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牡蠣グラタン ローラン・ペリエのブドウの風味の充実感とミネラルに

先日の誕生日は自宅で家族に祝ってもらった。妻の料理はシーフードがサーモンの刺身にレモンオイル、牡蠣グラタン、ブイヤベース。加えてローストビーフ、デザートにはケーキも用意されていた。

サーモンの刺身の味付けには海外でフランス系スーパーマーケットのカルフールで購入したレモンオイルとピンクペッパーを。

スプレー缶入りのレモンオイルは噴霧して食材に満遍なくいきわたる。ガス入りではないのでスーツケースに入れて持ち帰られる。

牡蠣グラタンにはたっぷりの牡蠣がゴロゴロと。シーズンに食いだめしておこうと牡蠣はグラタンで最近数度、食卓にのぼった。

ブイヤベースにはムール貝、イカ、タラ、サーモンを贅沢に使う誕生日仕様だ。

普段飲みのスパークリングワインはイタリアのスプマンテやプロセッコ、スペインのカヴァだが、今晩はお気に入りのシャンパンを開ける。1812年創業のローラン・ペリエ。2011年、ウィリアム王子とキャサリンさんの結婚式の夜、バッキンガム宮殿での晩餐会でローラン・ペリエが招待客に振る舞われた。フレッシュ、エレガント、バランスに優れるシャンパンだ。王子の話の後で甚だ恐縮だが、私がパリで結婚式を挙げた際、宿泊していたホテルでドレスを着て写真撮影した後に部屋に戻ると、ホテルから差し入れとしてアイスバケットに入っていたのがローラン・ペリエだった(粋な計らいに心躍り、不慣れなチップがはずんでしまった)。ちなみに昨年は誕生日直前まで長期の出張が入っていたので、自分へのお疲れさまの意味も込めてローラン・ペリエのプレステージシャンパン、グラン・シエクルを飲んだ。節目にはローラン・ペリエに横にいてもらいたい。

シャンパンに続き、白ワインは最近マイブームのヴェルメンティーノ品種のイタリアワイン、赤ワインは同じくイタリアのアマローネを。赤ワインは肉料理と食後のデザートに合わせた。
実は生まれ年のボルドーの赤ワインも購入して届いていたが、熟成酒は搬送後にしばらく落ち着かせる必要があるのでしばしお預けとした。2週間ほどの静置期間を加味して前もって注文しておくべきだったが、少々高い買い物にためらっているうちに誕生日の直前になってしまっていた。歳を重ねてもう少し大胆になりたいものだ。

ローラン・ペリエ, ラ・キュベ, シャンパーニュ, フランス, 8,195円
Laurent Perrier, Champagne, La Cuvée, Brut, 12%,

ブドウはシャルドネ50-55% ピノ・ノワール 30-35% ピノ・ムニエ 15-20%。48ヵ月間わたって熟成(シャンパーニュの最低熟成期間15ヶ月間の3倍以上!)。
香りにはやや厚みのあるリンゴのコンポート、リンゴジャム、シナモンの華やかなスパイス香、ヘーゼルナッツ、ブリオッシュの芳ばしい香りと複雑で奥行き、バニラのように甘美な芳香が艶っぽい。
風味にはリッチで厚みのある果実味、こぎみよい酸味、舌に残るフェノリックなタッチは黒ブドウの恵み、ヨードのようなミネラルのニュアンスに富むのが明確な個性。
サーモンのレモンオイルに。シャンパンの泡の刺激がサーモンのリッチな脂を心地よく引き締め、また、レモンオイルは料理とワインの繋がりをさらに高める。相性: ★★★★☆
牡蠣グラタンに。ローラン・ペリエの泡とブドウの風味の充実感、ミネラルに、クリーミーなソースが絡んだ牡蠣のほろ苦みが調和。相性: ★★★★☆
ブイヤベースに。まずまずの相性だが、魚の重曹的な味わいにはローラン・ペリエのフレッシュさを感じる果実味とはやや合いづらいか。相性: ★★★☆☆

ルナエ, エチケッタ グリージャ, コッリ・ディ・ルーニ, ヴェルメンティーノ, イタリア, 2021, 2,492円
LVNAE, Colli Di Luni, DOC, Vermentino, Italy, 2021, 12.5%

微かにグリーンがかったフレッシュな明るい色調。
香りには青リンゴ、メロン、スイカズラ、ほのかにグァバ、白桃の果実香に白い花のフラワリーなフレーバーが豊かに、穏やかに混じる潮の香りがワインのフレーバーを完成させる。
風味にはみずみずしいピュアな青リンゴジュースを思わせる清々しくハリのある果実味、酸味は中庸からやや穏やか、余韻にほのかに舌にフェノリックなタッチとほろ苦さが心地よい。
サーモンのレモンオイルに。ワインの柑橘と上品な塩味に。相性: ★★★★☆
牡蠣グラタンに。上品なバランスの柑橘、塩味、酸味にクリーミーになった牡蠣が絶妙に調和。相性: ★★★★☆
ブイヤベースに。ブイヤベースの魚介の旨味と深みに、ワインの上品でまっすぐなハリのある果実味が重なり合いづらいか。相性: ★★★☆☆
締めにブイヤベースにパスタを投入。パスタにより魚の風味のアクセントが緩和され、ワインの風味のボリュームと絶妙にバランス。魚介のパスタとの相性が良いワインだ。相性: ★★★★☆

シャンパンの余韻に浸りつつ、今年もいろいろなシーフードのワインを合わせてきたなと振り返る。今晩の牡蠣グラタンとローラン・ペリエも印象的な相性の良さだった。暫く寒さが続くので身体が温まる魚介料理との相性にも注目していきたい。

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