【前半】はま寿司26種58貫 イタリア白ワイン王道ソアーヴェ2種
決して川口春奈のスマイルに釣られたわけではない。
ものは試しにと、初めてはま寿司を試してみた。いつも通りテイクアウトして自宅でワインに合わせる。
セットメニューもあったがアラカルトで。気になったものをオーダーしていくと注文完了の表示には以下の通り26種58貫。4,000円いかなかったがものすごいボリュームに。大人2人、子供2人では食べきれなかった。素晴らしきコスパ。
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大振り姿やりいか×1皿(1貫) = 108円
秋田県産炭焼き天然ぶり×1皿(1貫) = 108円
塩釜水揚げ金目鯛×1皿(1貫) = 162円
真あじ×1皿(2貫) = 162円
炙りのどぐろ×1皿(2貫) = 162円
まぐろ×1皿(2貫) = 108円
まぐろ三種盛り×1皿(3貫) = 162円
サーモン×1皿(2貫) = 108円
サーモンアボカド×1皿(2貫) = 162円
サーモン三種盛り×1皿(3貫) = 162円
えび×1皿(2貫) = 108円
甘えび×1皿(2貫) = 108円
生えび×1皿(2貫) = 108円
えび三種盛り×1皿(3貫) = 162円
合鴨オニオン×1皿(2貫) = 108円
大判ローストビーフ×1皿(2貫) = 162円
活〆はまち×1皿(2貫) = 130円
真だこ×1皿(2貫) = 130円
いか三種盛り×1皿(3貫) = 162円
ほたて(北海道・青森県産)×1皿(1貫) = 162円
炙りしめさば×1皿(2貫) = 108円
ゆず塩煮あなご×1皿(2貫) = 108円
炙りえんがわ×1皿(2貫) = 162円
炙りうなぎ×1皿(2貫) = 162円
納豆巻(ねぎなし)×1皿(4貫) = 108円
いなり(ごま入り)×3皿(6貫) = 324円
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合計金額(税込):3,714円
元気に自転車でピックアップに行ったが、パッケージが前カゴに入らない大きさで、帰りの運転は少々心許なかった。向かいから人とすれ違う際によけ、電柱やらに2度ほど袋をこすってしまった。きっと事前に伝えれば小さいパックで数段に積み上げてくれるのかな。
さて、自宅に戻り開けてみる。どのネタも水分をしっかりと保っていて見た目がフレッシュ。パッケージには多少の振動と衝撃が伝わったはずだが、ほとんどへたっていない。シャリがしっかりと握られている。コスパの良さで第一印象は◎だったが、さらに現物を見てますます気に入った。決して川口春奈のおかげではない(念のため)。
今回は満を持してシーフードに好相性のソアーヴェに。三大ソアーヴェのうち、タイミングよく二つ(イナマ、ジーニ)がセラーに。せっかくなので両方をお寿司に合わせる。
え、ソアーヴェってなに?かいつまんで説明すると、イタリア北東部、ヴェネト州(州都ヴェネツィア)のソアーヴェ地区で、ガルガーネガ品種という土着ブドウを主体に造られる軽快なワイン。さらに言うと、ソアーヴェにも平野部を産地とするソアーヴェDOCと、丘陵地帯で造られるソアーヴェ・クラシコDOCがあり、今回合わせたのはソアーヴェ・クラシコDOC。ソアーヴェ・クラシコは良質な土壌からのミネラル感を伴い、熟成にも耐えうる。風味豊かで余韻も長い。
さて、食事用ハサミで寿司を真っ二つに切っておき、2種のワインに合わせるスタンバイ。
今回は前半戦。以下のネタとワインの相性についてみていく。
・炙りえんがわ
・大振り姿やりいか
・秋田県産炭焼き天然ぶり
・塩釜水揚げ金目鯛
・真あじ
・真だこ
・活〆はまち
・ほたて(北海道・青森県産)
・炙りうなぎ
まずはワインをひと口。
ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,
イタリア白ワインの代名詞、ソアーヴェの代表的造り手「ピエロパン」、「イナマ」と共に「三大ソアーヴェ」と称えられえる「ジーニ」は、1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。丘陵地帯で栽培された平均樹齢60年以上のガルガーネガ品種100%使用。最低6ヶ月のシュールリー、ノンフィルターで瓶詰め。火山岩土壌主体、数ヶ所の畑は石灰質土壌。
香りは軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花。微かに潮の香りや干しワラやハーブのニュアンスも入りバランスよくきれいにまとまって上品なフレーバー。
