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赤魚の煮付けbyつくりおきjp ドンペリラベルの白ワイン
つくりおきjpを試してみた。
家庭的なお惣菜が大人2人分と小さい子どもには十分な量が届く。この日は赤魚の煮付け。
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過去、神戸で食べた珍しい赤魚の刺身とアルザスのリースリングは良かった。
また、古民家を改修したレストランで食べたメヌケの焼き(赤魚はアラスカメヌケなどの総称)とアルザスのピノ・ブランとの相性もなかなか良かった。
刺身にも焼きにもアルザスのトリンバックの造るワインを合わせていた。
今回届いた赤魚は一緒に煮付けられているごぼうなどのお野菜が嬉しい。
甘辛の煮汁に赤魚の脂の甘みが絡むぜいたくな味わいを想像しつつ、セラーから5種のワインを取り出す。
オーストラリアのスパークリングワイン(シャルドネ主体)、白ワインはイタリア サルディーニャ島のトルバート品種、カンパーニャ州のビアンコレッラ、フォラステラ品種のブレンド、赤ワインはカラブリア州のガリオッポ品種、ギリシャのクシノマヴロ品種。
料理の余韻の最後にふっと魚らしい磯の香りが立ち、これがワインとの相性の明暗を分けた。
実食の結果、カンパーニャ州白ワインの塩味が、添えられていたゴボウも仲介して、なかなかの相性を見せてくれた。
ちなみにこちらが最近日用しているワイングラス。テイスティング用グラス。
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以前は毎晩、リーデルのグラスでワインを飲み、酔って割らないように翌朝に洗っていたが、最近は複数種のワインを少しずつ飲むため、この小ぶりのテイスティンググラスを多用している。
頑丈で割れにくく、酔ったまま洗える。また低いので食卓で肘が当たってしまうことも少ないので便利だ。
リーデルはこれぞというワインを飲むときや記念日に使用している。
グラスにこだわっていたときはリーデルもシリーズごとに軽快白、重厚白、ボルドー、ブルゴーニュ向けと揃えていたが(ヴィノム、ヴィティス等)、都内のコンパクトな住宅で家族と住みながらそれを維持するのはなかなか難しい。ワインとは仲良くなれそうだが家族からは孤立していくだろう笑
こちらはグラス愛が強かったときに購入したロブマイヤー。
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出張が多いときに購入したロブマイヤーのトラベラー(が、悠長に高級グラスでワインを飲む余裕はなかった・・・w)。
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緑の色彩が美しい萩グラス。
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掌に乗るサイズのミニワイングラス。百均で購入し可愛い形が気に入っている。割れにくいし割れても100円なので持ち運びにも便利。
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さて、グラスに注がれたワインを並べて赤魚の煮付けに箸を付ける。
料理とそれぞれのワインの組み合わせについて。
カーサ・ダンブラ, イスキア・ビアンコ, イタリアカンパーニャ州, 2021, 13%, 1,989円
Casa D'Ambra, Ischia Bianco, DOC, Italy, 2021, 13%
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古代ギリシャ時代からブドウ栽培が行われていたイスキア地区で1888年に設立されたワイナリー。
ワイン好きな方はこのワインのエチケットの形に見覚えはなかろうか。ドンペリニヨンの形状に似ているような。
コレクションのワインラベルから振り返ると、ドンペリニヨンは2006ヴィンテージを最後にしばらく飲んでいない。
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その昔、このワイナリーの社長が偶然、ナポリでモエ・エ・シャンドンの社長と出会い、その際に類似デザインの許可を取り付けたとか。。その割にはエチケットの曲線に若干の遠慮が感じられる笑
さて、こちらのワインは地場品種のビアンコレッラ、フォラステラ品種を使用。
香りにはライチ、青リンゴ、洋梨、白桃のみずみずしく伸びやかな果実香に白コショウが混じる。セルフィーユのハーバルなタッチと海岸を歩いているようなほのかな潮の香りや貝殻、海藻の香り。フラワリーで吟醸香のようなフレーバーも。
風味にはみずみずしく力強い硬質なミネラル感や塩味に富む、よく熟した果実味の微かな甘みが心地よい、酸味は中程度で的確、余韻には微かにほろ苦さもあり。南部州とは思えないようなピュアで清々しく様々な要素に富むワイン。
吟醸香に近いフレーバーも含み日本酒好きにも勧めたい一本。
赤魚の煮付けにワインを合わせる。
料理を口にした瞬間、甘辛の煮汁がワインの果実味の柔らかい甘みが調和。
続いてその後、甘辛が抜けてきて魚の風味が広がると微かに生臭さが立つが、ゴボウの土っぽいフレーバーが仲介してそれが程よく抑制されワインとの相性が高まる。相性: ★★★★☆
