バルーンアートの修業
今から9年近く前、2011年の初冬に僕のバルーンアートの師匠である風船芸人松下笑一さんに弟子入りをした。
弟子にしてくださいという仰々しい言い方ではなく、バルーンアートを教えてください、という言い方だった。
でもその時点で僕は弟子入りという思いを持っていたし、相応の覚悟も持っていたつもりであった。
20代後半にして、30歳で芸人を辞めようと考えていたあの頃。
ただ漠然と辞めようと思っていたわけではない。
自分の才能の限界に気づくほど、大きな舞台も経験していなかった。
ただ、芸