育児に必要な能力チェック(下地
ビジネスシーンにあるOODA(ウーダ)サイクルというのをご存知ですか?
Observe(観察)
Orient(仮説構築・状況判断)
Decide(意思決定)
Act(実行・改善)
の4つのプロセス。
(詳しくはググってみてください)
少し前はPDCAサイクルなど言われていて、計画を立ててからの実行でした。
どちらも時と場合によってやり方はあると思いますが、
教育・保育現場もOODAのところが増えてきています。
指導要領などで計画を先に立て実行していたものが、
子どもの現状況や個の特性がある上で、指導要領と照らし合わせ計画を練っていく方法。
家庭での子育てもOODAサイクルの方が合うタイプの人もいるのではないでしょうか?
ここでもOODAで考えていこうと思います。
まず、パパ自身の状況を自分で観察・自己分析して行きましょう。
前回は、「なぜ育児をしようと思うのか??」育児の仕事内容を見ながら、自分の育児の価値観探しや家族観を考えました。
育児を行う理由は定まったでしょうか??
パパトレ2回目は、育児に必要な能力チェックをして行きます。
自分の適応を知ったり、自分の快不快を探したり、脳内チェックです。
筋トレに例えると、
今回は「ボディチェック」と「どういう身体に仕上げるかの目標」を決めるような回です。
人によって、筋肉の付きやすさ、筋肉が足りているか、こういう身体が目標だから、こういうトレーニングをする、個人個人で違います。
まさにパーソナルトレーニング。
目標というのは、子どもを仕上げるわけではなくて、自分の育児力を高めます。
育児は育自、よく聞きますね。育児力というか、人間性そのものが高まるわけですけども。
自分の性格・気質・各分野の能力・充てられる時間というものが、果たして育児に向いているのかどうか?自分の何を育児に活かせるのか?
まずそれが自分で分からないと、途中で迷走します。
時に無理をしたりして、体力・メンタルがやられます。
太い筋肉からつけないと、細い筋肉はつかないなど、筋肉にも順番があると聞いたことがありますが、育児力を高めるのにも順番があります。
まず自分がどうありたくて何が出来るのか考えましょう。
それではやっていきましょう!!
【育児に必要な能力チェック】
自分の性格などを振り返る前に、育児に必要な力をいくつか挙げたいと思います。
必ずこれだけというわけではありませんが、分かりやすいところを挙げてみました。
これは、主に子どもの力を伸ばす能力というよりも、家庭の育児を乗り切っていくための能力です。子どもの力を伸ばしたいんだけど、という方もいると思いますが、これが出来て初めてプラスαの子どもの力を伸ばす事が可能となります。
基礎と応用のようなもので、基礎に当たります。
「得意←→苦手」「快←→不快」の尺度で5段階当たりで考えてみて下さい。
A「得意 54321 ←0→ −12345 苦手」
B「快 54321 ←0→ −12345 不快」
快←→不快の尺度をなぜ表すかというと、育児には感情のコントロールが深く関わってくるので、あまりにも不快な事をたくさんやるとメンタルがやられます。
得意だけど不快、苦手だけど喜んで、みたいな項目もきっとあるはずです。
全部苦手・・・が出たからと言って落ち込まないでください。これはあなたを評価するものではなく、あなたがどう育児に関わるのかを考えるものなので、正直にお願いします。
人はそれぞれ持って生まれた能力や気質があるし、環境によって培われたもの、培われなかったものもあります。
どんな分野でも、「今、ここで、自分が何が出来るか」が全てで、それを批判する権利は誰にもないと考えます。
正直に考え、「今、ココ」に向き合いましょう。
表に数値を書き込むとわかりやすいかも。
それでは、どうぞ!
