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繁華街にある森"南池袋 としまエコミューゼタウン 豊島の森"
子どもと自転車で巡回する公園のひとつである、南池袋にある豊島区庁舎内の「豊島の森」。
現在では南池袋公園などおしゃれスポットも増え、芝生でファミリーやカップルが寛ぎ、コーヒーやお酒を楽しむ姿が定着してきた池袋の街。
消滅可能性都市として囁かれてから、高野区長のリーダーシップにより池袋を中心に豊島区は、安全で住みやすくワクワクできる都市に成長を遂げてきた。その起点になったのが、この豊島区庁舎と集合住宅が一体となった複合開発の「としまエコミューゼタウン」とも言える。
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デザインアーキテクトを隈研吾建築都市設計事務所、ランドスケープをランドスケーププラスが務めているこの再開発事業は、「樹木のような建築」をコンセプトに特徴的な外観デザインが話題になるだけでなく、ランドスケープや様々な環境施策が庁舎、複合開発の取り組みとして注目を集めた。
1.豊島区の地形や自然を再現
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10階までの区庁舎からなる建物形状が、豊島区の神田川から武蔵野台地の変化に富んだ地形の高低差とほぼ同じことから、この豊島の森を武蔵野台地と位置付け、4〜8階の緑化部分を谷戸〜河川地域と対応させ、大胆にも河川を高さ50m分自然流下により再現している。
階下では忙しく申請手続きやら何やら行われている中、エレベーターでスルーっと上がるとタイムトリップしたような里山の原風景のような光景が広がる。
2.小さな生態系に出会える場
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建物を水と緑で繋ぐことで、池袋にいきものが過ごせる小さな生態系を生み出している。
元々豊島区は小河川や湧水が多くあり、たくさんのいきものが棲みついていた。しかしながら建物がひしめき合う現代の池袋周辺では、子どもは虫や川の魚を見る機会はほぼない。ビオトープはたまに試みられることがあるが、水質の管理も手間がかかり途中で放置されるか水が抜かれてしまうか尻窄みになりやすい。
今回は地下のピットまで流下した水は濾過され、また10階まで揚水される。
そんな大掛かりな仕組みが、区民や多くの人に開かれた役所で実装されることで、都心でも子どもたちはめだかやヤゴの観察が楽しめる。
3.地上約40m、木陰で都心を見渡す
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建物の外周部は、太陽光パネルや壁面緑化などいくつかの環境パネルに覆われている。エコヴェールと呼ばれるこれらの意匠は建物コンセプトを表す象徴となっている。
豊島の森もそのエコヴェールに覆われ、さらに青々と茂る樹木により、小道に陰を落としている。そこから外を眺めると新宿や外苑など都心の眺望を楽しむことができる。
ちょっと不思議な感覚でジブリの世界観にも似た現実ではないようなシチュエーションだ。