【海の都ヴェネツィアの果実味みずみずしいワイン】辛味オイル漬けイワシとレモンピクルスをパスタに絡めて
ちょうどいま仕事で海外に滞在中で、日本の自宅にいるように自由に魚料理とワインのペアリングを楽しむのが難しい。そもそも中東圏なので、お酒を自由に入手しづらい。
ホテルに入っているレストランやバー、またはホテルのルームサービスで飲むのが基本だが、日本のコンビニで300円ほどのバドワイザー、ハイネケンといったビールが1本1,200円ほどもする。
が、今日は週末ということで勢いに任せて、ルームサービスでハイネケンを2本頼む。喉越しを楽しむはずのビールを少量を一口含み、ゆっくりと喉に滞留させるようにして嚥下する。値段は高いが普通のハイネケンだ笑
砂漠の遺跡をうろつき心地よい疲労感と乾きも手伝って、冷えたビールが身体によく染みる。
あぁ、帰国したらグビっと勢いよくビールを飲んでやろうと思う。
さて、こちらでもスーパーマーケットに行けば生の魚も売られているが、なかなかホテルの部屋で捌いて調理というのも気が乗らない (長期滞在用のキッチン付きルームではあるが調理器具、調味料、そしてゴミ捨てなど、自分の好みやペースでやれないのだ) 。
中東にも多い大手スーパー、カルフールを歩いていると魚の缶詰が興味を惹いた。モロッコ、チュニジアなどから輸入されていて、イワシ、ツナが多い。
トマト入り、ハリッサ入り、辛みオイル漬け、など面白そうな缶詰たち。
辛みオイル漬けイワシの缶詰を使って、さっとゆでたパスタに絡め、スーパーのインド調味料コーナーで見つけたレモンピクルスを少量まぶす。
辛みとレモンの酸味に、青魚の力強い風味がパスタを通してしっかりと一体となる。辛みオイル漬けイワシ、なかなか使い勝手が良さそうだ。
合わせたのはイタリアは海の都ヴェネツィアを擁するヴェネト州のワイン (ビールでは物足りずワインに進んでしまい、炭水化物摂取という酔いどれパターン・・・) 。
カナレット ピノ・グリージョ・デッレ・ヴェネツィエ
Canaletto, Pinot Grigio, Delle Venezie, DOC, Italy, 2020, 12%
洋梨、メロン、ほのかに白桃、ライムの引き締まったアクセント。グラスを回すと黄色い花のフローラルなタッチ、微かに白胡椒。外交的な果実香。
みずみずしく爽やかな果実味、酸味はやや穏やか、残糖をほのかに感じ親しみやすいワイン。
さて、辛みオイル漬けイワシ缶詰即席パスタにワインを合わせると、青魚の力強い風味にワインの果実味が刹那、反発するかに感じかけるが、レモンピクルスが素晴らしい仲介となり好ましいペアリング。酸味のアクセントはワインと料理の仲人と再認識したひとり調理、ひとりディナーだった。