デ・ボルトリ, ラ ボエム キュヴェ ブラン, ヤラ・ヴァレー, オーストラリア, 2,586円
De Bortoli, La Boheme Cuvee Blanc, Yarra Valley, Australia
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1924年にヴィットリオ・デ・ボルトリは北イタリアからオーストラリアに移住。それから100年。
コストパフォーマンスの高い魅力的なワインを世に送り出している。
オーストラリア出身のソプラノ歌手「ネリー・メルバ」をリスペクし、代表作である4幕からなるオペラ「ラ・ボエム」をイメージして造られたワイン。
シャルドネ品種93%、ピノ ノワール品種7%のブレンド。
香りにはリンゴジャム、リンゴのコンポートの厚みのある果実香にカスタードクリーム、レモンカードのまったりとした香り、バニラ香も、微かに黄色い花、アカシアハチミツも。
風味にはフレッシュさがややしっかりとしつつ心地よい複雑さと奥行き、シャープな酸味、ゆったりと中庸からやや長めの余韻、鼻腔を微かに柑橘果皮や植物的なタッチが抜けて爽やか。
赤魚の煮付けに。ワインに含まれる微かにヴェジェタルなタッチとフレッシュな果実香に、赤魚の生臭みが立ちあがってしまった。相性: ★☆☆☆☆
セッラ&モスカ, テッレ・ビアンケ, トルバート アルゲーロ, サルディーニャ, イタリア, 2020, 1,638円
Sella & Mosca, Terre Bianche, Alghero Torbato, Sicilia, Italy, 2020, 12.5%
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“テッレ・ビアンケ”は「白い大地」という意味。石灰質の多い白い畑に由来。
色調は鮮烈なゴールド。
香りにはグレープフルーツ、ライム、グレープフルーツの果皮、微かなハーブや微かにほしわらの植物的なニュアンス、ポジティブな酸化的なニュアンスも。グラスを回すとマルメロ、黄色い花も豊かに、潮の香りがふわりと。
風味には果実味はやや控えめでほろ苦さ、塩味やミネラルのニュアンス、突出した個性はないがバランスに優れる、磯の香りに包まれるようなワイン。
赤魚の煮付けに。
ややフォーカスの緩いふわりとしたワインの風味が、生臭スイッチをかわして赤魚の旨味と脂、甘辛ソースを包み込む。四つ星に近い三つ星。相性: ★★★☆☆
リブランディ, ドゥーカ サンフェリーチェ, チロ DOC, ロッソ リゼルヴァ, カラブリア, イタリア, 2,440円
Librandi, Duca Sanfelice, Ciro DOC, Riserva, Rosso Classico Superiore, Calabria, Italy, 2019, 14%
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リブランディはティレニア海とイオニア海に挟まれたイタリア半島のつま先部分に位置するカラブリア州を代表するワイナリー。
古代ギリシャ、オリンピックの勝者に与えられたワインはガリオッポ品種から造られていたという説もある。そのガリオッポのみで造られたワイン。
香りには完熟したブラックチェリー、チェリーリキュールの凝縮感の強い果実香。
微かに黒胡椒のスパイスのヒント、ほんのりとビターチョコレート、ほんのりと茎のようなヴェジェタルなニュアンスや穏やかにハーバルなタッチも。
樹齢の高さによる香りの複雑さか、おおらかで穏やかな乾いた木のような香りも(樽ではなくタンク熟成)。
味わいの果実味の凝縮感は思いのほか軽やかで甲高い、鼻腔をスパイシーなノートが強く抜ける。明瞭でワインに輪郭を与える酸味、やや粗さのあるパワフルなタンニンがしっとりと舌に残る。
余韻にはビターなニュアンスやミネラルに富む、ややシンプルで抑揚には欠けるか。
赤魚の煮付けに。ケンカはせず調和するが、ワインのやや甲高い果実香は味付けに辛味が欲しくなる。私の中でキムチに合うワインと刷り込まれてしまったか。相性: ★★★☆☆
キリ・ヤーニ, カリ・リーザ, P.D.O.アミンデオン, マケドニア, ギリシャ, 2,860円
Kir-Yianni, Kali Riza, Greece
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ワイナリーのルーツは1879年からワイン造りを行ってきた老舗ワイナリー「ブタリ・ワイン」。
自根で育つ樹齢60年を超えるクシノマヴロから造られる。クシノマヴロはギリシャ語で「酸と黒」の意味。酸味が強い。北ギリシャ原産。
香りにはドライフルーツ、プルーン、ブルーベリージャムの濃縮した甘やかな果実香に、ドライローズのフラワリーなタッチ。黒胡椒と茎か微かにヴェジェタルなスパイス。
よく溶け込んだバニラ香、海岸を歩いているような鼻に微かな渇きを覚える潮の香り。
味わいにはカドの取れた滑らかな口当たりの果実味ながら、タンニンはまだまだ力強くじっとりと舌に残る。塩味が強く舌に残るのが印象的。
赤魚の煮付けに。
甘辛の味付けにややワイルドな果実味がバランスし、赤魚の磯の香りにはワインの潮の香りと塩気がよく合う。余韻に入るところまでは完璧だが、フィニッシュに微かに生臭さがも立ってしまう。相性: ★★★☆☆