【家庭での育児に必要な力】(下に補足説明があります)
図にするとこんな風です。
対のようですが、どんな要素があるかというものをただ4方向に表しただけです。
大体子育てを経験していると何を言っているか分かるのではと思うのですが、
補足をします。
① イレギュラーに対応する(予想がつかない事が多々起きる)
子どもはいきなり事を起こします。
走る・登る・落ちる・飛び降りる・触る・引っ張る・押す・振り回す・散らかす・口に入れる・舐める・熱が出る・吐く等様々な体調不良・排泄・汚れる・泣き出す・・・それが怪我(転倒・転落・火傷)・溺れる・誤飲・窒息・壊す・汚れるなどの大惨事に繋がります。
怪我以外も突然成長したり、突然意志が変わったり、言葉と思いが一致していない時もあります。何が起きても冷静になり、対応ができるかどうか。
②先を読む力
イレギュラーな事が起こるのを先に予想しておき、対応の準備ができるかどうか。
食事中子どもがコップの水をこぼしそう→
周りの大事なものを避けておく・コップを手の当たらないような場所へ移動・こぼしてもすぐ拭けるように雑巾を準備・こぼしても可能なように机の下にシートが引いてある・こぼれにくいコップを使用などなど。。。
③洞察力・言葉以外を使ってどれだけ読み取れるか
表情・指差し・目線・体の動かし方・いつもの行動パターンから推測・性格や気質等の理解などから、言葉以外で読み取ります。
例えば、外国人とのコミュニケーション、犬猫など動物とのコミュニケーションなど、共通の言語を介さないコミュニケーションが得意かどうか。
そして自分も相手から予測されやすいような言動を行えるかどうか。
④子どもに求める事を全部自分がお手本として行う
生活習慣などで自分がお手本を示しているか。歯磨き・出した場所に仕舞う・挨拶をする・勉強している姿を見せる・丁寧な物の扱い・丁寧なコミュニケーション・脱いだ服は洗濯かごへ・コートをかける・履き物を揃えるなどなど。
⑤回復力(レジリエンス)・自分の余裕を作り出す
忙しい・疲れた・傷ついたなどに対して回復の手段を持っているか?
その手段は色んなパターンがあるか?
お金も時間もそんなに使わずできる回復法か?
育児は自分の時間を作りにくいので、手が空いた瞬間に回復できる手段が必要になります。
⑥何をやらないかを決められる(優先順位を決める)
子育ては手をかけようと思えば永遠にどれだけでもかけられるので終わりがありません。ここまではやる、けれどもここからはやらないと決める事も大事です。
子どもと過ごす30分を作るために、掃除は今日はやらない、など。完璧主義な人ほど難しいですが、何かをやるために何かは手を抜かなければなりません。
⑦夫婦が対等で話せる関係である(話し合いで解決できるかどうか)
どちらが上とか関係なく、意見をお互い尊重できる関係かどうか。
仕事の有無・年齢差・稼いでいる金額等で優劣が語られやすいですが、子育ては夫婦が対等の関係で話し合って進めていかなければうまくいきません。
そして語らなくても分かるでしょという相手が理解してくれるだろうという期待。
これがあると期待が外れた時に喧嘩になりやすいです。
⑧何でも結果をすぐに求めない
3歳に蒔いた種が20歳になって芽が出る場合もあります。子育てはすぐに結果が出るものではありません。
じっくり待つ・芽が出なくても責めない、白黒はっきりさせず、グレーな空間を漂えるかどうか。
⑨待てる・一見意味が無いと思える時間を過ごせる
育児は「待つ」事が多いです。公園遊びなどでも、砂場であれこれやっていてもう1時間待っている・・・という状況はザラです。一緒に親と遊びたい子も居れば、見守っていてほしい子もいます(作るのに集中して)。ずっと電車を行ったり来たりさせて何の意味があるのだろうと思いがちですが、そこから何かを学んだり実験している最中なので、静かに見守ってあげられるかどうかは成長に繋がります。
大人にとってみれば暇で、この時間を有意義に使いたいという人もいるかも知れません。待てるかどうか。。。
⑩子どもが理解できる話し方ができる(相手に合わせた話し方)
「海って何??」の質問に、「地球上の陸地でない部分で、全体が一続きになって塩水である場所」では何のこっちゃ。「塩味のお水がたくさんある場所で、色んな魚が泳いでいて、、、」など、子どもが知っている単語を分かりやすく繋ぐ話し方ができるかどうか。
大人同士でも、相手が分かる話し方ができるかどうか。
⑪愛とは受け入れること(自分の価値観を広げることができる)
