粋を尽くしたうなぎ鹿児島産 ロワール シノンのドラマティックなカベルネ・フラン
今年の夏の土用の丑は7月30日(日)。今週末は鰻という方もいらっしゃるのでは。日にちを勘違いしていた私は先日、一足先に食卓に鰻の蒲焼きを。この時期、スーパーマーケット ライフに行くと魚コーナーには鰻がこれでもかと陳列されている。鹿児島県産鰻、一尾2,460円を購入。”粋を尽くしたうなぎ”というネーミング。
養殖場では日本の名水百選にも選出される鹿児島県大隅半島の霧島湧水を引き、抗生物質や合成抗菌剤を一切使用せず、無投薬で健康で立派な鰻に。割安の中国産にしようかとだいぶ悩んだが、猛暑対策、夏の滋養のためと思い切った。
自宅で鰻をトースターでさっと加熱。フカフカの身はぎゅっと味わいが詰まっていて、脂は甘美。それが甘辛のタレと想像を超えるシンクロ。山椒でそれを爽やかに締めつつ味わうもよし。粋を尽くしたうなぎは後悔させない。
さて、合わせるワイン。鰻にカベルネ・フランは王道のペアリング。鰻、カベルネ・フランで検索すると複数のサイトでオススメされている。日本ワインの魅力を発信されているShokoさんの記事では、うな重と山形県のウッディファーム&ワイナリーのカベルネ・フランとの極上マリアージュ。
最近はお寿司になるが炙りうなぎにボルドーの35年熟成酒を合わせて素晴らしい相性を楽しんだ。
今回はスペインのスパークリングワイン、カヴァのロゼと、鰻に合わせるために買ったロワール シノンの赤ワイン(カベルネ・フラン品種)に。
カベルネ・フラン品種でも生産者、生産地、ヴィンテージ・熟成年数などによって酒質は多様。それがワインの楽しみ。今回のものは少し気合いの入った酒質の強いものでタンニンもパワフル。やや鰻を圧倒してしまったが、山椒への繋がりから鰻とのシンクロは極上。まずはスペインのカヴァ ロゼから。
ボデガス・ビセンテ・ガンディア, マルケス デ チベ, カヴァ ブリュット ロゼ
Bodegas Vicente Gandia, Marqués de Chivé, Cava Brut Rose
1885年設立、約130年間バレンシアワインの生産に力を注ぐ。ガルナッチャ100%。
香りにはグレープフルーツそして強めに柑橘果皮のほろ苦い香り、茎系のヴェジェタルなスパイシーなヒント。
味わいの果実味はやや控えめ、こぎみよい酸味。トップからビターなニュアンス、鼻腔に干しわらのようなスパイシーなフレーバー。気軽な果実味に引き締まったドライな余韻。フェリシティで購入。
鰻の蒲焼きにワインを合わせる。ワインの苦味が突出していて繋がり深まらない。相性: ★★★☆☆
続いてロワール シノンのカベルネ・フランに。
ドメーヌ・ベルナール・ボードリー, シノン, ラ・クロワ・ボワゼ, ルージュ, 2017, フランス, 2017, 13%, 5,720円
Domaine Bernard Baudry. Chinon Rouge La Croix Broissee
ドメーヌのあるクラヴァン・レ・コトー村は、トゥーレーヌ地区の主要都市トゥールの西方、ヴィエンヌ川沿いに位置。30年も前にビオディナミをいち早く導入。畑では除草剤や化学肥料は一切使用せず、自家製コンポストを作って畑に撒く。100%手摘み、ステンレスタンクと、コンクリートタンクで発酵。テロワールを尊重し新樽は一切使用しない。
香りにはコンポートしたベリー果実、ドライフルーツ。ブラックペッパー、茎系のスパイシーさあり(熟度高くトゲはない)。乾いた樹皮や皮革のワイルドな香りもほんのり。大樽発酵か、おおらかな酸化的なニュアンスもありスケール。
味わいは緻密な質感、まだまだ力のあるタンニン、驚くほど長い余韻、リッチな果実味はやや枯れた酸化的なニュアンスを含み包まれるよう、余韻にはスパイシーなニュアンス、心地よい塩味と獣のようなワイルドな香りが残り最後までドラマティック。 カベルネ・フランのみでこの複雑なこの世界観の演出は劇的!フェリシティで購入。
鰻の蒲焼きに。酒質が強く、ウナギの甘美な脂をやや圧倒してしまうが、山椒を振ると両者に共通するスパイスの要素を介して圧倒的にワインとのシンクロ率が上がる。山椒なしでは、ジビエとも相性の良いローヌあたりのワインとも合わせてみたい。相性: ★★★★☆
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