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建築、音楽、自転車、ピアノ、チェロ、アート、インテリア、読書が好きです。大学の建築学科を卒業後、不動産会社勤務。

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内側も楽しい十和田の黄色い南瓜

知らずに好きになっていた事について語ります。 先日直島の黄色い南瓜が海に流された後に回収されたというニュースを見て、漂流してしまったら海中の生物たちもびっくりしてしまうと思うのでホッとしました。 西沢立衛氏が設計した十和田市現代美術館の向かい側が南瓜の他いくつかのアートが置かれている広場になっており、世界中から美術館とアートを見に人々が訪れる。すぐ近所に安藤忠雄氏や隈研吾氏の設計した建物もあり、お得感のある十和田。 1.色彩と光沢がシュールで中毒になる 草間彌生氏といえ

    • 遊び心と地元愛"藤森照信 高過庵 低過庵"

      いつかは体験したいと思っていた、藤森建築。 藤森氏の出身地である長野県茅野市に作った3つの茶室、「高過庵」「低過庵」「空飛ぶ泥舟」。 近代建築史を始めとした建築史家で知られる藤森氏が45歳から建築家としてデビューし、その後58歳の2004年に高過庵が完成。 私は大学時代に建築史の研究室だったため、藤森さんと言えば史家、というイメージご強かったが、彼が生み出す建築は史家ならではの奥深さがある。 そして誰しもが子供時代から夢見た、「木の上に立つ隠れ家」のような建築は見る人をワクワ

      • ここは八重洲なのか"ブルガリホテル東京 ブルガリバー"

        守備範囲エリアの八重洲に今年の4月に開業した「ブルガリホテル東京」。同時期に開業した、東京駅前のミッドタウン八重洲の40〜45階に構える。 八重洲というと丸の内側と比べて、ブックセンターや八重洲地下街など昭和のサラリーマンの居場所が強く、ラグジュアリーとは遠くかけ離れたエリアであり、東京駅前と言えども、ブルガリホテル側として八重洲の出店に躊躇はなかったのか、危惧するところだ。 世界中に展開するブルガリホテルはこの東京が8つ目となりその全てのデザインを手がけるのが、イタリアの設

        • 新旧の呼応"アンスティチュ・フランセ東京"

          「名建築で昼食を」でも登場していた、「アンスティチュ・フランセ東京(旧日仏学院)」。 飯田橋駅から外堀通り沿いを歩き、一本入った坂の先にふと外観を露わにするのがこの建物。 「アンスティチュ・フランセ東京」は、フランス政府の公式機関として、フランス語やフランス文化の普及を目的として1951年、坂倉準三氏の設計によって建てられた。 フランス語講座をはじめとし、講演会や上映会などイベントが行われ、日本とフランスの交流がなされてきた。 坂倉氏は、巨匠ル・コルビュジェ氏の弟子でパリで

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          蘇るカプセル"SHUTL 伝統のメタボリズム 〜言葉と文字〜"

          銀座の歌舞伎座を越えて、少し歩いて見えてくる不思議な空間「SHUTL(シャトル)」。 ここは、黒川紀章氏が設計した中銀カプセルタワーのカプセルを再利用し、伝統と現代の新たな接続方法を生み出す実験場。建物内には2基のカプセルが格納されており、アートや工芸の展示会、映像上映や講演イベントなどが想定される空間だ。 10月に完成したこのスペースのオープニング展示として今回「伝統のメタボリズム〜言葉と文字〜」が開催された。 1972年に竣工したメタボリズム建築の象徴と言える中銀カプ

          蘇るカプセル"SHUTL 伝統のメタボリズム 〜言葉と文字〜"

          進化と回帰"DESIGNART東京・銀座エリア"

