「世界標準の子育て」中編

「世界標準の子育て」を要約しています。

1〜3章は世界標準の子育てとは、と言う知識編を紹介しました。

今回は4〜6章、その知識を元にした実践編です。

少し長めですが、それでは、どうぞ!



第4章 実践編
「自信」を育てる3つのステージ

根拠のない自信は親が育てるもの、
根拠のある自信は子ども自身が獲得するもの。
特に母子の関係が重要で、父はそれをサポートしていくことが必要。


0〜6歳 自信育てのステージ1「根拠のない自信」を育てる


乳幼児期の根拠のない自信は「受け入れる」ことで育つ。
前提として、根拠のない自信は、親から可愛がられ大切にされ愛情をたっぷりもらうことでのみ与えられる。この自信があると、精神に安定感がある。この自信がないと、困難が訪れた時に挫折しやすい。
2〜3歳の「なんでも試したい時期」に親からのコントロールを強く受けると、愛されている自信がなくなる。自信をつぶさずにしつけるには、納得できる理由が必要。理由を丁寧な言葉で説明し、考えさせることが大事。

根拠のない自信を育てる最良の方法は、スキンシップ。親は十分だと思っていても、足りない場合があるので、しぐさ(指しゃぶり・おねしょ・爪噛み・親にまとわりつく・幼稚園に行きたがらない・グズりが多くなる)に現れていないか注意して、現れたら肌と肌の触れ合いを増やす。

そして、お手伝いによって「感謝される喜び」を経験させ、成功体験を積ませる。
出来不出来については言わず、子どもに感謝を伝える。
人から感謝される喜びと快感をたくさん経験して育った子どもは、前向きで積極的、そして開放的な人柄に育つ。



7〜12歳 自信育てのステージ2「根拠のある自信」を育てる


根拠のある自信は、次は親から受け取るものではなく、子どもが自分の努力によって獲得していく能動的なもの
スポーツ、音楽、絵画、造形、演劇などの習い事に参加させ、研鑽と努力で自信を勝ち取っていけるように。
子どもの能力・才能の芽を見つけて大きく伸ばす適任者は父親である。

そして、根拠のある自信は継続と競争によって育てられる。
目標に向かって頑張ると言うことが大事。
その目的は2つ。
*競争を通して自分の「強み」に気づかせること
*プレッシャーの中で実力を発揮するなど「たくましい心」を育てるため

敗者になり、思考を転換するという経験も必要。

【子どもの強み見つけ表】
・強みは、長所や見てすぐわかる関心・才能・素質以外にも、「弱み」の中に隠れているものもある。見方を変えると「集中力がない」→「活発な子」とも取れる。
・強みの見つけ方、以下の項目で書き出してみる。
①性格・人柄・対人関係 
*性格・人柄→
*対人関係→
*人と違う面→

②興味関心 
*音楽・芸術→
*自然科学→
*スポーツ→
*その他→

③運動能力・身体的特徴
*運動能力→
*身体的特徴→

6〜7歳で周りと比べ出来ないと嘆くのではなく、この時期の強みとは「芽」
その芽をどのように成長させていくのか。
子どもの特性に合わない習い事をやらせたり、親の希望で習い事を選んだりするのはやめましょう。

勉強以外の競争が、自信育てには必要。
なぜなら、勉強で獲得した自信は脆く、崩れやすい。上には上がいるから。

習い事の中でもチームスポーツは特におすすめ。
コツコツ努力する根気強さ、失敗を恐れずチャレンジする精神、仲間と助け合う心、最後まで諦めない忍耐力、プレッシャーに負けない精神力、チームの一員としての責任感、コーチやサポートしてくれる人たちへの感謝の心や尊敬の心を得ることができる。これらの精神は、世界の企業が求めるリーダー像そのもの。

習い事を10年続け「特技」に。
子どもが習い事を辞めたくなるのは、「うまく出来ないから」。両親が協力して周囲より少しだけ能力を伸ばしてあげると自信がつく。
花形よりも競争の少ない「隙間」が狙い目。



13〜18歳 自信育てのステージ3 自信を「確信」にする


コンフォートゾーン(居心地の良い状態・居場所)から出て、今より高いレベルの場所へ行き、新しい刺激を与えてあげることが必要。
そして、親は結果よりも努力を認める姿勢が大事。

