこにもっと真正面から向き合わなければ、これを遅らせれば遅らせるほど、ますます貧しくなり、不安が増え続けることにつながっていくことを懸念します。
株式投資を正しく理解しよう!
これからもアピールし続けていくつもりです。