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僕に眠るダイヤモンド
――鉄平のノートから端島での暮らしを知り、玲央が自分の日々にもダイヤモンドを求めたように、僕らは常に生きるための拠り所を探していて、それによって生かされているんですよね。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家、木の家ゲストハウスのマネージャー、イベンターとして活動しています。
今回は「僕に眠るダイヤモンド」というテーマで話していこうと思います。
🏨あの頃から変わらないもの
まず昨日の答え合わせからいきます。年明け早々動きすぎたからか、先日体調崩したことを受け、昨日の記事ではやっぱり運動の習慣をつけたいと思い直し、翌日、つまり今日から運動を始めることを宣言しました。
ちゃんと朝起きて、久々に筋トレをしました。短い時間ですが、無事にそれを叶えたことをここに記しておきます。とにかく短くてもいいから毎日継続することが大事だと思っているので。この調子で2025年、運動習慣が身につけにいきます。
さて、年々忙しい1年を更新しているので少しずつ確かに大人の階段を踏んでいる感覚のなかにいます。それでもあの頃から変わらないものを持ち続けているのも確かで、今回はそれについて語っていこうと思います。
僕に眠るダイヤモンドの話です。
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🏨『海に眠るダイヤモンド』を観て…
去年最終回を迎えたドラマに『海に眠るダイヤモンド』があります。日曜劇場の枠で放送されたドラマで、僕の好きな『アンナチュラル』や『MIU404』と同じような制作陣でつくられました。
公式のHPをのぞくと、以下のような紹介がされています。
本作は、1955年からの石炭産業で躍進した長崎県・端島と、現代の東京を舞台にした70年にわたる愛と友情、そして家族の壮大な物語だ。
戦後復興期から高度経済成長期の“何もないけれど夢があり活力に満ちあふれた時代”にあった家族の絆や人間模様、青春と愛の物語を紡いでいく。同時に、現代の“一見して何でもあるけれど若者が夢を持てない時代”を描き、過去から現代に通じる希望を見つけだす、時代を超えたヒューマンラブエンターテインメントである。
僕はその存在を知った日から端島に惹かれていたし、なおかつ僕が新作が出る度に心待ちにしている制作陣のドラマということもあり、放送前から大いなる期待を寄せていました。
結論からいえばちゃんと面白かったし、脚本や演出、タイトルの付け方、主題歌の挿入のタイミングなど、この制作陣の持つ変わらぬ魅力を存分に感じることができました。
僕は青春群像劇が好きだから、それぞれの登場人物の思いや背景を掘り下げていく構成は僕好みのだったし、ミステリー好きでもあるから、いづみさんの正体が誰なのか、1話の冒頭のシーンはどういう場面なのか、全体的に謎の横たわる構成も僕好みでした。
作中、特に後半でキーワードになっていたのは、タイトルにある「ダイヤモンド」という単語。今回はここに注目していこうと思います。
🏨ダイヤモンド
『海に眠るダイヤモンド』というタイトル、物語のあらすじを知ったとき、ダイヤモンドが示すのは、石炭のことだと誰もが思ったはずです。端島といえば炭鉱で栄えた島ですし、作中、炭鉱夫たちもたくさん登場しましたし。
ただ、第8話「ダイヤモンド」以降、単純に石炭だけを意味するわけではないことを知りました。それは、鉄平と朝子をつなげる愛のしるしであり、今は亡骸となってしまった端島そのものであり、記憶の底へ沈んでいった思い出であり、生きる者すべてが心に抱く情熱の象徴でありました。
鉄平のノートから端島での暮らしを知り、玲央が自分の日々にもダイヤモンドを求めたように、僕らは常に生きるための拠り所を探していて、それによって生かされているんですよね。僕はそれを、「絶対」と呼んだりしています。
どれだけ世界が廻っても、どれだけ時代が移っても、自分のなかにある変わらないもの。
一度石炭が取れなくなってから時間をかけて石炭を見つけた炭鉱夫たちが大声を上げて喜んだように、鉄平の父が病床に臥すなかでその報せを聞いて涙したように、それさえあれば、それさえ手に入れることができれば、という対象がダイヤモンドなんですよね。
時にそれは目に見えない存在でもあります。鉄平や朝子にとってそれはお互いがお互いに対する思いであったように、確認しにくいものでもある。
また、鉄平からの贈り物であるダイヤモンドが端島のどこかで眠っているように、一生のうちに出逢えないものかもしれない。それでもそれが在ると信じることさえできれば、僕らは希望をもって生き続けることができるのです。
僕に眠るのは、「物語」というダイヤモンド。
物語によって磨かれたこの命は、情熱を滾らせ、輝きを放つのです。それを僕は知っている。だから、今日も、明日も、人生を物語っていく。物語のような人生を生きていく。そんな誓いと再会するきっかけをくれたドラマだったなと思いました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20250109 横山黎