味わいは瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品、中盤から余韻に塩味のニュアンスや硬質でスーッと冷ややかなミネラルのほろ苦さもあり、ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。
イナマ, ヴィン・ソアーヴェ, ソアーヴェ クラシコ, 2021, 12%, 2,134 円
Inama, Vin Soave Soave Classico, 2021
すべて手摘みで収穫。破砕してから4〜8時間果皮と果汁を接触。醸造はステンレスタンクのみを使用。
香りにはパイナップルなどのトロピカルな香りが軽快ながらトップに明瞭に。リンゴジャム、白桃も。グラスを回すと微かにほしわらやハーバルなニュアンス。アカシア。表現力豊か。トロピカルなフルーティさのメリハリはスクリューキャップも手伝ってか。
味わいはほんのりとまったりした質感で舌への馴染み方が心地良い。みずみずしく当たり、中盤からしなやかでハリのあるミネラル。酸味は中庸、ドライなフィニッシュ。
さて、それぞれのお寿司に合わせていく。
炙りえんがわに。
このネタはときどき生臭さを帯びたものがあるので、炙ったものを注文してみた。噛むとじゅわっと脂が広がり、大きめの大葉が余韻をさっぱりとさせる。
ワインのほのかなトロピカルなニュアンスは脂によく同調、爽やかな柑橘とミネラル感やほろ苦さは脂を心地よく引き締めてリフレッシュ。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆
大振り姿やりいかに。
イカの上品で繊細な甘みは極上。軽快でミネラル感やほろ苦さを伴うソアーヴェはイカの甘みに最高のパートナー。
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ。相性: ★★★★☆
秋田県産炭焼き天然ぶりに。
ブリはリッチで少しワイルドな磯の香りを含む脂、フレーバー豊かな血合いの部分と、性格の異なる部位をもつ。ソアーヴェの軽快で爽やかな果実味とほろ苦さはどちらかというと脂へのシンクロ率が高いが、血合いに合わせても臭みは立たず懐広し。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆
塩釜水揚げ金目鯛に。
皮目のリッチなフレーバー、キュッとしまった身からは噛めば噛むほどジンワリと広がる脂。キンメダイの風味ボリュームにはワインのボリュームがもう一段大きい方が合いそうだが、もちろんソアーヴェの懐の広さのカバー範囲。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆
真あじに 。
大衆青魚の代表的ポジション。ソアーヴェの含む微かなトロピカルなニュアンスの出方が相性へのポイント。ジーニはトロピカルなニュアンスを伴うもワインに統合されていて自然と生姜に繋がる。ワインのミネラル感、ほろ苦さは青魚特有の磯の香りまで絶妙にカバー。イナマはトロピカルなニュアンスにメリハリが効いている分、青魚特有の磯の香りへの踏み込みが弱い。ケンカはしないがもう一歩。
ジーニ。相性: ★★★★☆
イナマ 。相性: ★★★☆☆
真だこに。
歯ごたえのある身を噛んでいくと広がる磯の香りとタコの旨味。アゴが疲れを感じ始めるやいなやソアーヴェの癒しを。もう少し潮香や塩気のあるワインの方がタコの風味への踏み込みも強そうか。それでも懐広いソアーヴェはきっちりカバー。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆
活〆はまちに。
ハマチのやや強い磯の香りを含む脂に、トロピカルなニュアンスが統合されたジーニは静かにシンクロ。トロピカルにメリハリのあるイナマは微かな反発を見せる。ケンカするほどではないが。
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★☆☆
ほたてに。
トロピカルなニュアンスにメリハリの効いたイナマが、ホタテのクリーミーでリッチな風味に高いシンクロ!
ジーニ。相性: ★★★☆☆
イナマ。相性: ★★★★☆
同じソアーヴェでも個性の違いが楽しい。2種のソアーヴェはそれぞれのネタにほぼ同レベルの相性を見せたが、違いが表れたのは真あじとホタテ。ジーニはトロピカルなニュアンスがワインに馴染んでいる分、青魚特有の磯の香りにも踏み込める。逆にイナマはトロピカルなニュアンスにメリハリがあり、ホタテのクリーミーでリッチな風味にシンクロ。
同じ生産者でも生産年によっても味わいに違いは出てくるだろうが、私の感じた2021年産の違いはこんな感じ。感じ方は人それぞれ、思い思いに楽しもう。
残りの寿司ネタは後半戦に続く。
ちなみに最近、銀のさら、つきじ海賓、くら寿司のテイクアウト、デリバリーしてワインに合わせたなかでの好相性は以下。ご参考まで。