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釧路のいわし味付缶 サルディーニャの島ワイン

ここ数日、夜の缶詰が海外出張中のオアシスになっている。

今晩は釧路のいわし味付の缶詰。こちらはマルハニチロの製品だ。同社は2007年にマルハとニチロが経営統合して誕生した会社で東京都江東区豊洲に拠点を構える。マルハの商売の源流は1880年に中部幾次郎が鮮魚仲買運搬を開始したことに遡るので実質的に140年以上にわたってシーフードを生業としている。

缶詰の説明書きには”工場の目の前にある釧路港で水揚げされたイワシを使用し、しょうゆベースで甘辛く仕上げました。DHA、EPA、カルシウムなどの栄養素が手軽にとれます。”と紹介されている。缶詰でありながら鮮度重視、水揚げされた港で加工されている。

魚がどのように加工されて缶詰になるのか気になって調べると、マルハニチロのホームページで紹介されていてわかりやすい。

サバの缶詰ができるまで

https://www.maff.go.jp/j/kids/kodomo_kasumi/2021/content/attach/pdf/syokusei-10.pdf

端的には缶にブツ切りにしたサバ、調味液を入れて密封、120℃の蒸気で1時間調理&殺菌して作られる。調理してから缶に封入されるわけではないのだ。確かに魚の鮮度を出来るだけ保持し、調味液で製造ラインが汚れるのを防げて効率も良さそうだ。

さて、イワシの缶詰に合わせたのは最近の定番、サルディーニャの島ワイン。

ピエロ・マンチーニ, マンチーニ・プリモ, ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ, サルディーニャ, イタリア, 1,898円
Piero Mancini, Mancini Prim O, Vermentino di Gallura DOCG, 2020, 13.5%
アプリコット、パイナップル、ライチ、パッションフルーツ、グァバ、南国果実が豊かに広がり、しっかりと効いた樽のバニラ香に絡み魅惑の香り、ボリュームは大きいが微かにメントール系、ライムなどの青い色の柑橘香が爽やかに抜ける。
ジューシーな果実味ながらやや抽出量は多いか香りからくるほどの果実の強さは味わいにはない(それでも果実味はしっかり)、鼻腔を抜ける柑橘果皮のビターなニュアンスも相まってややビターなニュアンスを明確に、香りからは想像できないほどしっかりとした酸味もワインにメリハリを与えていて心地よい。

缶詰の中身を写真で美しく伝えるのはハードルが高いが、魚肉がしっかりと食感を保っていることは伝わるだろうか

缶詰の中で醤油と生姜をたっぷりと吸ったイワシの魚肉、缶詰ながら心地よい魚肉の歯ごたえも残されている。調理時の蒸気の温度と時間を絶妙に調整しているので楽しめる食感だ。ワインをひと口。イワシなどの青魚はしばしばワインと喧嘩するが臭みは立ち上がらず、しっかりと寄り添うサルディーニャの島ワインの魚介への包容力の高さを改めて思い知らされる。ただ、喧嘩はないが料理とワインが高め合うような面白さは出てこないか。それでもイワシに合わせて臭みが立たないことは素晴らしい。
相性: ★★★☆☆

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