「準備」の違いで、これだけ「結果」に差が出ると実感した。
――最近は特に人前で話す機会が多く、そのどれもが本を紹介するプレゼンなんですが、準備の違いによってこんなにも結果に差が出ることを身をもって知ることになりました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「『準備』の違いでこれだけ『結果』に差が出る」というテーマで話していこうと思います。
📚僕は別に話し上手ではない
僕は子どもの頃から人前で話す機会が他人よりも多い気がしています。大学生になってからもそれは変わっていません。
大学の授業で「方言」についての40分くらいのプレゼンをこなしたり、教育実習で教壇に立ったり、自分の初書籍『Message』について1時間しゃべるトークライブを開催したり、先日も開催されたプレゼンイベントに参加していたり……。
そんなことを繰り返していると、「しゃべるのが上手」だとか「プレゼンが上手い」だとか、ありがたい言葉をいただくこともあるんですが、僕からすれば、そう言われるだけの準備をしているだけであって、正直誰でも実現できるんじゃないかなと本気で思っています。
ぶっつけ本番で臨むから時間をオーバーしたり、逆に足りなくなったり、言葉を失ったり、結局何を伝えたいのか聞き手が困ってしまう話を展開してしまうことになるんです。
僕は準備していない話を展開することは苦手な方です。何もないところから満足のいく話を生むことができないし、誰かの言葉を受けて打ち返すだけで精一杯。大人数の飲み会で僕がしゃべるときがあるとすれば、今までに話したことのある話(準備された話)をするくらいです。
話し上手ではないからこそ、プレゼンをするとなったらちゃんと準備をするんです。何を1番伝えたいのか、どんな風に展開していくのか、最後はどう締めるのか、考えるんです。余裕があれば、どこにブレスを置き、どう抑揚をつけて話すのかも探ります。
最近は特に人前で話す機会が多く、そのどれもが本を紹介するプレゼンなんですが、準備の違いによってこんなにも結果に差が出ることを身をもって知ることになりました。今日は、自分のプレゼンを振り返りつつ、「準備の意義」について再考していこうと思います。
📚プレゼンのバッドモデル
まずはバッドモデル、悪い例から紹介していこうと思います。そもそも何をもって良し悪しとするのか定義付ける必要がありますが、「明確に定めることはできない」が正直な感想です。強いていえば、僕が振り返ってもう一度その紹介を見たときに「面白い」と思えるかどうか。つまり、自分が聞き手になったときに心を動かされるかどうかが、今回の良し悪しの基準ということです。
まずは、先日開催された「TALK ABOUT!!」というプレゼンイベントでの僕の発表を振り返ります。自分の好きなものや伝えたいことについて約5分間で紹介するというイベントで、事前に申請すれば誰でも登壇できるシステムが特徴的です。先日の会では、参加者の半分近くが登壇するというカオス。しかし相変わらず楽しく温かい空間でした。
そこで僕はビブリオバトルの普及、そして次の茨城決選大会の告知をするためにプレゼンをしてきました。道尾秀介さんの『N』という本を紹介し、その後にビブリオバトルの説明、茨城決選大会の告知をするという流れでした。
今振り返って思うのは、「準備が足りず余裕がなかった」ということ。実は本番当日の昼まで別の本を紹介するつもりだったんですが、もうすぐハロウィンということもあり、それに触れられると共感度の高いプレゼンになるなあと思い、急遽ハロウィンの話ができる本に変更したんです。
『N』は6つの話から構成されていて、どの話から読んでも、どう読み進めていっても、どの話で読み終えても、物語が成立するという不思議な本。1冊で720通りの物語を体験することができるのです。ビブリオバトルに向いている本ですし、なんなら2年前に公式戦で発表した本でもあるから、急遽変更してもきっと上手く話せるだろうと高をくくっていたんですが、その予想は外れました。
もちろん最低限のやりたいことはできているし、伝えたいことは伝えられてるんだけれど、聞き手とのコミュニケーションが上手くいっていないし、本の魅力も十分に引き出しきれていない。噛む瞬間もあれば、違和感のある言葉を選んでしまっているときもある。また、全体的に早口だし、伝えたいことを伝えるだけで精一杯になっている。矢印がお客さんに向いていないんですよね。
百聞は一見に如かずですから、是非、以下の動画を観てみてください。僕の言っていることが伝わると思います。
📚プレゼンのグッドモデル
次に、「TALK ABOUT!!」の前日に参加してきた読書会での本の紹介を振り返ります。読書会では、はじまり方こそさまよっていたんですが、聞き手とのコミュニケーションを取りつつ、何度か盛り上がりをつくることができたので、グッドモデルとして紹介しますね。
紹介したのは、能登崇さんの「ない本、あります。」という1冊。一枚の写真から装丁をつくり、その装丁から本文をつくっていった本です。詳しくは以下の記事をご覧ください。丁寧に紹介しています。
本の概要から自分のお気に入りの掌編を紹介する流れは完璧でした。詳しくは以下の動画を観てほしいんですが、主催者のゆりあさんから「この写真、気になる」といわれて、「気になりますか?」「こんな本がつくられました」「僕が1番好きな話なんですよ!」という流れるような展開ができたんです。もともと紹介しようと思っていた話に興味を持ってくださったので、内心にやにやしていました。
最後には「面白い」「読みたい」という声をいただいので、少なからず聞き手の心を動かすことができたんだなと思いました。ちなみに、「TALK ABOUT!!」では関心を持ってくれる人はほぼゼロに等しかったんです。せっかくの機会を無駄にしまったなあと悔やみました。
このふたつの紹介の違いは、準備に起因していると考えます。
さっきもいったように、『N』は急遽別の本から変えて紹介したから準備なんてほぼしていません。当日スライドをつくりましたが、それも会場に来てから急遽つくったものです。パソコンを持ってきていなかったから、別の登壇者にお願いして簡易的なスライドをつくってもらいました。
#準備不足も甚だしい
一方の『ない本、あります』は、さっきこの記事に貼り付けたように、読書会の直前にnoteの記事で本の紹介をしていたし、どんな構成でいくのか、どこに重心を置くのか、重ね重ね考えて臨んだので、『N』の何倍も準備がしっかりしていたんです。だからこそ余裕を持って話すことができているし、聞き手に矢印を向けることができているんですよね。
今日は自分の発表を振り返りながら、準備の意義を再考してみました。
茨城決選大会まであと1週間。もう本は決まっています。勝ち切れるだけのポテンシャルのある本を選びました。あとは、しっかり準備して届けるだけ。
茨城決選大会は、11月5日(日)11:30~12:30に行われます。茨城県立図書館で開催されるんですが、YouTubeでの配信もあるのでオンライン参加も可能です。もしよかったら、僕の物語を聴きにきてください。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20231030 横山黎
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