自分が許せないと思っている事を子どもがやった時、批判ではなく対話ができるかどうか。子どもが行うことには理由があり、そこには想いがある。
価値観が広ければ広いほどジャッジせずに色んな可能性で話を聞く事ができる。
例えば友達を叩いた、という事に対して、「叩いちゃダメだろう!謝ってきなさい!」ではなく「なぜ叩いたの?」と理由を聞き、どうしたらその問題が解決できるか一緒に考える。解決は謝るのがゴールではなく、コミュニケーション能力の幅を広げられるかどうか。など。
⑫周りと比べない(自分の不安に勝つ・自分なりの意見がある)
一人一人個性があり発達もそれぞれなので、周りと比べずに子どもの成長を見守り助け喜ぶことができるかどうか。
不安がどうしても先行し、うちの子大丈夫かな?っていうのはあるんですよね。
その不安の渦に引き込まれないように、自分なりの尺度が必要です。
この子は今この段階だからいいんだという親なりの想いがあるかどうか。
⑬ある程度の育児の専門知識(病気怪我・発達段階など)
心身の発達段階というのは、今までの研究結果で様々あります。
子どもが大人にとって困った行動をするのは理由があります。
発達段階を知れば、大抵今その時期だからという結果になることが多いです。
知らないよりは知っていた方がスムーズに暮らせます。
⑭怒りのコントロール
とにかく子どもは大人の予想つかないことをするし、疲れたり忙しいタイミングに要求してきたりするし、大変な時に限って追い討ちをかけるように何かが起こります。
誰もが通る道ですが、この怒りを子どもにぶつけるか、一旦落ち着いて声をかけられるかでは大きな違いがあります。
最近では、怒ることは短期的にしか有効な手段ではないと言われています。
長期的に有効な手段は他にあるので、とりあえずこの怒りをどれだけ自分でコントロール出来ているかなと考えてみてください。
おまけ【感性がどれだけあるか?】
五感の発達。想像力。創造力。子どもと一緒に遊んだり生活していくには、五感を使っての創造力・創造力があった方が柔軟に対応できます。
人間として感性の必要性の話はまた追々します。
【解説】
【育児の向き不向き】
長くなりましたが、どうでしょうか?
得意不得意、快不快がそれぞれ自分の中から出てきたでしょうか。
一見育児は、愛情深く感性で行っていくイメージがありますが、
割と、理性的に頭を使わなければならない仕事だという事がわかります。
頭を使う部分は、未知のものに対しての瞬発力みたいな部分もあり、
日頃から考えてさえいれば瞬発力がなくても返す手はありそうです。
もちろん得意・快があった方が育児には向いています。
しかし、不得意・不快が多くても落胆することはなく、
ただ育児には不向きだけど頑張って向き合っている状態だ、という事です。
不得意なのであればどうやって対応するのか考え、対応可能な部分があれば自分で余裕がある時に対応すればいいと思います。
どうしても苦手な部分は、ママや他の人に任せましょう。
全部出来る人なんていません。
知る、が出来たら次に行きましょう。
【分析〜からの分担】
【自分の何を育児に活かせるか】
先ほどの得意不得意・快不快を元に、どれなら自分がこなせそうか考えてみてください。
などなど。しなければならない項目がありますが、
これも得意不得意、快不快で自分を分析してみてください。
そして、不得意不快な部分は誰かと分担。
ママと一緒に分析をやってみてもいいかも知れませんね。
項目は例えなので、自分の家の状況に合わせて書き出してみてください。
【最後に】
最後に、もう3つ考えてみてください。
プラスαの能力では何を教えられるか?具体的な能力
例えば野球とか釣りとか、話し方やコミュニケーションの仕方などでもOK。
育児に充てられる時間はどのくらいか?
夜の20時〜21時、
朝の7時〜8時。
夕方の2時間、など。
自分の体は育児に対応しているか?
そもそもの体力、
泣き声が神経に響かないかどうか、
持病により休む時間が時折必要かどうか、
体のどこかを痛めてないか(腰・肩・腱鞘炎・関節痛など)
昼寝が必要なタイプか?
これらを書き出しておいたり、自分で把握しておくだけで、
考えなかった時に比べて遥かにストレスが少ないです。
今回はだからどうだという話ではなく、現状把握です。
これをもとに、何が自分に必要かを今後考えて行きましょう。
めんどくさい作業にお付き合いいただきありがとうございます!
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