夏休みは特技に集中的に取り組ませて強みを確信にする。
サマーキャンプや合宿への参加も良い。
努力を継続してきた子どもは、他のことも継続できる「粘り強い精神」を身につけることができる。一流の人に成功の要因を聞けば必ず返ってくる答えが「継続すること」

あきらめ癖がある場合、原因は「自信の不足・成功体験の不足・ルーティーンの欠如」、対策は「手出し口出しをせず見守る・子どもの意思で選ばせる・日々の繰り返しを重視し、生活習慣を改善する」。



全年齢共通


男女のモチベーションの違いを知る。

【男の子はおだてて育てる】
*根が単純で「上手に出来たね」「頼りになるね」などと褒められると嬉しくなりやる気が出る。
常識やルールを破ることが男の子の仕事。型にはめられること、命令されること、手出し口出しされることを嫌う。男の子を動かすには母親から褒められたい心理を利用する。競争心も強いので上手に利用する。
*プライドを傷つけられると、言った通りにダメになる。

【女の子は手本を示して育てる】
*人間への関心が強く、観察する力が鋭い。
*母親が子どもと信頼関係を築き、人生の先輩として立ち居振る舞い、礼儀作法、コミュニケーションの手本を示してあげるとその通りに真似する。
*集団の調和を好む傾向があるので、手本を示す→真似させる→努力を褒めるを繰り返していくとどんどん成長する。



第5章 実践編
「考える力」を育てる3つのステージ

0〜6歳 考える力育てのステージ1 「言葉の力」を育てる


*子どもの頭脳は6歳までに90%完成する。言葉が少ない環境だと言葉に対する反応が悪くなるので、0歳の赤ちゃんにも積極的に話しかける
*日本国内で育てるならば英語を早く教えても、日本語はおかしくならない。英語圏で育てる場合、日本語がおかしくなる。第二言語はネイティブの発音で同じ内容を何度も繰り返し聞かせることが必要。
絵本の読み聞かせをして本好きな子に育てる。0歳からスタートし、子ども専用の本棚を与えて自分で本を選ばせる。絵本の読み聞かせは眠たくなる時がベストタイミング。3歳からは質問をしながら読み聞かせる。「どこが面白かった?」「誰が好きだった?」など。

*6歳までに文字を教え、本を読めるようにしておく。文字を教える時には環境づくりに配慮する。3〜4歳の頃に興味を持ちやすいので、遊びながらゲーム感覚で習得していく。50音を覚えたら短い絵本を読ませる。読むのを最後まで聞き、褒めて「またママにお話聞かせてね」と伝えたりする。

7〜12 考える力育てのステージ2 「自分で考える力」を育てる

*欧米では9歳が読書力を身につける臨界期(クリティカルピリオド)と言われているので、読書力が養われる小学校低学年の時期は少なくとも月に4〜5冊は本を読むように導きたい。
*絵本から活字本への移行時は、チャプターブック(絵本と活字の中間本)が最適。ドラえもんなどでもそのような本は作られている。
10歳からはノンフィクションへと読書の幅を広げる。小学校高学年からは、内容をより深く理解させることへと読書の重点をシフトしていく。読む内容もフィクションから自伝・歴史・政治経済・社会問題などへ変える。子どもが興味を持ちそうな新聞記事を一つ見つけて親子で意見交換をすることがおすすめ。そこで「考える力」が養われる。

*算数は論理的思考を育てる強化で、常に3学年先のレベル習得を目指すように。計算プリントに毎日取り組ませることがおすすめの日課で、1回10〜15分程度。間違えても責めず、なぜ間違ったか考えさせてやり直しする。
基礎計算がすらすらできるようになったら文章問題へ。最適なのは視覚化。シンガポールマスというものがおすすめ。手が届く範囲の問題を毎日コツコツやることが大切。

子どもに選択させて、イエス・ノーが言える子に。なるべく子どもに選ばせる機会を増やす。自分で選ぶことにより、好き嫌いを認識し、物を大切に扱うようになる。
親子の会話では空気を読まないように。子どもが曖昧な言葉(あれそれこれ)を使った時に、親はわざとわからないふりをする。そしてきちんとした言葉で説明するように導く。

*小学校高学年からは、言葉ゲームで考える力を鍛える
・「もし〜だったら」もし当面人間だったら何をする?
・「究極の選択」お金と愛、どちらがいい?
・「あなたならどうする?」買い物の時にお釣りが50円多かった。どうする?