          DESIGNART TOKYOは、世界屈指のミックスカルチャー都市、東京を舞台に世界中のインテリア、アート、ファッションなど多彩やジャンルの才能が集結し都内各所で展示されるイベントだ。 青山、表参道エリアに次いで、東京、銀座エリアも各ショップやアトリエでは時代性を捉えた各ブランドのメッセージを挑戦的なアウトプットにして伝えている。 1.モジュールの強みUSM GREEN LOUNGE USMハラーはスイスのモジュラーシステム家具。高品質で高意匠、オフィスや住宅などあらゆる

          進化と回帰"DESIGNART東京・銀座エリア"

          何周年と謳われる所以"DESIGNART スツール60 90周年記念"

          今年のDESIGNARTはほぼコロナ禍以前の人出に戻ったような気がする。 DESIGNARTは東京を舞台にデザイン、アート、インテリア、ファッションなど多彩なプレゼンテーションが繰り広げられる日本最大級のデザイン&アートフェスティバルだ。 Cassinaのレセプションは、パトリシア・ウルキオラ氏が来日することもあり、デザイナーやインテリア関係者800人ほどがショールームに集まった。ウルキオラさんは、もう巨匠の域にありながらも気さくでおしゃれだった。 その他表参道や外苑前エリ

          何周年と謳われる所以"DESIGNART スツール60 90周年記念"

          ラグジュアリーのその先"表参道 GYRE FOOD"

          MOMAデザインストアやHAY TOKYOが入っていて、定期的にチェックしておきたい表参道のGYRE。CHANELやメゾンマルジェラなどハイエンドなブランドも入っていて表参道を彩る建物のひとつだ。 この建物は2007年に竣工、オランダの建築家集団MVRDVがデザインを手掛けた。MVRDVの建築はダイアグラムがそのままに形作られているものが多く、内側から用途やボリュームが膨張して、結果的に印象的な表層を生み出している。 オランダの集合住宅「オクラホマ」は、カラフルなバルコニーが

          ラグジュアリーのその先"表参道 GYRE FOOD"

          アイノの存在"誠品生活日本橋 映画「AALTO」公開、書籍「AALTO書簡集」刊行記念ライブトーク"

          最近noteでフィンランド在住の人たちの記事を見ては、フィンランドへ行きたい熱が高まっている。自然や食事、お国柄もマリメッコも魅力的だが、行ってみたい一番の理由はやはりアアルトだ。 建築好きのみならず、家具や食器が好きな人たちまで幅広く知られ愛される「アルヴァ・アアルト」。 そのアアルトの生誕125年の今年に映画が制作され、13日から公開されている。この映画はアアルトと最初の妻であったアイノ・アアルトとの手紙のやりとりを基に2人の交流が描かれている。 そして同時期に2人の孫

          アイノの存在"誠品生活日本橋 映画「AALTO」公開、書籍「AALTO書簡集」刊行記念ライブトーク"

          信州を五感で味わう"上田 Mariko Winery&みすゞ飴本舗"

          夏休みは長野県の上田に行った。 以前から行ってみたいと思っていたワイナリーがあり今回ついに実現した。 上田市出身の知人から「お伝えしておいた方がよいと思って」という切り出しで、メルシャンが上田でワイナリーを開業しその名が「まりこワイナリー」だということを聞き、その後すぐにコロナに突入してしまった。 上田は子どもの頃、群馬県の高崎市に住んでいたこともあり、家族で日帰りで訪れる身近な場所だった。 母が飯島商店のジャムが好きだったこともあり、上田というと朝食のぶどうやあんずジャム

          信州を五感で味わう"上田 Mariko Winery&みすゞ飴本舗"

          連続と再結合"オカムラ ほそくて、ふくらんだ柱の群れ"

          久しぶりに紀尾井町のニューオータニへ行った。 以前はたまにランチをするために訪れていたが、子育てが始まってから大分遠ざかっていた気がする。 ニューオータニの一角にオフィス家具メーカーのオカムラのショールームがある。そこに新たに「OPEN FIELD」という表現の場が誕生した。 ここのキュレーターに建築史家の五十嵐太郎氏を迎え、気鋭のアーティストによるインスタレーションを発表をしていく。 今回は「ほそくて、ふくらんだ柱の群れ」と題して、3名の異なるジャンルのクリエイターが参加し

