サーモンのディルとピンクペッパー添え 南アのクールでリッチなシャルドネ
サーモンを厚めに切り、オリーブオイルをサラッと垂らし、ディルとピンクペッパーを添える。
ちなみにサーモンは白身魚に分類される。その身が赤く見えるのは、餌とするエビ(オキアミ)などに含まれる色素のアスタキサンチンが含まれるため。稚魚のうちは白身だが成長するにつれ身の色調が変化する。
筋繊維は強く過ぎず程よい弾力の触感、上品でトロリとするような脂、生でも焼いてもスモークしてもしっかりとその個性が活き、大根おろし、醤油、ワサビ、オリーブオイル、柑橘系ドレッシング、マヨネーズ、香草、ペッパーなど様々な風味のソース、ドレッシングとも相性の良い八方美人な魚だ。いつ登場しても安定感のある笑顔を見せてくれ、ビール、ハイボール、酎ハイ、日本酒、焼酎、ワイン、幅広い酒に調和する。チリ、北欧などからの輸入や養殖ものの恩恵もあり、手軽に年中食べられる。まさに手に届く、会いに行けるアイドル的な存在だ。
・・・、つい、サーモンに熱くなってしまった。
さてセラーに残っていたカヴァと、この日の献立のチキンのマカロニグラタンに合わせて開栓した南アのシャルドネにサーモンを合わせる。
ヴィニェードス バルモラル, エドネ キュヴェ ド マリア, スペイン, 1,419円
Vinedos Balmoral, Edone, Cuvee De Maria, , Spain, 12.5%
香りにはアプリコット、黄桃の力強い果実香に、明瞭にブリオッシュ、ほんの微かにシェリー酒、ホシワラ系のニュアンスがスパイシーな要素となり非常に複雑。
ジューシーで豊かな果実感、こぎみよい酸味、中盤以降にヨードや磯のニュアンス、ゆったりと続くほのかにビターでドライな余韻、程よい熟成感。驚愕のコストパフォーマンス。
ラステンバーグ, シャルドネ, ステランボッシュ, 南アフリカ, 2020, 13.5%, 3,218円
Rustenberg Chardonnay
香りには冷涼な酸を含むグレープフルーツ、ライム、ビターオレンジ、明瞭に樽香とほのかにロースト、ナッティなニュアンス、ほのかにタイムなどのハーバルなタッチやフラワリーな芳香も。
みずみずしくあたり非常にリッチな口当たり、飲みごたえありながら非常にシャープで涼やかな酸味、非常に長い余韻にはバタリーなタッチも含まれ充実のフィニッシュ。
5年ほど寝かせて飲んでみると果実味と樽感が溶け込んでさらに良くなりそう。
サーモンを先ずカヴァに合わせる。カヴァの力強い果実味、熟成感を伴う風味の存在感が、サーモンの繊細な脂を圧倒してしまう。喧嘩はしないがサーモンの風味を楽しむにはもったいないか。
相性: ★★★☆☆
続いて南アのシャルドネに。
ワインのフラワリーなニュアンスとほのかなハーバルなタッチにディルが継ぎ目なく繋がり、ワインの爽やかなライム系のニュアンスがサーモンの上品な脂を心地よく引き締める。ただ、期待通りで大きな驚きはないか。
相性: ★★★☆☆
サーモンはスパークリング、白ワイン、ロゼワインを中心に幅広いワインと合わせやすくこの日のワインにも無難に寄り添ってくれた。サーモンとワインで感動的な組み合わせだったのはこちら。
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