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大海老と若鶏のマレンゴ風@俺のイタリアン ランチワインはフリウリの自然派

銀座で昼食にイタリアン。買い求めていたものがなくウロウロ、意図せずのウィンドウショッピングで空腹に。
”俺のイタリアン”に入る。混むようなので前日に予約しておいた。数年前に一度訪問していて好印象のお店。料理、ワインセレクション、店内の雰囲気、時々ふと始まるジャズの生演奏。フォーマル過ぎず、それでいて随所に工夫が光る。物音立てないように緊張するような雰囲気ではないので、子供連れにもありがたい。料理は以下を注文。

・マルゲリータ(913円)
・ワタリガニのトマトクリームパスタ(1,078円)
・大海老と若鶏のマレンゴ風(2,178円)
・鴨フォアグラのパイ包焼き(2,398円)

飲み物はグラス白ワインを注文。イタリアの白というメニュー(968円)。イタリア北東部フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の自然派のもので、香り高く滋味豊か。歩き疲れたランチどき、ちょうどこういうのを飲みたかった。ワインに滋味あり飲みごたえもあるので、魚にはもちろん、肉料理にも負けない骨格。

ボルゴ・デル・ティリオ, コッリオ, イタリア, フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア, 2020, 968円(レストランでのグラスワイン提供価格)

あまりにも美味しかったのでソムリエの方にボトルを見せて頂いた

フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の南西部、スロベニアとの国境線沿いに広がる丘陵地帯、コッリオ地区1981年創業。現当主は元薬剤師だったが、父の他界後に家業の農園経営を引き継いだ。ソーヴィニョン・ブラン、フリウラーノ、リースリングを別々に醸造。木製開放桶で発酵させ、樽で10ヶ月熟成してブレンド。
香りにはリンゴ、柑橘、ハーブが心地よく入り混じる。味わいにはブドウの滋味、コクが強く飲みごたえたっぷり。厚みのあるリッチでクリーミーな口当たりをこぎみよい涼やかな酸味が引き締める。力強く長い余韻。

ちなみにボトルの小売価格は4,000円程度。これをグラス一杯1,000円ほどで出して、お店の利益は大丈夫かと心配になる。5杯どりだとせっせと売り切って5,000円。さらにはキリよくグラスワインが5の倍数で売り切れないと、ボトルを使いきれないし・・・、などと余計な心配。ありがたくいただきます。

先ずはワタリガニのトマトクリームパスタにワインを合わせる。カニの旨味がトマトクリームに乗り、引き立てられ、味覚をエンターテイン。カニの力強いフレーバーを含むコンビネーションに、ワインの滋味とリッチな口当たりはボリューム負けしない。かつ、カニとトマトの風味に染み入り、高いシンクロを見せる。相性: ★★★★☆

続いて大海老と若鶏のマレンゴ風に。若鶏とエビ、アサリ、ムール貝、マッシュルームと具だくさん。半熟卵がドーンとてっぺんに。海と山の幸が一緒になった料理は、ポルトガルのあさりのアレンテージョ(豚肉入り)くらいしか知らなかった。珍しいなと迷わず注文。
この一風変わった料理は、1800年、ナポレオンが現在のイタリア北部ピエモンテ州アレッサンドリア近郊の町マレンゴで、オーストリア軍を倒した後に最初に作られたと伝わる。シェフは食材を町で求め、集めることのできた食材からこの料理を作った。ちなみにオリジナルのレシピではエビではなくザリガニ。ナポレオンはこの料理を気に入り、毎回の戦いの後に作らせたという。が、俗説の域を出ない。より確からしい起源は、とあるレストランのシェフがナポレオンの勝利を記念して作ったというもの。
この日の私は銀座で戦果なくウィンドウショッピングに終わったが、それでもマレンゴ風のエビとチキンの旨味が染み入る。若鶏のエキスがたっぷりと染み出したスープ。まるで贅沢に参鶏湯スープで魚介を煮込んだような。若鶏の軽やかな脂に乗り、シーフードたちの風味が活き活きと踊る。エビと若鶏のフレーバーが同時に押し寄せ、今まで同時押しされたことのない味蕾が押され、味覚に新鮮な衝撃が走る。ワインのコクがこの強い料理の風味にもバランス。料理の脂を爽やかにするがシナジーはもう一つか。ハーブが入っているとワインへの繋がりがよくなり相性アップしそう。ということで三つ星にするかちょっと迷ったが四つ星。相性: ★★★★☆

お肉料理は鴨のパイ包み焼きに。ハーブが織り込まれ、じっくりと焼かれた鴨肉のジューシーな脂、パイ生地の香ばしい風味に、厚みのあるリッチなワインの風味が完璧にバランスした。シーフードではないが四つ星級の相性だった。

こちらはマルゲリータ

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