豆腐しんじょのカニあんかけ　ソーミュール泡

スーパーで工夫溢れるお惣菜を発見。豆腐しんじょのカニあんかけ。豆腐のお揚げがふんわりと衣をまとった天ぷらにされて、そこに蟹のあんかけソースがかかっている。カニの赤とネギの緑が鮮やか。

豆腐のふわふわ、天ぷらの衣のふかふか。ふわふわ、ふかふか。そのため風味や焦点が絞られていない印象もあるが、どこか懐かしい食感。カニのあんかけソースでふわりと、そして甲殻類のキュッとしたフレーバーで程よく引き締まる。薬味のネギの香味が口内を爽やかに。ひと口ごとのインパクトは大きくはないが、じんわり染みる素朴な豆腐のコク、カニのあんかけソースに、味覚が能動的に楽しさを探しに行く。辛い、甘いがハッキリしていると味覚が受動的になるのとは真逆で、味覚が自発的に運動しにいく不思議な感覚。
合わせたのはフランスロワールのソーミュール地区のスパークリングワイン。どちらかというとニュートラルなシュナン・ブラン主体で、和食とも寄り添ってくれそう。

レ カーヴ ルイ ド グルネル, フランス・ロワール・アンジュー ソーミュール, 2,728円
Saumur Grande Cuvee Brut Les Caves Louis De Grenelle

使用されるブドウはシュナン ブラン 、シャルドネ品種。
香りにはフレッシュなグレープフルーツ、レモンの柑橘香にほのかにひねたワラのニュアンスあるもほんのりスパイシーで好意的な範囲、ドライハーブも。
味わいにはみずみずしくほろ苦さがググっと立ち上がる、ハリのある果実味ありながらも一貫してドライでフードフレンドリー。

豆腐しんじょのカニあんかけにワインを合わせる。ワインのミネラル感の強さとカニあんかけは心地よく寄り添うがどうしても料理が優しいのでワインのフレッシュな果実味、ミネラルから広がるほんのりビターなニュアンスの主張を強く感じてしまう。相性: ★★★☆☆