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ビブリオバトラーの集いをつくりたい。
――オンラインのコミュニティかもしれないし、「FAVORITE!!」のような本のイベントかもしれないし、本のあるゲストハウスという場所かもしれません。あるいはその全部かもしれません。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「ビブリオバトラーの会をつくりたい。」というテーマで話していこうと思います。
🏨本の場づくりはやめたくない
最近は木の家ゲストハウスでの仕事のことをよく記事にしていました。ロッキンの開かれた3連休だったから、水戸にあるゲストハウスの需要が高いのは頷けます。100人近くのお客さんを受け入れたんですが、清掃も大変だったし、いろいろとイレギュラーも発生しました。
どうにか乗り越えることができたので、一息ついていますが、ロッキンは来週にも待っています。21日から23日まで多くのお客さんに恵まれているので身の引き締まる思いです。
さて、今回は別の話をしようと思います。本の話です。
僕は高校から大学までの7年間、ビブリオバトラーとしての顔を持っていました。自分のお気に入りの本を5分間で紹介するビブリオバトル。登壇するスピーカーのことをビブリオバトラーというんです。
僕は高校1年生のときからビブリオバトルの公式戦に出場して、これまでに3回、全国の舞台に立つことができました。ビブリオバトルをきっかけに僕のことを知ってくれた人がいたり、活動の幅が広がったりしたので、本には不思議な力があるし、それが集まる本の場には不思議な巡り合わせがあるものです。
大学を卒業して4月からゲストハウスの仕事を始めることになったわけですが、本にまつわる活動をあきらめるつもりは毛頭なくて、これからも様々なアプローチで続けていこうと考えているんです。
たとえば、今年の6月末には、泊まれる本のイベントを開催しました。
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🏨ビブリオバトラーだけど…
全国大学ビブリオバトルに参加できる最後の年だった去年、今までにないほどに情熱を燃やしていた僕は、ビブリオバトルの準備の一環として、本のイベントを開催するようになりました。「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」というイベントです。
話は複雑になるんですが、僕はビブリオバラ―でありながら、ビブリオバトルに対して懐疑的になっていることがあるんです。ビブリオバトルのコンセプトは「人を通して本を知る。本を通して人を知る。」だけれど、それが十分に実現できる環境になっているのかなと。
確かに、ビブリオバトラーが本を紹介するわけだから、「人を通して本を知る」ことはできるけれど、その本を通して人とのつながりを感じられたり、新しい出逢いに恵まれたりすることってあまりないのかなと思ったんです。
たとえば、ビブリオバトラーと聴衆ってほぼ関わりがないんですよね。5分間の本の紹介のあとに、2~3分の質疑応答の時間があるので、聴衆から質問をもらうんですが、関わりといったら、それくらいしかないんです。感想を共有し合ったり、対話を深めたりすることはない。
「人を知る」の知る度合いには幅があるけれど、少なくとも僕は、今のビブリオバトルのスタイルに対しては物足りなさを感じているのが正直なところなのです。
そこで、より「人を知る」にフォーカスした本の場をつくろうと思い至り、去年から「FAVORITE!!―お気に入りの本を紹介する会―」というイベントを開催することにしたんです。
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🏨ビブリオバトラーの集いを。
「FAVORITE!!」は、5分間の本の紹介のあとに、5~10分程度のディスカッションの時間があります。気になったことを質問したり、本の紹介の感想を述べたり、派生して人生談を語り合ったり……。
いわゆる「読書会」と「ビブリオバトル」の間のポジションに「FAVORITE!!」が位置するというイメージですね。読書会よりも紹介する時間や会の進行に制限があって、ビブリオバトルよりも周りの人と話す時間が長いから交流に重きが置かれているというわけです。
いちばん最近の開催は今年の6月で、参加者は僕を含めて11人でした。うちスピーカーとしても参加する人が僕を含めて6人いました。
2人ずつ本の紹介をしていって、10分くらいディスカッションをして、次の2人まで5分くらい休憩時間を取って……という流れで進行していったのですが、より理想的な本の場をつくれたんじゃないかなと実感しました。
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参加者のなかには、木の家ゲストハウスの宿泊者もいました。そのとき初めましての人でも他の人と打ち解け合っている光景が見られました。紹介した本をきっかけに、スピーカーとリスナーが歓談している光景も見られました。本を通して人を知り、人を通して本を知る場が、そこにはありました。
また、僕と同じくビブリオバトラーの林君も参加してくれました。去年の地区大会、そして全国大会で一緒だった人です。イベント終わり、彼がこんなことを言ってくれました。
「ビブリオバトルに対するジレンマを解消してくれた」
どうやら彼も、僕と似たような疑問は抱いていたようでした。「FAVORITE!!」は勝敗なんか気にもせず、自分の本当にお気に入りの本を紹介する時間、空間を追求していたので、とても有意義に感じてくれたみたいです。
今度はビブリオバトラーを集めてやりたいという夢も交わしました。
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実は先日、とあるnoteの記事を見つけまして、それを受け、今回このような記事を書いているんです。ビブリオバトルの全国大会のチャンプ本に選ばれた経験のあるふたりが対談している様子が収められています。
この記事の冒頭で、「誰かとビブリオについて語るというのが初めてなので楽しみです」という言葉がありました。確かにビブリオバトラー同士がビブリオバトルの大会ではない別の機会で会うことってないんですよね。
だからこそ、ビブリオバトラーが集まる場をつくりたいなと改めて思ったんです。
それは、オンラインのコミュニティかもしれないし、「FAVORITE!!」のような本のイベントかもしれないし、本のあるゲストハウスという場所かもしれません。あるいはその全部かもしれません。
とにもかくにも、ビブリオバトラーたちが集まる場をはじめ、本の場づくりを追求することはあきらめずに続けていこうと思います。
さっき話題にした対談記事は3記事にまたがる対談記事となっていて、とても読み応えがありますので、もし興味を持たれた方は是非、覗いてみてください。この記事の最後に貼り付けておきますね。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240916 横山黎