あまり上手くいかなかった物販
ーーまだ商業デビューをしていないアマチュア大学生作家の本ですから、『我楽多だらけの宝箱』は所詮ガラクタで、そこに2000円の価値を見いだす人は少ないんだろうなと改めて思いました。だからこそ、ガラクタを2000円で売るためにはどうすればいいのか、徹底的に向き合うべきだなと考えるわけです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。
今回は「あまり上手くいかなかった物販」というテーマで話していこうと思います。
📚あんまりだった物販
3月3日(日)、僕は「BOOK TALK LIVE "桃太郎"」というイベントを開催しました。卒業研究のテーマに「桃太郎」を掲げた僕が、47人のお客さんを前に、その秘密や歴史について物語りにいきました。
イベント全体でみれば、いいものにすることができたと振り返っているんですが、公演後に行った物販があんまり上手くいかなかったので、今回はそれについて振り返ってみようと思います。
そもそも「BOOK TALK LIVE」は、自分の書いた本を届けるためにはどうすればいいのかなと考えた末、オフラインイベントを開催してそのグッズとして売り出そうという手を試してみようと思い至り、始めたイベントです。
本来目的であったはずの物販があまり上手くいかなかったことは看過してはいけない問題なので、みつめていきますね。
今回の物販では、既刊の『Message』、『伝えたいことが20年分ある』、『夜明けのうた』に加えて、最新刊『我楽多だらけの宝箱』を販売しました。
『我楽多だらけの宝箱』は先月出版したばかりの僕の最新作で、小説、エッセイ、ショートショート、詩、短歌など、さまざまな種類の文芸作品を20収録した総合文芸作品です。僕自らそれぞれの作品紹介をしている「はじめに」を全文公開しているので、もしよかったら覗いてみてください!
📚ガラクタの値段
さて、それぞれの売値と売れた冊数、売り上げですが、以下の通りです。
これだけの数の本を一度に売ることができたからもちろん物販をやってよかったし、やる意味も意義も感じられたのですが、イベントの参加者の数を考えると、この倍くらいは届けられるかなと予測していました。
47人の参加者のうち、その半分、少なくとも20人には届けられるかなと思っていたんですが、全部の冊数を合わせても、のべ10人といったところです。
あまり人数が伸びなかった理由のひとつには、値段の問題があるのかなと振り返っています。
さっき示した通り、『我楽多だらけの宝箱』は2000円で売りました。450ページの分厚い本だし、今までの価格設定を考えると妥当な価格だと踏んでいたんですが、やっぱり2000円の本には手を伸ばしづらいのでしょう。実際、イベントの参加者アンケートで物販についての質問に、「値段が高かったから買わなかった」と回答した人が一定数いました。
今回のイベントは参加費無料だったし、応援や卒業祝いの文脈で、2000円の本でも買ってくれるかなと希望的観測をしていたんですが、現実はそんなに甘くなかったみたいです。
まだ商業デビューをしていないアマチュア大学生作家の本ですから、『我楽多だらけの宝箱』は所詮ガラクタで、そこに2000円の価値を見いだす人は少ないんだろうなと改めて思いました。
だからこそ、ガラクタを2000円で売るためにはどうすればいいのか、徹底的に向き合うべきだなと考えるわけです。
📚物販の空間を考える
参加者アンケートのなかで目立ったのは、値段の問題だけでなく、「気づかなかった」という声があったことです。物販をしていると気づけなかった人が何人かいたんです。物販をしていたのは会場を出てすぐのスペースで、帰るときには必ずそこを通るのですが、それでもそこを通り過ぎる人がいたということです。
ここで、物販の空間を考え直す必要があると思いました。
僕は今回、1時間かけて「桃太郎」についてしゃべる出演者でもありながら、企画、運営、チラシやポスターのデザイン、集客、資金調達などなど、イベントの総指揮として立ち回っていたんですが、物販に関しては結構後回しにしてしまっていて、ブースのレイアウトも空間のデザインもほぼノータッチで当日を迎えました。
経験上、そこまでこだわなくても本が売れるという見込みがあったことも油断につながりました。「BOOK TALK LIVE」の物販は僕しか本を売らないわけだし目立つ必要がないと信じ切っていたのですが、蓋を開けてみれば、物販に気づかない人が出てくる始末。情けないものです。
物販をしていることに気づくためにも、購買意欲を高めるためにも、ブースのレイアウトや物販の空間デザインはとことんこだわるべきだなと再認識しました。
以前何度か参加した文学フリマでは、ウォールバナーを置いて2メートルを超える壁をつくったり、ロゴをつくってそのパーカーをつくったり、とにかく統一感のあるブースづくりをしたこともありました。
今後本の物販をするときは、あのときみたいにブースからつくっていく意識を強めて望むべき。それこそ、5月には文学フリマ東京にまた参加するつもりなので、それに向けて、少しずつよりよい物販について考えていこうと思います。最後まで読んでくださりありがとうございました。
20240315 横山黎
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