13〜18 考える力育てのステージ3 「選択する力」を育てる」

*選択する力を育てる。「自分にとって良い選択とは何か?」という問いを常に心に留めて生活するように子どもにアドバイスする。より良い選択をするには日々の姿勢が重要。自分と向き合う作業をしておくと、いざという時選択しやすくなる。
・「今までのあなたの人生について本を書くならタイトルは何?」
・「あなたはホワイトハウスに招待されました。そこで行うスピーチは?」
・「もし人類の発明を一つ取り消せるなら何を取り消すか?」
・「科学者と芸術家が人権問題について話をしています。どんな会話ですか?」
・「あなたという人間を定義してください」
(アメリカの大学入試問題より)
エッセイを書くことは自分と向き合うこと。それが思考トレーニングになる

*子どもの強みを伝えて社会経験を積ませる。社会経験を通して、子どもの興味や得意なことから本当にやりたいことを見つける手伝いをする。

家庭でも議論をし、「なぜ?」を考える力をつける。ディベートを行う。そこでは「考える力」と「相手を受け入れる力」が身に付く。相手を言い負かすのではなく、論理的に思考し、合理的に判断する力を鍛える。



第6章 実践編
「コミュニケーション力」を育てる3つのステージ

0〜6歳 コミュ力を育てるステージ1 「人とかかわる力」を育てる

家庭で信頼関係を築くこと、母親の関わりが大事
赤ちゃんの頃→表情豊かに話しかけ・歌いかけ・遊んであげる。楽しい経験がコミュニケーションの土台となる。赤ちゃんが出す「人と関わりたいサイン(手を伸ばすなど)」には敏感に反応して話しかける。
2・3歳→ごっこ遊びにたっぷり付き合う。さまざまな職業やお店の人に扮し、さまざまな質問を投げかけてみる。親にとっては疲れるが、思考力を発達させることができる。

*たくさん笑わせて感情表現が豊かな子にする。それには、子どもの気持ちに親が共感することが大切。一番大事なのは母親の笑顔。子どもは母親とそっくりな表情をする。たくさん笑って育った子どもは快活で素直な性格になる。

*6歳までに聞く力が育つと、勉強が得意になりコミュニケーション能力も増す。
まずは見本を示すためにも、親が子どもの話をしっかり聞く。(急かさずに)
絵本の読み聞かせ→聞く力を育てる上でも最高の取り組み。途中で子どもが「なんでなの?」と聞いてきたら、その場で応える。最後まで読むことを優先しなくても良い。子どもの心の動きも察知して、「嬉しかったね」「悲しかったね」などの言葉を加え共感性を高めてあげる。


7〜12歳 コミュ力を育てるステージ2 人間関係の「幅」を広げる

*家庭外とのコミュニケーションを訓練する時期。集団活動に参加させてコニュニケーションの幅を増やす。習い事の場は最適。消極的な子はまず家庭で自信をつける。
*大人に混ざって会話・交流をさせる。
親が敬意を持って一人前扱いをすることで、自立心が育つ。子ども扱いするのは、子どもは自分の分身だと考えているから。コミュニケーション力を向上させるには、「指示」や「命令」を極力やめること。

演劇はコミュニケーション能力・言語力を伸ばす最高のツール
人前で堂々と話す技術・表情・身振り手振りで意思疎通する方法・発声・発音・親を与える話術など。


13〜18歳 コミュ力を育てるステージ3 「世界標準」のコミュ力

*英語が話せる=グローバルではない。グローバル感覚とは、国籍・文化・価値観・宗教の違いに関わらずお互いを尊重し合う、多様性を尊重する意識・態度のこと。それには実際に外国人と友達になり、信頼関係を築き、多くを語り合う経験が必要。
外国人とのコミュニケーションの3つの基本。
1:アイコンタクト
2:笑顔で挨拶
3:リアクションは2倍大袈裟に
ホームステイ(お互い留学生交換)で交流するのもおすすめ。
海外留学(半年〜1年)や、日本での国際交流を通して、日本というものを振り返ったり、今の世界の問題を知る。


全編1〜3章では知識を、中編4〜6章では実践を、後編7章では、色んな子育ての「壁」を要約して行きたいと思います。
イヤイヤ期、マナー、ゲーム等の向き合い方、思春期などなど。

今時の子育てのコツがわかってきました。

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