          連続と再結合"オカムラ ほそくて、ふくらんだ柱の群れ"

          都市に解放するCGのようなファサード"OMA 天神ビジネスセンター"

          学生時代から建築家のレム・コールハースが好きだった。関連する本を読みあさり、ニューヨークマンハッタンの都市の成り立ちについて鋭い切り口で論じた「錯乱のニューヨーク」は伝説の名著であり、何度も読み返した。 レム・コールハースはオランダ出身の建築家、都市計画家、建築設計事務所のOMAを主宰する。 世界中でプロジェクトを手掛け、シアトル中央図書館や中国のCCTVビルなどが有名だ。最近ではPRADAのショーも手掛ける。 なので大分前にテレビで見てOMAのニューヨーク事務所の代表を務め

          都市に解放するCGのようなファサード"OMA 天神ビジネスセンター"

          繁華街にある森"南池袋 としまエコミューゼタウン 豊島の森"

          子どもと自転車で巡回する公園のひとつである、南池袋にある豊島区庁舎内の「豊島の森」。 現在では南池袋公園などおしゃれスポットも増え、芝生でファミリーやカップルが寛ぎ、コーヒーやお酒を楽しむ姿が定着してきた池袋の街。 消滅可能性都市として囁かれてから、高野区長のリーダーシップにより池袋を中心に豊島区は、安全で住みやすくワクワクできる都市に成長を遂げてきた。その起点になったのが、この豊島区庁舎と集合住宅が一体となった複合開発の「としまエコミューゼタウン」とも言える。 デザインア

          繁華街にある森"南池袋 としまエコミューゼタウン 豊島の森"

          デザイナーは何を選ぶ?"デザインギャラリー1953 わたしの手土産"

          手土産を選ぶ時はいつも悩む。 何故なら手土産は、送る相手の嗜好や人となりや自分との関係性を読み解き、自分が相手に伝えたい想いがカタチとして見えてしまうからだ。 そしてそれは単にお金をかけたり、希少なものがよい訳でなく、相手がそのタイミングや状況において喜んでもらえるものを選ぶのは難しく、あらゆる意味においてセンスが問われる。 日本デザインコミッティーは1950年代前半「グッドデザイン運動」を展開するため、剣持勇、亀倉雄策、渡辺力等有志15名によって始まった活動。1964年に

          デザイナーは何を選ぶ?"デザインギャラリー1953 わたしの手土産"

          変化を見届けてきた石"有楽町 ストーン"

          味わい深いカフェがまた、再開発の波に飲まれ、消えてゆく。 有楽町ビルが開業した1966年から店を構えるカフェ「ストーン」。建物の建替えに伴いこの秋に閉店となる。 レトロ建築として度々取り上げられるこのカフェは長年に渡り、有楽町のビジネスマンを始めとして多くの人たちの憩いの場所として機能してきた。 店名の通り、店内の多くが石貼りによる内装だ。凝ったデザインは著名デザイナーによるものかと思いきや、初代オーナーの実家が石材店だったことからショールームを兼ねた喫茶店だったという。

          変化を見届けてきた石"有楽町 ストーン"

          変わりつつある公園の在り方"ブルーボトルコーヒー 渋谷カフェ"

          渋谷の街は駅周辺の開発が進んでいる今もなお、公園通りや明治通り、通りを入った路地にレジェンド的なアパレル店、謎の行列をなす最新店舗までまだまだ見どころが多い。しかしながら高低差があり、まあまあ歩かされる上に今年の猛暑もあり、間に休暇を挟まずに買い物が終わらない。 そこで訪れたのが、公園通りを上り渋谷公会堂跡地に程近い北谷公園だ。敷地内に2021年の4月にオープンしたブルーボトルコーヒーもあり話題になった。 建物とランドスケープの設計は日建設計、内装設計は芦沢啓治建築設計事務所

          変わりつつある公園の在り方"ブルーボトルコーヒー 渋谷カフェ"